概要

インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)はイギリスでも屈指の名門校で、世界最高水準の教育機関であるオックスブリッジと並び、世界でも10位以内に数えられる大学です。特に理工学と医学において優れており、これまで16人のノーベル賞受賞者を輩出しています。ロンドン大学の分校として1907年に設立されたICLは他の名門大学と比較するとその歴史は浅いですが、学術水準は間違いなくトップレベルの大学です。

Times Higher Educationによると、2020年度のヨーロッパの大学ランキングでは14位、世界ランキングでは10位となっています。

参考元：

https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2020/world-ranking#!/page/0/length/25/sort_by/rank/sort_order/asc/cols/stats

ICLは元々ロンドン大学の分校でありキャンパスのひとつという位置づけでしたが、2007年に独立した大学となりました。そのため、学生寮もロンドン大学の敷地内であるサウスケンジントン地区とチェルシー地区に点在しています。

大学院生の場合、1年目はほとんどの学生が大学から少し離れた寮に住み、2年目からは民間の寮などに住むのが習わしになっています。

ロンドンという大都市に位置していることもあり、学生の人種も多様で、世界中から優秀な人材が集います。

本稿ではこの大学院に入学するための手順と必要条件、学費や奨学金の制度まで細かく紐解いて行きます。

【早見表】※学部の入試情報における早見表です。大学院入試は後述情報をご参照ください。

*大学院受験ではなく大学受験における情報です。難易度や費用の目安として参考にしてください。

参考元:

https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2020/world-ranking#!/page/0/length/25/sort_by/rank/sort_order/asc/cols/stats

大学院で必要とされる英語力

 
ICLは学部でも大学院でも、理工学および医学を中心としたあらゆる専門的なコースが用意されており、その数は209にのぼります。

学生の70%は現地イギリス人、20%がヨーロッパ各国からの留学生です。また、マイノリティーに寛容な大学とも言われており、キャンパス内は多様な学生で日々活気に満ちています。そのため、英語が第一言語出ない学生も比較的多く、他の名門大学と比べると英語力のボーダーは少し低めに設定されています。

【ICL-各学部が提示するボーダースコア一覧-】

参考元:

https://www.imperial.ac.uk/study/pg/apply/requirements/english/

https://www.imperial.ac.uk/study/pg/courses/

TOEFLはiBT、IELTSはAcademic moduleのスコアが対象になります。ICLではStandardとHigherという基準を設けており、ここでご紹介しているのはStandardのものになります。実際の出願を検討する前には、必ずご自身で希望のコースがStandardかHigherどちらの基準でスコアを設定しているか確認しましょう。

Standardのボーダーは、どのコースでもTOEFLで92、IELTSで6.5です。

また、先述の通りICLの英語スコアは他の名門大学に比べると低いように見えますが、これはあくまで必要最低点数です。入学後も高い語学力がないと、専門性の非常に高い授業についていけませんので、できる限りボーダーラインギリギリを目指すのではなく、満点に近い点数を狙いましょう。

世界有数の名門大学であり、世界最高水準の環境で勉強や研究をすることができる大学として多くの国から非常に優秀な人材が集まってくるエジンバラ大学に入るためにはかなり高い英語力を求められますが、入った後にその分思う存分自分の興味分野を深めることができるでしょう。

出願から合否発表までの流れ 

オンラインで出願が可能

近年はオンライン環境も整い、イギリスの多くの大学では出願から合否発表までインターネット上で全てを完結させてしまえることも多いです。ICLも例外なくオンラインでの出願窓口は完備されており、全ての手続きをインターネット上で終えることが可能です。

ICLの公式ウェブサイトに用意されている出願フォームにデータ化した必要書類をアップロードすることで出願は完了します。出願を考え始めたら、まずは公式ウェブサイトを確認して、出願の流れを確認するようにしましょう。

出願書類

一般的にコースで必要になる書類は次のとおりです。

・申請料（£80〜£125）

・学位の証明書（学部のもの）

・履歴書

・英語力の証明書（TOEFLまたはIELTSスコアが求められます）

・GREのスコア（ヨーロッパの大学出願にあたって求められる共通試験です）

・推薦書（2通）

注意

・ほかにも志望動機書など、各コースによって必要書類が異なる可能性があるので、必ずご自身で確認しましょう。

・必要となる書類は年度によって変わる場合や、出願が始まってから書類が追加になることもあります。

・必ず書類の作成前と出願前に、各コースのウェブサイトで募集要項を確認しましょう。

英語原文

Application fee

For the Imperial College Business School, an application fee is applied to some courses.

For 2020-21 entry, this is £125 for MBA applications and £80 for MSc programmes. Find out more about this application fee.

There is no application processing fee for any other postgraduate courses. This includes the Business School’s Doctoral programme.

If your application is successful and we make you an offer, you may need to pay a deposit. This deposit may be part of your offer conditions. This amount will be deducted from your tuition fees.

Submitting evidence

To show how you qualify for the course(s) you are applying for, you will need to provide information about the higher qualifications you have achieved or which you’re currently studying.

All Imperial applicants must also show that they have a sufficiently good level of written and spoken English to meet the demands of our challenging academic environment. Find out more about our English language requirements for postgraduate study.

We can process your application more quickly if you upload scanned copies of the academic transcripts and certificates for the higher education qualifications you already hold when you apply.

If you receive an offer we may ask you to provide evidence of your previous qualifications as part of the conditions of your offer. Where this applies, you must send the original physical documents by post.

References

You will need to provide the names of two people who can provide an academic reference in support of your application. An academic reference could be from, for example

• Your personal tutor
• Your thesis supervisor
• Your line manager in a research group

One academic and one relevant professional reference may be acceptable – contact the relevant Admissions team for confirmation before you apply.

GRE or GMAT

If you have already taken the GMAT or GRE, you should upload a copy of your results and request your score to be released to Imperial College Business School. This will enable us to verify your results online, so you should not send a hard copy unless we request it.

To submit your score online, you must request for it to be shared with Imperial College Business School. Our GMAT code is S22-7S-16 and our GRE code is 0121.

If you have not yet taken GMAT or GRE, please include details of your planned test date on the application form and ensure that you contact the Admissions team once your score is available.

「Imperial College London」ウェブサイトの「Apply for a Master’s course」ページより抜粋：

https://www.imperial.ac.uk/study/pg/apply/how-to-apply/apply-for-a-masters-course/

https://www.imperial.ac.uk/business-school/programmes/full-time-mba/admissions/how-to-apply/#gmat-or-gre-results

提出期限

• 書類の受付開始日：同年の10月1日頃
• 書類の提出期限日：翌年の6月19日頃
• 合格発表の期間：書類提出から1〜2ヶ月頃

ICLは3学期制を採用していて、入学時期は毎年9月のAutumn Termから始まります。毎年10月から翌年の受験生にむけた出願受付を行っており、年に６回の受付期間があります。それぞれ２ヶ月毎で締め切られ、応募者数が多すぎる場合や受付が受理されなかった場合は次の公募に回されます。最終の公募は翌年6月となっていていますが、それよりも早く定員がいっぱいになる場合もあるので、なるべく早い段階で必要書類を揃え、出願しましょう。

また、ICLでは提出書類の更新はその期間内であれば認められています。特に英語のスコアなどは最も高いスコアを提示できるため、期間中にスコアが上がれば、オンラインで再度アップロードすることも可能です。

なお、ICLは志望者数が多く、世界中から多くの優秀な学生が応募するので、早めに、かつ、Admission Officeの目にとまるような内容の自己推薦文等を準備しましょう。

参考元：

https://www.imperial.ac.uk/study/pg/apply/how-to-apply/apply-for-a-masters-course/

https://www.imperial.ac.uk/business-school/programmes/full-time-mba/admissions/key-dates-and-deadlines/

ICLの合格率

 
名門大学の中では比較的新しい大学ながらも、ノーベル賞受賞者も輩出する等、特に理工学や医学の分野で世界を牽引する存在となったICLの2019年度合格率は14.5%です。

同じくイギリスの難関校とされるケンブリッジ大学やオックスフォード大学の合格率は10.2%〜35％とされていています。数値だけを見るとイギリス、ヨーロッパの大学はアメリカの大学に比べて合格率が高いように見えますが、その内訳を見てみると、実に80%の留学生が英語を第一言語とする国の出身であり、日本人の割合はわずか0.4%です。

また、日本人の毎年の受験者数と合格者数の割合はアメリカの他大学と比べ僅差であることから、決して「合格率＝入学難易度」と捉えず、気を引き締めて準備しましょう。

学費と奨学金制度

学費と生活費

在学期間は平均して１年から３年になりますが、選択したコースや、既に取得している学位によって在学期間は短縮されることもあるため、ここでは１年間の学生生活で必要な金額を紹介します。

学費はコースによって異なりますが、年間でおよそ33,000ポンド（1£＝134円換算: 約445万円）必要です。

次に生活費ですが、寮費は光熱費込で月1,000ポンド（約134,000円）、年間で161万円程度になります。

それに加えて、大学で必要な書籍代が3,500ドル（約38万円）と食費や交通費などを含む生活費（150万円程度）を合わせると約190万円程度になるので、学費と合計すると年間で800万円程度が必要になります。

最先端の研究と教育を受けられる最高の環境で勉強することができる分、学費もやや高めですが、将来のキャリア等を考えれば必要な投資と言えるでしょう。

なお、コースやプログラム、寮によって費用には差がありますので、各コースのウェブサイトで確認するようにしましょう。

The President’s PhD Scholarships

博士号の成績優秀者に支給される返金不要の奨学金で、定員は毎年50人程度です。

大学院の入学申請をする際に一緒に申請することができ、最終学歴が修士号（masters’s degree）もしくは学士号(bachelor’s degree)であることと、提出するGPAやGRE、英語のスコアが規定点を上回っている（ほぼ満点）ことが条件です。

The President‘s PhD Scholarshipsは毎年、競争率が非常に高く修士課程は対象外となってしまいますが、この他にも留学にあたって奨学金制度や支給団体がありますので、諦めずに調べましょう。

その他の奨学金制度は以下のページをご参照ください。

民間組織や公的機関からの奨学金について: https://www.liberty-e.com/royal-road-of-english/8462/

大学負担の奨学金制度について: https://www.liberty-e.com/royal-road-of-english/8464/

参考元:

https://www.imperial.ac.uk/students/fees-and-funding/tuition-fees/postgraduate-tuition-fees/2020-21/taught-postgraduate-programmes/

https://www.imperial.ac.uk/study/pg/fees-and-funding/scholarships/presidents-phd-scholarships/

著名な卒業生

• Brian May（天文物理学者 / 1970年 物理学、数学博士号（PhD）取得）
• Frederick Gowland Hopkins,（物理学者 / 1925年 生物医学博士号（PhD）取得）
• Sputuniko!（現代アーティスト、東京藝術大学美術学部デザイン科准教授／数学およびコンピューターサイエンス第一級優等学位取得（BSc））
• Simon Lehna Singh（サイエンスジャーナリスト / 1982年　物理学学士号（MS）取得）
• 大島 武-Takeshi Oshima（東京工芸大学芸術学部教授/ 1994年 経理学修士号（MBA）取得）

参考元:

https://en.wikipedia.org/wiki/Imperial_College_London

トリビア

ICLも所属していたロンドン大学には、たくさんのカレッジが所属しています。代表的なカレッジにはユニバーシティ・カレッジ・ロンドン（UCL）、キングス・カレッジ・ロンドン（KCL）、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス（LSE）などがあり、このほかにも多くのカレッジや指定機関（Listed Body）が所属しています。

ICLは、そんなロンドン大学から、2007年に独立しました。今回は、ICLが如何にしてロンドン大学から独立に至ったかご紹介します。

ロンドン大学とLCL

実は「ロンドン大学」というのは、大学名ではありません。1836年に設立された、イギリスのロンドン市中心部ラッセル・スクウェアに本部を置くカレッジ制の連合大学の総称なのです。加盟大学は研究実績などの審査を通して決定されるのですが、ICLは1907年にロンドン大学が所有するキャンパスのひとつとして設立されましたロンドン大学分校という位置づけでした。

ロンドンの実績豊富な大学が名を連ねる「ロンドン大学」でしたが、転機が訪れます。

ロンドン大学に所属する各カレッジは、それぞれの設立理念・教育研究方針に基づき、学生の入学審査から学校運営、教員採用などを独自に行ってきたのですが、2000年頃から、巨大化したロンドン大学に不満をもつカレッジがあらわれるようになってきたのです。同じロンドン大学の学位を授与していながら、カレッジごとのレベルや位置づけの違いが顕著になってきたのが原因でした。特にユニバーシティ・カレッジ・ロンドン（UCL）やキングス・カレッジ・ロンドン（KCL）、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス（LSE）、インペリアル・カレッジ・ロンドン（ICL）の４校は研究成果や学術水準が他の所属カレッジに比べ圧倒的に高く、ロンドン大学として一括りにするされる事に窮屈さを感じるようになってきたのでした。

そんな中、ICLでは実質的な弊害も顕在化してきました。ロンドン大学本部から遠い場所にキャンパスがあるICLの学生は、証書の授与や手続きのためにロンドン大学へ足を運ぶ必要がある事に対して疑問を感じたり、ロンドン大学に所属する特典でもある他キャンパス施設の利用も、ICLと他キャンパスが離れた位置にあることから活用しづらいなど、不満が募ったのです。

制度上の利害関係や、学生たちの実際的な不満に対し検討を重ねた結果、ICLは2007年に正式にロンドン大学から独立しました。

ICLのその後の躍進には眼を見張るものがあります。独立して未だ20年に満たない中、すでにノーベル賞受賞者を15人輩出しているのです。当初の設立から長年に渡り本部であったロンドン大学から旅立つ形となったICLですから、それだけ大きく羽ばたくことで恩義を尽くしているようにも見えますね。これからの成長にも期待されます。

https://en.wikipedia.org/wiki/Imperial_College_London#/media/File:Imperial_College_-_South_Kensington_Campus.jpg

まとめ

イギリスではオックスブリッジと並び最高の教育機関と称されるICL。ロンドン大学の分校から始まり100年、そして独立して13年と他の名門大学に比べ歴史は浅い大学ですが、輩出してきた著名人やノーベル受賞者の数がその水準の高さを示す何よりの証拠です。

今後もどんどんその水準は上がっていくとされています。オックスブリッジと並ぶ名門校であるICLは、あなたを大きく成長させてくれる環境であることは間違いないでしょう。将来は、新たなビジネスや発明などで世界に一石を投じる人と一緒に勉強したり、もちろん自分が世界で活躍する起業家や研究者になるかもしれませんね。

是非ともLIBERTYで高度な英語力をつけ、諦めずに合格を目指してください。

ICLへの留学を目指しているみなさんへ

 
ICLをはじめとする世界のトップ大学への進学は当然簡単ではありませんが、決して不可能ではありません

現在のあなたの目標の点数まで「あと一歩！」というところでしょうか？それとも「まだまだ遠い…」といったところでしょうか？

いずれにしましても正しい方法で英語を勉強していただければ、誰でも問題なく高い英語力を獲得して目標を達成することができます。

なお、本記事に記載されているTOEFLやIELTSの基準スコアを満たさなければ入学対象にもなりません。海外の大学、大学院への進学にはTOEFLやIELTSのスコアを獲得する他にもエッセイや履歴書の用意など出願の準備が必要です。

目標としている大学、大学院への合格を目指すのであれば、まず短期間で確実に必要なスコアの獲得を目指しましょう。

さてLIBERTYでは日本人が苦手とする最大の理由は日本の英語教育にある、と考えております。

日本の「試験対策としての英語教育」では、どれだけ優秀な型でもなかなか英語を使いこなせるようにはなりません。

LIBERTY独自の英語教授法である『グラマーテーブル』では…

①日本語と英語の間にあるギャップを解消し

②英語をマスターするために不可欠な英語の根幹部分を学び

③アカデミックな英語に必要な語彙力、理論構成、レトリック( 言い回し)を体感的に学ぶことができる

…ため、現在の英語力に関係なく短期間で高い英語力を習得することができます。

またLIBERTYでは「試験のための英語」ではなく、「根本的な英語力を高めるための英語」を学ぶことが重要であると考えております。

その理由は主に2つあります。

①TOEFLやIELTSなどの英語試験は単純な試験対策テクニックではスコアが伸びない

一般的なTOEFLやIELTSの対策学校では過去問の分析や試験テクニックでスコアをあげようとしています。

その結果として多少はスコアを上げられるかもしれませんが、それはTOEFL力やIELTS力が上ったというだけであり英語力が上ったわけではありません。

LIBERTYでは過去問対策も当然行いますが、まずは盤石な英語力を身につけ、その結果としてスコアを上げるという逆のアプローチを採っています。

②留学後に使える英語を学ばないと意味がない

試験テクニックを学んだところで、実用的な英語を習得せずに留学をしてしまうと授業についていくことができずに苦労してしまいます。海外の大学や大学院ではただ出席するだけではなく、積極的なディスカッションへの参加やエッセイの提出を求められます。留学してからも通用する英語力を身に付けなければ英語を学ぶ意味はありません。

目標とされている大学や大学院への進学にはまずは高い英語力の獲得が不可欠です。

LIBERTYでは実用的でアカデミックな英語を体感的にわかりやすく教えているため、必ずお役に立てると思います。

よろしければまずは一度無料のカウンセリングにお越しいただいてみてはいかがでしょうか？