IELTS勉強法
IELTS Study Tips
目次
IELTSに挑戦するには、まずは概要を理解して対策を練ることが必要です。ここでは種類やスコア、難易度など概要を紹介していきます。
IELTSの種類は、以下の通り2つです。
・アカデミック・モジュール
・ジェネラル・トレーニング・モジュール
利用目的によって申し込みすべき種類は違います。以下で概要を紹介するので、参考にしてください。
アカデミック・モジュールとは、英語圏の大学や大学院への進学や留学を目指す人向けの試験です。
試験の概要を説明すると、大学の講義や学術論文などアカデミックな内容で学術的な会話を想定した作りになっています。対策としてはアカデミックな文章に慣れておくと良いでしょう。
一定のスコアを取れば、専門的な英語能力と知識を持っていると評価されるので、大学や大学院で十分に勉強ができると判断されるでしょう。
アカデミックな英語レベルを評価されるので、医師や看護師、弁護士などの専門職としても働けるかどうかの判断にも活用されます。
以下のような人は、アカデミック・モジュールが向いています。
・英語圏に進学や留学を予定している人
・英語圏で専門職に就きたいと思っている人
・IELTSを活用できる日本の大学に進学したい人
アカデミック・モジュールの申し込みをする際は、種類をしっかりと確認して選ぶようにしましょう。
ジェネラル・トレーニング・モジュールとは、英語圏への移住や就職を希望する人向けの試験です。
試験の概要は日常生活や仕事場でのやり取りなどが主な内容で、通常の生活が英語でできるかどうかを判断できる作りになっています。難しい内容ではないので、対策をしやすいでしょう。
一定のスコアを取れば、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドへの永住申請ができます。
以下のような人は、ジェネラル・トレーニング・モジュールが向いています。
・英語圏の就労を検討している人
・英語圏に移住したい人
ジェネラル・トレーニング・モジュールに関しても、申し込みの際は種類には注意して選択するようにしましょう。
IELTSは合否を判断する試験ではないので、容易に難易度の判断はできません。ただし、以下の通りスコアを基に他の資格のレベルと難易度を比較することはできます。
IELTS | TOEFL | 英検 | CEFR |
8.5~9.0 | 114 | – | C2 |
7.0~8.0 | 95 | 1級 | C1 |
5.5~6.5 | 72 | 準1~1級 | B2 |
4.5~5.5 | 42 | 2~準1級 | B1 |
4.0~5.0 | – | 準2~2級 | A2 |
海外の大学や大学院は入学基準として、平均6.0~7.0くらいのスコアを設定しています。留学や進学で使うなら、英検で言えば準1~1級程度の英語力が必要といえるでしょう。
また、永住権取得や市民権申請をする条件も、6.0以上のスコアとしている国が多いです。国によって基準となるスコアは違い変更もあり得るので、申請前に確認するようにしてください。
IELTSとTOEFLは同じ国際的な英語力を測る試験ですが、それぞれいくつか違いがあります。ここではそれぞれの概要を説明していきます。
まずIELTSはイギリス発祥の試験ですので、主にイギリスを中心にオーストラリアやニュージーランドなどイギリスと歴史的に関係が深い国で利用されることが多いです。そのため、リスニング問題ではイギリス英語が使われます。
また、スピーキング問題は面接官と対面して自然な会話をする形式になっています。
一方のTOEFLはアメリカで作られた試験ですので、主にアメリカを中心に北米で利用されることが多いです。そのため、リスニングに関してもアメリカ英語が使われます。
また、スキーキング問題はコンピューターに向かって音読や話をする形式です。
IELTS | TOEFL | |
発祥国 | イギリス | アメリカ |
使われる英語 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
スピーキング問題 | 面接官と対面形式 | コンピューターを使った形式 |
IELTSは運営団体が5つ(英検/IDP/JSAF/British Council/バークレーハウス)あり、団体によって少しずつ申し込み方法や費用などに違いがあります。
以下でそれぞれの団体の申し込み方法の概要を確認してください。
団体名 | 締め切り | 費用 | 会場 |
英検 | 試験5日前 | 25,380円(25,380円) | 全国16都市 |
IDP | 試験3日前 | 25,380円(26,400円) | 全国9都市 |
JSAF | 試験3日前 | 25,380円(26,400円) | 全国10都市 |
British Council | 試験3日前 | 25,380円(27,500円) | 東京・大阪 |
バークレーハウス | 試験5日前 | 25,380円(25,380円) | 全国3都市 |
※()はコンピューター試験
受験申し込みをする際の大きなポイントの1つは会場です。最寄りの試験会場で開催している団体で申し込みをすると、受験までスムーズでしょう。
もう1点、申し込み時に注意すべきは締め切りです。団体によって締め切りが違うので、ギリギリで申し込みをする人は注意が必要です。
IELTSのスコアは、各セクション(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)を1.0~9.0(0.5刻み)のバンドスコアです。それらを足して4で割った数字が正式なスコアになります。
リスニングとリーディングは問題の正解数で算出され、ライティングとスピーキングは評価基準に則って決定されます。
なお、小数点以下の数字が0.25以上になった場合は切り上がって0.5扱いとされます。
スコアの有効期限は、試験日から2年です。それ以前のスコアは無効ですので、留学や進学、就労ビザ申請などで活用を予定している人は、十分に注意してください。
IELTSはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4つの英語スキルを測る試験です。ここではそれぞれの試験の概要をまとめていきます。
リスニングは4つのセクションに分かれていて、問題数40問、試験時間30分です。
トピックは日常生活から大学の講義など、幅広い範囲から出題されるのが特徴です。また、設問の種類が多く、多項選択式や穴埋めへの書き込み式、組み合わせ問題などがあります。
なお、試験時間は30分ですが、マークをする時間が10分と試験時間とは別に設けられています。試験では音声に集中し、慌ててマークしないようにしましょう。
リーディングは3つのパッセージが出題され、問題数40問、試験時間60分です。
それぞれのパッセージは900語程度の長さで、書籍や雑誌、専門誌、新聞などの一部が出題されます。
設問の種類は選択問題や表を完成させるもの、主張の識別、文章の要約などです。
アカデミックもジェネラル・トレーニングも、難しい内容は出題されません。ただし、読解力だけでなく筆者の主張や目的を認識したり主旨の詳細を理解したりする能力も試されます。
そのため、普段から単に英文を読むのではなく、筆者の主張を分析するなど練習をしておくと良いでしょう。
ライティングはタスク1と2の2部で構成され、試験時間は60分です。
タスク1は表やグラフ、図形などの情報を分析し、150語以上の英文で内容を説明するものです。タスク2は提示された問題や主張について、250語以上のエッセイを作成します。
タスク1とタスク2では必要とされる文字数が違います。そのため、時間配分は同じではなく、タスク2に多くの時間を振り分けると良いでしょう。
スピーキングは3つのセクションで構成され、試験時間は11~14分程度です。試験官と対面形式で進行されます。
内容はアカデミックとジェネラル・トレーニング共に共通で、以下の通りです。
・セクション1:自己紹介をする
・セクション2:自分の考えや体験をスピーチする
・セクション3:セクション2を踏まえ、試験官とディスカッションする
それぞれのセクションの所要時間は3~5分程度です。
IELTSを受験するとメリットとデメリットがありますので、それぞれを紹介していきます。
IELTSを受験するメリットは、以下の3点です。
・海外移住や留学に使える
・英語の4つのスキルを測れる
・いつでも受験できる
IELTSはイギリスをはじめ、オーストラリアやニュージーランドなど多くの国で英語能力の証明として使えます。一定のスコアを出せば、海外移住や留学などの夢を叶えられます。
試験内容はリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4つの能力を網羅的に測れるのもメリットです。客観的に自分の英語能力をスコアとして算出されるので、これから勉強すべき方向性も見出せます。
さらに、ほぼ毎週実施されているので、自分にとって最適なタイミングで受験できるのも良い点でしょう。
IELTSのデメリットは、以下の2点です。
・受験料が高い
・不便が多い
IELTSの受験料は約25,000円ですが、他の英語資格と比べて高い印象です。例えば、英検は級の種類によって違いますが、一番高い1級で12,500円です。TOEICは
Listening & Reading Testなら7,810円で受験できます。
IELTSは4つの技能が測れますが、受験には費用がかかります。
また、受験できる都市が少なかったり休憩時間が長かったり、不便を感じるのもIELTSのデメリットです。
IELTSは試験に特徴があるので、それを理解しながら学習方法を組み立てていくのがおすすめです。ここでは試験の種類別の学習方法を紹介していきます。
リーディングで求められる能力は「語彙力」と「読解力」です。
まずはアカデミックな内容の文章を読めるように、ボキャブラリーを増やす学習方法が効果的です。IELTS対策用の単語集があるので、それを使って試験に出る単語を覚えていきましょう。
それと並行して、英字新聞や英語の記事などをたくさん読むのがおすすめです。アカデミックな内容を中心に、たくさん読んで英文に対する抵抗を減らしていきます。
多読しているうちに、少しずつ英語の語感や主張展開の流れなどを簡単に理解できるようになります。
リスニングの効果的な学習方法は、オーバーラッピングです。
オーバーラッピングとは、教材のスクリプトを見ながら音声と同時に発音する学習方法です。
音を実際に出すことで正しい発音を身につけられ、聞き分けられるようにもなります。また、英語特有のリズムやイントネーションも分かってくるので、初心者から上級者まで効果的です。
また、動画配信サイトを利用して、興味がある映像を見るのもおすすめです。楽しく英語に接することで、学習の負担を軽くできます。スマホでも視聴できるので、アプリをダウンロードして利用してみてください。
ライティングのスコアを上げる効果的な学習方法は、英文の構成を理解することです。
英語は基本的に「1.結論」「2.理由」「3.具体例」「4.結論」の順番で構成されています。そのため、試験もこの構成を守って執筆しなければなりません。学習する時は、構成を確認しながら進めるようにしましょう。
また、自分で書いた文章を振り返るのもおすすめの学習方法です。採点官になったつもりで客観的に分析して改善できるポイントを探れば、スコアアップができるでしょう。
スピーキングに有効な学習方法は、ポイントを押さえた学習をすることです。
スピーキングで評価されるポイントは、以下の4つです。
・流暢さと一貫性
・語彙力
・文法
・発音
この中で「流暢さと一貫性」は英語の瞬発力が必要ですが、他の3つは普段の練習で十分に対策できます。単語や文法はしっかりと単語帳や参考書で覚え、発音も音源を聞いて確認していきましょう。
また、IELTSは面接官との対面形式ですので、実際にネイティブスピーカーと話すのが効果的な学習方法です。オンライン英会話で話をする時間を設けると実践経験を積めるので、有効な試験対策になるでしょう。
IELTS対策には効果的な学習方法の採用と質の高い教材やスクールの利用が有効です。ここではIELTS対策におすすめの教材やスクールを紹介していきます。
IELTSの対策には公式問題集を使うのが最も効果的です。
IELTS用の問題集はたくさん出ていますが、最も信頼性が高いのが公式が発売しているものです。過去問を解けば出題傾向や形式などの概要が分かり、時間配分なども把握できるでしょう。
試験の申し込みを検討している人は、対策のために1冊は手元に置くようにしてください。
公式の問題集と合わせて利用するのがおすすめな参考書が「IELTS完全対策&トリプル模試」です。
4技能の対策が1冊でできるだけでなく、模試試験も3回分収録されています。また、著者は日本出身者なので、日本人に適した学習方法も取り入れてくれています。
また、語彙力アップには「実践IELTS英単語3500」がおすすめです。
基本の単語と重要な単語に分かれているので、目標とするスコアに合わせて対策ができます。
IELTSのスコアを短期間でアップさせたいのであれば、対策講座を受講するのがおすすめです。
専任のコーチが学習方法をコーチングしてくれたりスピーキングセクションの対策ができたりします。講座によって重点を置いている部分が違うので、どこに力を入れているか確認をして受講すると良いでしょう。
ちなみに、ライティング力を伸ばすなら「アガルート」、スピーキングなら「日米英語学院」や「シェーン英会話」がおすすめです。
本気でIELTS対策をしたいなら、オンライン英会話を利用するのが効果的です。
独学ではライティングやスピーキングの対策を十分にできません。オンライン英会話であればスピーキングはもちろん、ライティングの添削をしてもらえるので、かなり効果的です。
オンライン英会話であれば自分の都合に合わせられるので、忙しい人にもおすすめの学習方法です。
IELTS対策ができるオンライン英会話は「DMM英会話」や「EF English Live」が有名です。
IELTSは種類、申し込み方法、スコアなどの概要を理解しておくと、受験から活用までをスムーズにできます。また、試験内容はある程度決まっているので、把握しておくと対策がしやすくなります。
この記事では効果的な学習方法やおすすめの教材、スクールを紹介してきました。参考にしていただければ、IELTSでスコアを伸ばしやすくなります。これから受験を考えている人は、この記事の対策を実践してみてください。
下村周作
学生時代のアルバイトで英語の塾講師をしており、中学生から高校生を相手に指導をしていたので、効果的な勉強法やおすすめの勉強法をいくつも知っています。今度はライターの仕事を通して、英語学習者に結果が出る勉強法をお伝えできればと思い執筆しております。