TOEFL勉強法
TOEFL Study Tips
目次
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)とは、英語を母語としない人々を対象とした世界基準の英語能力測定試験です。
TOEIC®テストなどを開発しているアメリカのETSという教育団体によって、1964年に開発されました。
大学や大学院の入学選考、奨学金選考、単位認定など、あらゆる場面で英語力を証明するテストとして活用されており、さまざまな種類の試験があります。
TOEFLはこれまで名称の廃止や新設が繰り返され、現在は2種類のテストを受験できるようになっています。
1.TOEFL iBT:個人向け
2.TOEFL ITP:団体向け
一般的にTOEFLと言うと、個人向けの『TOEFL iBT』のことを指します。
『TOEFL ITP』は団体向けの試験であるため、個人での受験はできません。
それではこの2つの試験について、もう少し詳しく見ていきましょう。
1つ目の『TOEFL iBT』は、アカデミック領域における「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に評価する個人向けのテストです。
インターネット配信される問題をコンピューターで受験するシステムとなっており、スピーキングやライティング領域は録音、タイピングを活用します。
セクション | 解答時間 | 問題数 |
---|---|---|
リーディング | 35分 | 20問 |
リスニング | 36分 | 28問 |
スピーキング | 16分 | 4問 |
ライティング | 29分 | 2問 |
2つ目の『TOEFL ITPテスト』は団体向けのテストで、マークシート形式で行うペーパー版とインターネット上で受験するデジタル版の2種類があります。
レベル1(中級から上級)とレベル2(初級から中級)の2段階にレベル分けされており、難易度だけでなく解答時間や問題数も異なります。
レベル | セクション | 解答時間 | 問題数 |
---|---|---|---|
レベル1 | リスニング | 約35分 | 50 |
文法 | 25分 | 40 | |
リーディング | 55分 | 50 | |
レベル2 | リスニング | 約22分 | 30 |
文法 | 17分 | 25 | |
リーディング | 31分 | 40 |
世界的に有名なTOEFLですが、他の英語試験との違いはどの部分でしょうか?
特に比較されるTOEICとIELTSとの違いを以下にまとめました。
アカデミックな内容が出題されるTOEFLとは対称に、TOEICはオフィスや日常生活における英語でのコミュニケーション能力を測定する英語の試験です。
1.TOEIC® Tests:日常生活やグローバルビジネスにおける英語力を測定
2.TOEIC Bridge® Tests:日常生活における英語力を測定(英語学習初心者から中級者までを対象)
それぞれ、聞く・読む力を測る 「Listening & Reading Tests」と、書く・話す力を測る「Speaking & Writing Tests」の2種類があります。
TOEFLはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキング4技能全ての能力を一度に測れますが、TOEICは2技能ずつに分かれているのが異なる点です。
TOEICと英検の違いを徹底比較!スコアの換算方法や受験の目的も解説!
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一方でIELTSは、TOEFLと同様に4技能を測る英語の試験で、留学、就労または移住を希望する人々の英語力を測定します。
1.IELTS Academic:大学・大学院への進学を目指す方向け
2.IELTS General Training:英語圏への就職・移住を希望する方向け
ペーパーとコンピューターの2つの受験方式があり、スピーキングテストに関してはどちらも面接官との対面式です。
続いては、TOEFL iBTのスコアを上げるために必要な勉強法を3つ紹介します。
TOEFL iBTのスコアを上げるために必要な勉強法
TOEFL iBTのスコアを上げるためには、まず公式問題集を使った演習が欠かせません。
公式問題集を使うメリットは、自分の実力や出題内容の傾向、得意分野、苦手分野が分かる点です。
出題形式や内容が分かるようになると解答時間の短縮に繋がり、また苦手分野を把握できると、そこを重点的に対策できるようになります。
頻出単語を覚えることも、スコアアップに繋がる勉強法です。
単語力は4技能全ての領域において重要な役割を果たすため、スコアが伸びなくて悩んでいる方はまずは単語力を鍛えることをおすすめします。
また冒頭でも話しましたが、TOEFL iBTはアカデミックな内容が出題されます。
単語を学習する際は、アカデミックな内容に関する単語を重点的に覚えましょう。
この記事の最後でおすすめの単語帳を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
スコアを上げるために必要な勉強法3つ目は、文法力の強化です。
文法力を鍛えると、リスニングやリーディングで英文を正確に理解できるようになるだけでなく、スピーキングやライティングの場面でも正確にアウトプットできるようになります。
初心者であれば、難しい文法を学習する必要はありません。
まずは中学校英語レベルの文法から復習していきましょう。
次に、TOEFL iBTの効率的な勉強法をセクション別に紹介します。
苦手分野を対策したい方や、得意分野をさらに伸ばしたい方は、セクション別の勉強を取り入れてみると良いでしょう。
次に解説する勉強法を実践すると、必ずスコアアップに繋がりますよ。
まずはリーディングの勉強法からです。
TOEFL iBTのリーディングは、1パッセージ約700語の長文読解問題が2パッセージ出題されます。
1パッセージが10問であるため、計20問を35分間で解答する必要があり、試験時間がかなりタイトであることが分かります。
このことからタイムマネージメントが重要で、日頃から長文読解に慣れておく必要があります。
時間を計りながら英文を読む練習をする
多読、精読をする
英語のリーディングに苦手意識がある方は、多読や精読を通して英文を読む機会を増やしましょう。
また過去問題を解くときは、時間を計りながら読むことが大切です。
限られた時間の中で最後まで解けるように、日頃から時間を意識しながらリーディング練習をしてくださいね。
リスニング問題は「大学の講義」形式と「キャンパス内での対話」形式の2種類です。
ポイントは3つ。
1.1題あたり約3~5分
2.講義形式の音声は幅広い分野の教養科目を題材
3.音声が流れるのは1度のみ
1つの音声が長いだけでなく、音声が1度しか流れないことから、集中して聞き取らなければなりません。
最長5分間の音声を全て記憶することは難しいので、適宜メモを取りながら聞く練習が必要です。
またTOEFL iBTの公式問題集や過去問題集を使って勉強していると、リスニング問題ではどのような部分が問われやすいか問題の傾向を掴めるようになってきます。
リスニング力を鍛えることも重要ですが、TOEFL iBTのリスニング問題に慣れておくことが高得点を狙うカギです。
ライティングは「読んで聞いた内容を要約する問題」と「自分の意見を述べる問題」の2問が出題されます。
制限時間29分間でこれらの問題に解答しなければならないことから、タイピングスピードと英語でまとめる力が必要です。
ライティングで高得点を取るための勉強法は3つ。
1.タイピングスピードを上げる
2.英作文の型に当てはめて書く練習をする
3.定型文を覚える
まず、タイピングに自信のない方はタイピングスピードを上げる練習をしましょう。
英語でまとめる力があったとしても、キーボード入力に慣れておらず大幅に時間を取ってしまうともったいないですよね。
さらに英作文の型に当てはめたり、定型文を覚えたりするのも効率的な勉強法です。
例えば「導入→本論→結論」で文章を組み立てられるよう日頃から書く練習をしておくことで、本番のライティングでは文章の構成に悩む時間が短縮されます。
また文章の書き出しはこの表現、理由を付け足すときはこの表現といったように、自分が書きやすい定型文を覚えておくこともライティングのスキルアップに繋がります。
最後はスピーキングの勉強法についてですが、スピーキングセクションでは2パターンの問題が出題されます。
「身近なトピックについて意見を述べる問題」が1問と、「読んだり聞いたりした内容を要約して話す問題」が3問です。
スピーキングセクションで大切なことは、沈黙を作らずに話すこと。
単語力や構成、発音も重要ですが、長い沈黙や言葉を詰まらせる回数をなるべく避けるようにしましょう。
しかし普段から英語で話す機会が少なければ、本番でペラペラ話すのは難しいです。
そのためライティング対策と同様に、定型文を覚えることをおすすめします。
スピーキングの3つの勉強法
1.定型文を覚える
2.英語音声のシャドーイングやリピーティングで口に慣らす
3.英語で話す機会を増やす
スピーキングは、日頃からの積み重ねが特に必要なセクションです。
毎日少しずつでも大丈夫なので、英語を話す練習を取り入れてみましょう。
TOEFL iBTで高いスコアを残すためには、やはり計画的な勉強が大切です。
試験直前に慌てて勉強するのではなく、目標やゴールを設定して計画的に学習を進め、試験に向けてコツコツ積み上げましょう。
まずは目標を明確にして計画的に勉強しましょう。
ただ勉強するよりも、目標を立てて学習することでモチベーションの維持に繋がります。
その際、最終ゴールである目標スコアを定めるのに加え、日々の学習計画目標を立てるようにします。
大きい目標と目の前の小さな目標を明確にすると、諦めずに計画的に学習を進められるでしょう。
目標を立てた後は、毎日コツコツと勉強しましょう。
仕事や学校で疲れる日もありますが、たとえ少しの時間でも毎日英語に触れることが大切です。
しっかり問題集に取り組む日や軽く復習する日など、メリハリをつけても構いません。
隙間時間を活用しながら、毎日コツコツ勉強しましょう。
可能であれば、フィードバックをもらえる環境で勉強するのもポイントです。
特にライティングやスピーキングにおいて、文法ミスや発音ミスなどは自分で気づけない場合が多いですよね。
アドバイスやフィードバックをもらえる環境に身を置くと、スコアアップに繋がること間違いなし。
ネイティブの知り合いがいる場合は手伝ってもらえるか頼んでみると良いですね。
また知り合いがいない方は、スクールや添削サービスを利用してみましょう。
最後は、TOEFL iBTの勉強におすすめの参考書を紹介します。
これから学習を始める方や、参考書選びに迷っている方は参考にしてみてください。
まずは、おすすめの参考書を紹介します。
TOEFLを開発しているETSの公認ガイドで、演習問題1セットと実践問題3セットが収録されています。
問題部分以外にも解答、解説に日本語訳がついているため、TOEFLを初めて受験する方はテストの出題形式を知るためにもおすすめの参考書です。
続いては単語帳です。
TOEFL対策の単語帳として人気の1冊で、目標スコアに応じて単語が4つのランクに分けられています。
この単語帳のポイントは、アカデミックな内容に関する分野の背景知識や専門用語も、付属の別冊にまとめられている点です。
必須単語に加えて各分野の知識も身につけられるので、TOEFLの対策におすすめの単語帳です。
最後は、問題集を紹介します。
こちらは2023年7月からの新形式に対応した、ETSの公式オンライン模試です。
本番同様オンライン受験となり、自動採点でスコアも確認できます。
各セクション時間制限がついているため、本番を想定して問題に取り組みたい方向けですが、時間制限がないバージョンも購入可能です。
自分の目的に応じて時間制限ありとなしを選びましょう。
今回は、TOEFL iBTでスコアアップさせるための効率的な勉強法を解説しました。
TOEFL iBTは「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能全ての能力を測るテストです。
得意分野もあれば、思うように点数が伸びない苦手分野もあるでしょう。
まずは目標を立て、毎日コツコツ勉強することが大切です。
今回紹介した勉強法で苦手分野を少しずつ克服し、目標スコアに向かって効率的に勉強していきましょう。
まる
大学生の頃にカナダへ留学し、その後小学校で英語教員として勤務していました。自身のこれまでの学習経験と教員経験を活かし、現在は英語学習に関する記事を執筆しています。英語学習者の悩みを解決できるよう、丁寧で分かりやすい記事の執筆を心掛けています。