TOEIC勉強法
TOEIC Study Tips
目次
TOEICはTest of English for International Communicationの略で、日常生活・ビジネスでの英語力を測定する世界共通テストです。
IIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)により実施されています。
合格・不合格という判定はなく、現段階でのスコアを結果として受け取れます。
TOEICは現在、世界160カ国で受験できるようになっており、日本国内における受験者数は約230万人です。
TOEICは、TOEIC TestsとTOEIC Bridge Testsの大きく2つにわかれています。
TOEIC Testsが本流で、TOEIC Bridge Testsは初心者・中級者用テストです。
TOEIC TestsはTOEIC Listening&Reading(L&R)・TOEIC Speaking&Writing(S&W)・TOEIC Speakingの3種類。
TOEIC Bridge TestsはTOEIC Bridge Listening&Reading・TOEIC Bridge Speaking&Writingの2種類に分かれます。
TOEIC Listening&Reading(L&R)は、受験者の9割が受けている最も主流のテストです。英語を聞く能力と読む能力を測ります。
TOEIC Speaking &Writing(S&W)は、英語を話す能力と読む能力を測るテストです。
マークシートではわからない、英語での音読・プレゼンテーション・論文作成能力を評価されます。
TOEIC Speakingは、英語で話す能力を測るテストです。テスト時間は20分間。
TOEIC Speakingでのスコアは、スピーキング能力の証明やアピールに利用できます。
TOEIC Bridge Listening&Readingは、英語学習の初心者~中級者を対象にしたテストです。
約25分のリスニングと約35分のリーディングで構成されており、日常生活レベルの英語の聞く能力と読む能力を測定できます。
回答は全てマークシートです。
TOEIC Bridge Speaking&Writingは、英語学習の初心者~中級者が対象のテストです。
テストは15分間のスピーキング、37分間のライティングで構成されており、日常生活レベルの英語での話す・書く能力を測定できます。
TOEICの問題形式は、種類ごとに異なります。
ここでは、受験者の9割が選択する「TOEIC Listening&Reading」の問題形式を紹介します。
項目 | 詳細 |
問題数 | 全200問(リスニング100問・リーディング100問) |
スコア | 990点満点 |
試験内容 | リスニング:写真描写問題 6問・応答問題 25問・会話問題 39問・説明文問題 30問 リーディング:短文穴埋め問題 30問・長文穴埋め問題 16問・文書問題 1つの文書29問・複数文書25問 |
制限時間 | 2時間(リスニング45分、リーディング75分) |
写真描写問題では、写真についての説明文が放送されます。説明文を聞き取り、写真のを最も的確に表しているものを選びましょう。
応答問題は質問とそれに対する回答が3つ放送されるため、質問の答えに最もふさわしいものを選ぶものです。
会話問題は放送される会話を聞き取り、設問に対し最もふさわしい答えを選ぶもの。
説明文問題では、放送されるアナウンスやナレーションをもとに設問の答えとして最も適切な答えを選びます。
短文・長文穴埋め問題は、不完全な文章を完成させるのにふさわしい単語や文を選ぶものです。
文書問題は、複数の文書を読み設問に答える問題です。
TOEIC取得には、次のようなメリットがあります。
・自分の英語力を客観的に把握できる
・キャリアアップや就活を有利に進められる
・ビジネス英語を身に着けられる
上記について、順に説明します。
TOEICは合否ではなく 正答数に応じたスコアが判定されるものです。
最高得点は990点で、スコアごとに英語力の指標が設定されています。
以下は リスニングにおけるスコアごとの指標です。
点数 | 詳細 |
5~270点 |
|
275~370点 |
|
375~495点 |
|
続いて、リーディングにおけるスコアごとの指標を見ていきましょう。
点数 | 詳細 |
5~220点 |
|
225~330点 |
|
325~420点 |
|
425~495点 |
|
スコアを見れば自分の英語力がどの程度のレベルなのかを把握できます。
ちなみに、2022年度の平均スコアは、608点でした。
TOEICの取得は、キャリアアップや就活で有利になるというメリットもあります。
なぜなら、企業のなかには新卒・中途採用にて一定以上のTOEICスコアの取得を条件としているケースがあるからです。
条件には設定されていませんが、TOEICスコアが一定以上の数値である場合に加点評価する企業もあります。
また、昇進・昇格・海外赴任の条件としてTOEICでの一定以上のスコア獲得を設定しているケースもあります。
そのためTOEICで一定レベル以上のスコアを獲得できれば、キャリアアップや昇給も期待できるのです。
キャリアアップや就活をより有利に進めたい人は、TOEICを受けるのも良い方法といえます。
TOEICには、ビジネス英語力が身に付くというメリットも。
これは、TOEICが実際のビジネスシーンをもとにした内容となっているためといわれています。
TOEICの勉強をすれば、ビジネスの場で実際に役立つ英語力を身に付けられます。
短期間でTOEICのスコアアップを目指すのであれば、まず次に挙げる4つのことをおこないましょう。
・自分の英語力を把握する
・目標を明確に設定する
・短期間での学習スケジュールを立てる
・英語学習教材やスクールの利用を検討する
上記について、順に詳しく解説します。
まず、現状の英語力を把握するために問題を解きましょう。
現状の実力を把握できなければ自分に何が不足しているのか、どの程度のスコアを目指せばよいのかなどがわからないからです。
問題を解くときは、実際の試験同様に時間を測るのがおすすめです。
解き終わったら、自己採点にてスコアを出し現状のレベルを把握しましょう。
問題を解いて自分の現状のスコアが把握したあとは、目標スコアの設定に移ります。
目標スコアの設定をしないと、どの程度の勉強が必要か判断できず最適な勉強スケジュールが立てられません。
現状からかけ離れ過ぎているスコアを設定すると、達成までに時間がかかるために途中で挫折する可能性があります。
そのため、目標スコアは達成できそうな範囲内で設定しましょう。
平均点以下の人は、600点に設定するのがおすすめです。
目標スコアを設定後、英語学習スケジュールを立てます。
TOEIC Listening&Readingの試験日は月に1回です。
短期間でTOEICのスコアを上げたい人は、3ヶ月以内などできる限り近い日程にしましょう。
受験日を決めたら、当日までに目標スコアに届くよう具体的なスケジュールを設定します。
たとえば通勤・通学中は英単語を暗記にあてて、平日は苦手分野を徹底的に復習するなどです。
短期間でのTOEICスコアアップの実現は、ただ英語を勉強するだけでは難しいです。
短期間でのスコアアップを本気で狙うのであれば、TOEIC用の英語教材を利用するのがおすすめです。
TOEICの英語教材には数多くの種類がありますが、古いものは現在と出題傾向が異なる可能性があります。
そのため、選ぶときにはできる限り最新の教材にすると安心です。
また、自分の英語力に合った教材を選ぶのも重要です。
自分に適していない教材の場合、途中で挫折する可能性があります。
現在のレベルに合う教材を利用して、確実に理解を深めていきましょう。
教材を使用して勉強を進めていても勉強スケジュールは合っているのか、この勉強法で目標が達成できるのかと不安を抱える人もいるでしょう。
そのような場合は、独学ではなくスクールの利用がおすすめです。
複数人の生徒で学習を進めるグループレッスン、1対1で指導してもらえるマンツーマンレッスンなどスクールにより授業の進め方は異なります。
自分の予算と事前に決めている期間内で、目標達成が可能なスクールを選びましょう。
ここからは、よりスコアアップに直結するリスニングのおすすめな勉強法を詳しく解説します。
1つ目は、シャドーイングです。
シャドーイングとは、流れてくる音声のすぐ後を追って文章を復唱するもの。
抑揚・リズム、細かい音に注意が向きやすくなるため、リスニング力向上につながります。
しかし英文がわからない段階では、シャドーイングをしてもスムーズに文章を復唱できない可能性があります。
まずは次の手順にて、文章をスムーズに音読できるようにしましょう。
1.何も見ずに音声を聞く
2,英文を見ながら音読する
英文を見ながらの音読がスムーズにできるようになったら、シャドーイングを行いましょう。
シャドーイングで抑揚やリズムに慣れれば、これまで聞き取れなかった単語も自然と聞き取りやすくなります。
ディクテーションもリスニング力アップにおすすめの勉強法です。
ディクテーションは、音声を聞いて文章に書き起こすもの。1度で聞き取れなくても問題ありません。
すべて聞き取れるまで音声を繰り返し聞き、細かい部分まで書き起こしましょう。
ディクテーションをおこなうことで、自分が聞き取りにくい音や文法・単語の曖昧な部分に気づけます。
ディクテーションの手順は、次のとおりです。
1.音源全体を聞く
2.一文ごとに音声を停止させて文章に書き起こす
3.文章を書き起こせたら再度音源を聞き、間違っている部分はないか確認する
4.実際の英文と照らし合わせて間違いがないか確認する
慣れてきたら一文ごとではなく、二文・三文と徐々に一度で聞き取る範囲を広げていきましょう。
リピーティングは、音声をひととおり聞いたあと同じように復唱する勉強法です。
英文をすべて聞き取らないとリピートできないため、高い集中力が必要になります。
そのため、リピーティングを繰り返しおこなうと集中力の高い状態で英文を聞き取る癖がつきます。
これにより、リスニング能力が自然と上がるのです。
シャドーイングと違い、英文全体を聞き取ってから復唱するため短期記憶力も鍛えられます。
TOEICの試験には、聞き取った話の内容をもとに設問に答える問題もあります。
そのためリピーティングは、TOEICのスコアアップに非常に効果的です。
TOEICには、リスニングだけでなくリーディングもあります。リーディングでは、英文を素早く正確に読み解く能力が必要になります。
短期間でリーディングのスコアアップを目指すなら、次の3つの勉強法が効果的です。
・英単語・英文法の理解・暗記
・英文の精読
・音読
上記に挙げた勉強法について、順に詳しく説明します。
英単語や英文法を理解していないと、英文を読み解けません。
通勤・通学中など隙間時間を利用して、英単語をできる限り暗記していきましょう。
英文を読むためには、英文法の理解も大切です。
文法が分かっていないと、誤った解釈をしてしまいます。
問題を解く前に、理解できていない文法をよく勉強しましょう。
リーディング力の向上には、英文の精読も効果的です。
精読とは、丁寧に文章を読み込むことを指します。
文章を丁寧に読むなかで、文法や語彙への理解を深められます。
読む中で曖昧な部分やわからない部分があれば、その都度調べていきましょう。
そのようにしていけば、これまで読めなかった文章もすらすらと理解できるようになります。
英文の精読はどんな文章でも良いですが、英文精読用の参考書には文法や品詞のルールなど詳しい解説も載っています。
そのため、精読用の参考書を使ったほうが効率的かもしれません。
リーディングでハイスコアを取るためには、素早く文章を読む力も重要です。
黙読のスピードは、音読のスピードと同程度といわれています。
音読を正確かつ速くすることで、リーディング力の向上につながります。
1分間に150語読めるスピードが、リーディングで時間内に全問ぎりぎり解けるレベルです。
まずは、1分間に150語読めるようになることを目指して英文を音読しましょう。
ここまで、リーディングやリスニング試験でスコアアップにつながる効果的な勉強法を紹介しました。
ただ、ほかにも短期間でTOEICスコアを効率よく上げる方法は多数あります。
ここでは、短期間でTOEICスコアを効率よくアップさせるコツを紹介します。
まずは、自分の弱点を把握しましょう。
模試の問題を解いたときに間違いが多かったパート、自信を持って答えられなかった箇所が多かったパートが苦手分野です。
苦手分野を克服すれば、短期間でも確実に大きなスコアアップが狙えます。
全体的に理解できていない場合は、基礎的な問題が多く点数が取りやすいといわれているリスニングのパート1・2、リーディングのパート5・6を集中して学習するとよいです。
TOEICのスコアアップには、幅広い語彙を把握することが重要です。
さまざまな英単語を覚えていると、リスニングでもリーディングでも文章の内容を理解するスピードが速くなります。
勉強するなかで出てきた英単語は、徹底して覚えましょう。
英単語を覚えるのは、毎日の隙間時間がおすすめ。
通学・通勤、ランチ休憩中などに単語帳を開いて学習を進めましょう。
試験本番の状況に慣れることも大切です。
文法や単語など覚えていくと正答率は上がりますが、本番は時間との勝負になります。
制限時間があると焦りから間違いが増えたり、内容を理解するまでのスピードが足りず、解き終わらなかったりなど予想通りにはいかない可能性があります。
そのため、試験前には本番と同じ2時間という制限のなかで模試の問題を解いてみましょう。
何度かおこなっていると、どのような時間配分や順番で問題を解くのが自分に合っているのかを見極められます。
そのため、一度ではなく何度か経験するのがおすすめです。
TOEICのスコアアップを短期間で狙うのであれば、参考書を使ったほうがよいです。
しかし参考書のなかにもさまざまな種類があるため、どれを使えばよいのかわからない人も多いでしょう。
ここからは、短期間でTOEICのスコアアップが期待できるおすすめの参考書を紹介します。
公式TOEIC Listening&Reading 問題集は、TOEICのテストを開発しているETSが出版した公式の問題集です。
本番の試験に最も近い問題がたくさん用意されています。
最新版のリスニング問題は、本番と同じナレーターのものになっています。そのため、本番前の試験対策におすすめです。
短期間でTOEICのスコアアップを狙いたい人には、必須の一冊といえます。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズは、TOEICを受験し続けている著者・TEX加藤さんがTOEICに頻出する英単語を厳選してまとめた単語帳です。
本書にある英単語を覚えれば、期間の学習でもTOEICのスコアアップが期待できます。
そのため、TOEIC学習には定番の一冊として多くの人に利用されています。
価格も979円とお手頃。TOEICを受験する人には、おすすめしたい一冊です。
はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト 全パート完全攻略はパート別のスコアアップ対策から、本番に備えた200問完全模試などがすべてまとめられている本です。
本書の著書は、これまでTOEIC対策本を累計70万部以上発行している小石裕子さん。
Amazonでは、ベストセラー1位を獲得しています。
パート別の基本的な解き方が載っており、TOEICを初めて受験する人にとくにおすすめな一冊です。
TOEICは独学で学習を進めることも可能ですが、短期間で効率よく確実にスコアアップしたいのであれば、英語塾やスクールの利用がおすすめです。
ここでは、短期間でTOEICのスコアアップが期待できるおすすめの英語塾・スクールを厳選して5つ紹介します。
Liberty English Academyは、英語本来のルールを教える独自メソッド「グラマーテーブル」が最大の特徴です。
一般的なTOEIC対策は、英語を日本語に当てはめて理解するものでした。
しかし、動詞・助動詞・完了形など知識を暗記するように学習する形では正確性やスピードに欠けます。
Liberty English Academyでの学習なら、英語を英語として運用できるスキルを身に付けることが可能。
リスニング・スピーキング・ライティング・リーディングすべての能力が上昇するため、現時点の英語力関係なくAランク(860~990)の獲得を目指せます。
授業は、1回90分間で好きな時間に受講可能。
平均自習時間も1日1.5時間程度と短いため、多忙な社会人でも利用しやすい環境です。
RISAP ENGLISHは、短期での英会話習得に向けたアウトプット型トレーニングを採用しているスクールです。
ネイティブな講師が在籍しており、実践的な英会話を学べます。
レッスンに利用する教室は完全個室。
英語を話すことに抵抗のある人でも、周りを気にせずレッスンに集中できます。
忙しい人でも取り組みやすいよう、オンラインでの学習環境も用意。
自宅はもちろん、職場や出張先などからでも受講可能です。
日本人専属トレーナーがマンツーマンで指導してくれるため、挫折せずに目標までたどり着けるでしょう。
累計受講者数18,000人、お客様満足度92%を獲得しているスクールです。
3ヶ月という短期集中型のパーソナルトレーニングにて、英語力の向上を目指せます。
期間中は、専属のプロが24時間徹底サポート。
ライフスタイルに合わせた英語学習スケジュールの作成・調整、わからないことや不安なことの相談をいつでもできるのが魅力です。
STRAILは、タイムパフォーマンス重視の英語コーチングが魅力とされるスクールです。
専門性の高い超本格派講師がパーソナルコーチとしてサポートしてくれます。
現状の課題を分析したうえで最適な学習プランやカリキュラムの提案を受けることが可能。
そのためSTRAILでの学習効果は、一般的な勉強法の最大3.8倍といわれています。
行動科学マネジメントをベースにした習慣化サポートもあるため、受講期間終了後も自主的に英語学習を継続できる力が身に付きます。
Berlitzは、十分な実績を持った英語指導のエキスパートからサポートを受けられるのが特徴です。
講師は、TOEIC L&R TESTで900点以上を出していたり、長期留学・大学講師経験があったりする人ばかり。
実践練習を中心としたレッスンで、一般的な勉強法ではなかなか身に付かないスピーキング力も鍛えられます。
プロの日本人カウンセラーによる学習サポートもあり、効率的にTOEICのスコアアップが目指せます。
今回は、短期間でTOEICのスコアアップが目指せるおすすめの勉強法を解説しました。
TOEICは、ただ英語を勉強すれば得点を稼げるようになるテストではありません。
スコアを上げたいのであれば、TOEIC対策用のテキストの利用が必須です。
より効率よくスコアを上げるのであれば、個々に合わせた英語指導を受けられる英語塾やスクールの利用がおすすめです。
本記事で紹介した勉強法をTOEICでの効率のよいスコアアップに役立ててみてください。
宗形ミナ
フリーライター4年目です。医療・金融・資格・英語など幅広いメディアにて執筆を担当してきました。英語学習に関する悩みや不安を解決できるよう、心を込めて丁寧に記事を作り上げていきます。