英検の勉強法
EIKEN Study Tips
そこでこの記事では、レベル別の効率的な勉強方法を徹底解説していきます。英検を受ける予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
英検とは正式には「実用英語技能検定」と呼ばれていて、日本で最も知られている英語資格の1つです。
レベルは1級から5級まで7つに分かれていて「読む」「聴く」「書く」「話す」の4つの能力を測れるのが特徴です。
英検とTOEICは同じ英語の試験ですが、さまざまな点で違います。
英検は日本英語検定協会によって日本でのみ実施される試験です。問われるスキルは「読む」「聴く」「書く」「話す」の4つで、合格か不合格で結果が通知されます。そのため、英語の基礎から着実にステップアップができます。また、受験する級によって問題が違うのが特徴です。
TOEICは国際ビジネスコミュニケーション協会によって世界約160ヵ国で実施される試験です。問われるスキルは「聴く」「書く」の2つで、10~990点のスコアで結果が通知されます。そのため、自分の今の英語力を正確に測ることが可能です。試験はレベルに関係なく、全員が同じ問題を受けるのが特徴です。
英検 | TOEIC | |
実施団体 | 日本英語検定協会 | 国際ビジネスコミュニケーション協会 |
開催地 | 日本 | 世界約160か国 |
問われるスキル | 「読む」「聴く」「書く」「話す」 | 「聴く」「書く」 |
結果 | 合格・不合格 | 10~990点のスコア |
問題 | 受験した級によって違う | 全員同じ |
英検は7つの級によってレベル分けがされています。レベルによる目安は以下の通りです。
レベル | 目安 |
5級 | 中学初級程度 |
4級 | 中学中級程度 |
3級 | 中学卒業程度 |
準2級 | 高校中級程度 |
2級 | 高校卒業程度 |
準1級 | 大学中級程度 |
1級 | 大学上級程度 |
ここではレベルによる特徴についてさらに詳しく紹介していきます。
英検の5級は中学初級程度のレベルですので、英語を習い始めた人にとって最適な目標です。
初歩的な英語を理解し、それを使って表現できるかどうかが試されます。家族のことや趣味、スポーツなど身近な内容が出題されるので、馴染みやすい問題が多いでしょう。
一次試験は「筆記25分」と「リスニング約20分」、スピーキングテスト約3分で実施されます。
レベル | 中学初級程度 |
必要語彙数 | 約650 |
試験 | ・一次試験(筆記25分 / リスニング約20分) ・スピーキングテスト(約3分) |
内容 | 家族のことや趣味、スポーツなど身近な内容 |
出題形式 | ・筆記 ・リスニング ・録音形式のスピーキングテスト |
英検4級は中学中級程度のレベルですので、過去や未来など表現の幅が少し増えてきた人向けです。
5級と比べて出題形式や内容が少し実用的になり、身近なトピックを題材とした読解問題が追加されます。
一次試験は「筆記35分」と「リスニング約30分」、リスニングが約4分で実施されます。
レベル | 中学中級程度 |
必要語彙数 | 約1300 |
試験 | ・一次試験(筆記35分 / リスニング約30分) ・スピーキングテスト(約4分) |
内容 | 身近なトピック |
出題形式 | ・筆記 ・リスニング ・録音形式のスピーキングテスト |
英検3級は中学卒業程度のレベルですので、5級や4級で学んできた文法をしっかりと理解していることが求められる試験です。
特に二次試験に面接が加わるので、英語を書く力と話す力の両方の力が的確に測定されます。
一次試験は「筆記50分」と「リスニング約25分」です。そして一次試験合格者のみが二次試験に進み、約5分間の英語による面接を受けます。
二次試験もクリアすると、合格です。
レベル | 中学卒業程度 |
必要語彙数 | 約2100 |
試験 | ・一次試験(筆記50分 / リスニング約25分) ・二次試験(英語での面接約5分) |
内容 | 筆記試験では海外の文化について触れる内容が出ます。また一次試験合格者は二次試験で英語による面接が必要です。 |
出題形式 | ・筆記 ・リスニング ・面接 |
英検準2級は高校中級程度のレベルですので、中学レベルの基礎はしっかりと身に着けていることが必要です。
基礎だけでなく応用力も試され、日常生活に必要な英語を理解して使えるかどうかが測定されます。なお、長文の穴埋めが加わり、3級と比べて難易度がグッと上がります。
一次試験は「筆記75分」と「リスニング約25分」です。そして一次試験合格者のみが二次試験に進み、約6分間の英語による面接を受けます。
二次試験もクリアすると、合格です。
レベル | 高校中級程度 |
必要語彙数 | 約3600 |
試験 | ・一次試験(筆記75分 / リスニング約25分) ・二次試験(英語での面接約6分) |
内容 | 長文の穴埋め問題が加わります。また一次試験合格者は二次試験で英語による面接が必要です。 |
出題形式 | ・筆記 ・リスニング ・面接 |
英検2級は高校卒業程度のレベルですので、医療やテクノロジーなど社会性がある英文の読解力が必要です。
筆記試験は読解力だけでなく長文を書かなければならないので、曖昧な理解では解けません。準2級までと比べると、かなり高い英語力が求められます。
一次試験は「筆記85分」と「リスニング約25分」です。そして一次試験合格者のみが二次試験に進み、約7分間の英語による面接を受けます。
二次試験もクリアすると、合格です。
レベル | 高校卒業程度 |
必要語彙数 | 約5100 |
試験 | ・一次試験(筆記85分 / リスニング約25分) ・二次試験(英語での面接約7分) |
内容 | 長文の難易度が上がり、英文による解答が求められる。また一次試験合格者は二次試験で英語による面接が必要です。 |
出題形式 | ・筆記 ・リスニング ・面接 |
英検準1級は大学中級程度のレベルですので、実際に使える英語力が試される試験です。
筆記試験ではエッセイ形式の実践的な英作文が求められるので、読解力や語彙力だけでなく文章を作る力など総合的な英語力が必要です。実際に使える英語力が試されるので、専門用語も使われます。大学入試の英語で学んだように、さまざまなトピックに幅広く触れて語彙力を磨きましょう。
一次試験は「筆記90分」と「リスニング約30分」です。そして一次試験合格者のみが二次試験に進み、約8分間の英語による面接を受けます。
二次試験もクリアすると、合格です。
レベル | 大学中級程度 |
必要語彙数 | 約7500 |
試験 | ・一次試験(筆記90分 / リスニング約30分) ・二次試験(英語での面接約8分) |
内容 | エッセイ形式の実践的な英作文。また一次試験合格者は二次試験で英語による面接が必要です。 |
出題形式 | ・筆記 ・リスニング ・面接 |
英検1級は大学上級程度のレベルで、英検の最終目標となる試験です。
英検1級は合格すると通訳案内士試験の筆記試験が免除されるほど、難易度が高いです。また二次試験では2分間のスピーチに加えて、その内容についての質問がなされます。つまり、英語の知識だけでなく発信力や対応力など、高いコミュニケーション能力も求められます。
一次試験は「筆記100分」と「リスニング約35分」です。そして一次試験合格者のみが二次試験に進み、約10分間の英語による面接を受けます。
二次試験もクリアすると、合格です。
レベル | 大学上級程度 |
必要語彙数 | 約10,000~15,000 |
試験 | ・一次試験(筆記100分 / リスニング約35分) ・二次試験(英語での面接約10分) |
内容 | 政治や化学、医療、ビジネスなど、多岐に渡るジャンルから出題される。また一次試験合格者は二次試験で英語による面接が必要です。 |
出題形式 | ・筆記 ・リスニング ・面接 |
英検を取得するとさまざまなメリットを享受できます。ここでは代表的なメリットを3つ紹介していきます。
英検を取得していると、海外留学時に有利です。
アメリカやオーストラリア、カナダなどの大学やカレッジには、多くの英検認定校が存在します。英検は海外での認知度が高まっているので、一定のレベルに達していると語学証明ができます。
ただし、準2級以上の取得が最低条件の場合が多く、英会話ができるなどある程度のコミュニケーション能力も必要でしょう。
海外高校に進学する方法を解説!語学留学の準備や費用、国の選び方は?
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学生であれば、英検は高校入試や大学入試で有利です。
例えば、英検を取得していれば、内申書で優遇されたり大学入試で試験の免除や得点の加点があったりします。もし、学科試験の免除になるのであれば勉強時間を他の科目に振り分けられるので、かなり役立ちます。
ただし、学校の規定によって扱いはさまざまですので、志望校がある方は事前に調べておきましょう。
大学受験に合格するための英語勉強方法は?初心者から上級者までレベル別に紹介!
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近年は企業のグローバル化が進んでいるので、採用面接で優遇されることも考えられます。
特に貿易会社や外資系企業の場合は、英語力のある人を重視する傾向にあります。そのため、英検を持っていれば「英語が使える」と判断されて、採用されやすくなるでしょう。
ただし、就職で英検を利用するには最低でも準2級は必要です。準2級以上を持っている方は、履歴書に積極的に書くようにしましょう。
英検を確実に合格するには、スケジュールをしっかりと管理しなければなりません。ここでは英検合格に向けたスケジュールのポイントを紹介していきます。
まずスケジュール管理で大切なのが、英検が行われる時期の把握です。
英検は毎年「6月」「10月」「1月」の3回行われます。いつ受けるのかによって勉強スケジュールが決まってくるので、申し込みの期限と合わせて試験が実施される日時を正確に把握しておきましょう。
どの級を受験するのかも英検合格に向けて重要なポイントです。
英検に合格するためには、試験の時点で級に応じたレベルに達していることが必要です。目標が高ければ合格に必要な勉強時間も長くなるので、自分の英語レベルを把握してから慎重に判断しましょう。
英検に合格するために必要な勉強時間は、現在の英語レベルや目標によって大きく違います。
目安としていえるのは、現在のレベルから1つ上、現在のレベルが3級の人が準2級を、準2級レベルの人が2級を目指すのであれば、1ヶ月から3ヶ月の勉強期間は必要でしょう。
ただし、リスニングや面接は慣れが必要なので、独学の場合は余裕を持たせて4~5ヶ月前から勉強を始めるのがおすすめです。
英検に合格するためには、無暗に勉強をしていても合格できません。ここでは独学で合格するための効率的な勉強法を紹介いたします。
独学で英検に合格する効果的な勉強法は、過去問を繰り返し解くことです。
英検は「短文の穴埋め問題」や「長文の穴埋め問題」「長文の内容に答える」など、出題形式が決まっています。過去問で出題形式を把握して傾向に慣れておけば、本番でも慌てずに問題を解けます。
また、過去問を解けば自分のレベルや弱点の把握も可能です。すると自分に最適な勉強法も取り入れやすくなるので、合格しやすくなるでしょう。
実際の英会話に限らず、英検でも単語や熟語の理解がないと問題が解けません。そのため、単語や熟語の理解を深める勉強は、試験直前まで必要です。
具体的には、3級は2,100語程度、2級は5,100語程度、1級では少なくても10,000語程度の単語力がなければ合格できません。英検に特化した単語帳を使って、暗記するようにしましょう。
また、単語の綴りや意味を覚えるだけでなく、リスニングに備えて発音を覚える必要もあります。独学であればCDやアプリを利用して音声を聞き、英会話に通えるなら発音にも注目して覚えるようにしましょう。
英語は語順が変わると意味も変化する言葉です。そのため、独学で英検に合格するなら、英文法を復習して徹底的にマスターしなければなりません。
特に3級以上では英作文での解答が求められ、上級になればなる程高度な英文法の理解が必要です。二次試験の面接でも英文法の理解は役立ちますので、学習が進んでいる人も英文法は基礎から学び直すと良いでしょう。
英文法の理解を深めるために、英会話で英語を使ったり日記を英語で書いたりするのがおすすめです。実際に覚えた文法を使えば、独学でも効率的に覚えられます。
英検の勉強では、自分だけの学習ノートを作るのがおすすめの勉強法です。
例えば、そのノートには「過去問に出てきた単語や熟語」「覚えておきたい表現」「重要事項」などを記録していきます。自分の苦手な部分や弱点の補強ができるので、試験直前まで使えます。
その際は「単語」や「文法」「表現」など表記してカテゴリー化しておくと、後から見やすく確認しやすいです。
試験の当日に学習ノートをチェックすれば、独学でも安心して試験を迎えられるでしょう。
英語は言葉ですので、実際に使うのが最も効果的な勉強法です。そのため、英語を聞いて話す習慣を作るのがおすすめです。
英会話に通っている人は、積極的に講師と話をするようにしましょう。もし英会話に通っていなくても、アプリで音声を聞いたり音読をしたりして、英語に触れる機会を増やせば十分です。繰り返し聞いて口にすることで、英語の音と文法を覚えていけます。
独学で英文法や単語を覚えて過去問の勉強を終えたという人は、忘れないために英会話やアプリなどを利用して英語に触れる勉強法を取り入れていきましょう。
英検はレベルによっておすすめの勉強法が違います。ここでは「5級・4級・3級」と「準2級・2級」「準1級・1級」に分けて、それぞれおすすめの勉強法を紹介していきます。
英検の5級から3級は中学英語ですので、単語や文法などの基本を覚えていくのがオーソドックスな勉強法です。
特に5級は英語学習を始めたばかりの人を対象としているので、単語を覚える勉強法が特に効果があります。
4級は過去形や未来形など文法の幅が広がりますが、基本的には5級と同様に単語や文法を覚える勉強法がおすすめです。
3級に関しては筆記試験に加えて、二次試験で面接がプラスされます。中学レベルの英文法のマスターを目指しつつ、英会話や音読などで英語を口にする勉強法も取り入れていきましょう。
レベル | 勉強法 |
5級 | 単語や文法などの基本を覚えていく |
4級 | 単語や文法などの基本を覚えていく |
3級 | 中学レベルの英文法のマスターを目指しつつ、英会話や音読などで英語を口にする |
英検の準2級や2級は高校英語ですので、単語は高度化して文法は複雑化してきます。そのため、英検に特化した単語帳で単語を覚えつつ、関係代名詞や仮定法、分詞構文など、難しい文法を1つずつ覚えていくのがおすすめの勉強法です。
準2級では長文の読解力が求められるので、長文への慣れが必要です。普段から長めの英文を読む練習がおすすめです。また、大問2で会話問題が出題されるので、英会話を利用すると良いでしょう。
2級は大学入試レベルの英語ですので、難易度はかなり高いです。長文への慣れや英作文の練習、専門用語の語彙勉強など、幅広く学習してください。
レベル | 勉強法 |
準2級 | 長文への慣れと英会話 |
2級 | 長文への慣れや英作文の練習、専門用語の語彙勉強 |
英検の準1級や1級は多種多様なトピックに触れるので単語学習だけでも大変ですが、論理的な英作文も求められます。独学で合格を狙うためには、総合力のアップが欠かせません。
準1級は問題も長文の量がかなり多くなるので、英語脳でないと制限時間内に全てを解けません。日記をつけたり英会話をしたりして、英語を英語のまま理解する英語脳を身に着けるように心がけましょう。
1級は筆記試験の難易度が高いだけでなく、リスニングのスピードもかなり速い上に長いです。普段から1級レベルのスピードに慣れていないとついていけません。そのため、英会話や英語のラジオを聴くなどして、速いスピードに対応できるようにしましょう。
レベル | 勉強法 |
準1級 | 日記をつけたり英会話をしたりして、英語を英語のまま理解する英語脳を身に着ける |
1級 | 英会話や英語のラジオを聴くなどして、速いスピードに慣れる |
英検に独学で合格するためには、英検に合った勉強法を取り入れなければなりません。
例えば、英単語や文法を覚えたり過去問を解いたりするのがおすすめです。また、それと合わせてレベルに合った学習をするのも必要です。
この記事では基本のスタンスからレベル別の勉強法まで紹介してきましたので、ぜひ参考にして合格を勝ち取ってください。
ライター
下村周作
学生時代のアルバイトで英語の塾講師をしており、中学生から高校生を相手に指導をしていたので、効果的な勉強法やおすすめの勉強法をいくつも知っています。今度はライターの仕事を通して、英語学習者に結果が出る勉強法をお伝えできればと思い執筆しております。