IELTS勉強法
IELTS Study Tips
目次
『IELTS』とは、アメリカやオーストラリア、カナダなどの英語圏の国に留学や就労、移住を希望する人々が受験する英語の試験です。
書く、読む、聞く、話すの4技能を測ることができ、世界中で多くの方々が受験しています。
IELTSには、「IELTS Academic」と「IELTS General Training」の2種類の試験タイプがあります。
・IELTS Academic:大学・大学院への進学を目指す方向け
・IELTS General Training:英語圏への就職・移住を希望する方向け
目的によって受験すべき試験が異なり、留学目的ならアカデミック、就職・移住目的の場合はジェネラル・トレーニングを受験します。
主な違いを比較しながら見てみましょう。
Academic | General Training | |
---|---|---|
受験対象 | 英語圏の大学や大学院に入学を希望する人 | 英語圏での就職や移住を希望する人 |
特徴 | 学術的な会話や場面を想定した課題や設問が多く出題 | 日常生活や職場でのやり取りを想定した課題や設問が多く出題 |
試験内容 |
ライティング・リスニング・リーディング・スピーキング ※ライティングとリーディングは試験問題が異なる |
|
時間 | 約2時間45分(ペーパー試験の場合は約2時間55分) | |
難易度 | 高め | 低め |
お伝えした通り、試験タイプは目的に応じて2種類に分かれていますが、試験形式も2種類あります。
・ペーパー方式:用意された鉛筆と紙で受験
・コンピューター方式:コンピューターで受験
試験内容は同じで、スピーキングテストに関してはどちらも面接官と対面で行います。
ただし、受験科目の順番が異なります。
・ペーパー方式:ライティング→リーディング→リスニング
・コンピューター方式:リスニング→リーディング→ライティング
受験方法や受験科目の順番が異なるので、自分に合った方法で受験しましょう。
です。 語学留学でIELTSを使用する際の注意点 留学前にIELTSのスコアを短期間で上げるポイント まる 大学生の頃にカナダへ留学し、その後小学校で英語教員として勤務していました。自身のこれまでの学習経験と教員経験を活かし、現在は英語学習に関する記事を執筆しています。英語学習者の悩みを解決できるよう、丁寧で分かりやすい記事の執筆を心掛けています。
英語の能力を測る試験としてもう1つ有名なのが、『TOEFL』です。
海外の大学へ留学を考えている方の中には、IELTSとTOEFLのどちらを受験すれば良いか迷っている方も多いでしょう。
IELTSとTOEFLの主な違いは、「試験形式」と「スピーキングの受験方法」の2点
IELTS
TOEFL
試験形式
ペーパーとコンピューター
コンピューター
スピーキングの受験方法
試験官と対面で面接する
コンピューターのマイクに向かって話す
試験形式をペーパーとコンピューターの2種類から選択できるIELTSに対し、TOEFLはコンピューター受験のみに対応しています。
また、IELTSは試験官と対面でスピーキングテストが行われますが、TOEFLはコンピューターのマイクに向かって話す方式です。
語学留学に必要な国・大学別IELTSスコア目安
では続いて、語学留学に必要な国・大学別スコアの目安を見ていきましょう。
結論から言うと、名門大学クラスでは以下のスコアが留学に必要な目安です。
・アメリカ:6.5~7.0
・イギリス:6.0~7.0
・カナダ:6.5
・オーストラリア:6.5
・ニュージーランド:6.0
名門レベルではなくても、6.0以上のスコア獲得を目指すと選択できる大学の幅が広がります。
アメリカ
アメリカの場合、名門大学進学には7.0以上のスコアを求められることが多く、英語圏の中では高めです。
しかし、6.0~6.5のスコアでも多くの大学の基準は満たせます。
参照:米国の各大学で必要とされるIELTSスコア
大学名
大学進学に必要なスコア
大学院進学に必要なスコア
マサチューセッツ工科大学
7.0
7.0
ハーバード大学
7.0
7.0
コロンビア大学
7.0
7.0
ミシガン州立大学
6.5
6.5
アリゾナ州立大学
6.0
7.0
アメリカは大学が多く必要なスコアの幅も広いため、留学したい大学がある方は一度調べてみましょう。
イギリス
イギリス留学では、大学進学の場合6.0~7.0のスコアが必要で、大学院進学になると6.5~7.0が必要になることが多いです。
参照:英国の大学で必要とされるIELTSスコア
大学名
大学進学に必要なスコア
大学院進学に必要なスコア
オックスフォード大学
7.0
7.5
ケンブリッジ大学
7.0
7.0
インペリアル・カレッジ・ロンドン
7.0
7.0
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン
6.5
6.5
マンチェスター大学
6.0
7.5
アメリカと比較すると、6.0や6.5のスコアで進学できる大学が多いです。
カナダ
カナダは6.5から進学できる大学が多く、アメリカやイギリスに比べるとそこまで高いスコアは要求されません。
またカレッジの場合は、5.5や6.0のスコアが目安です。
参照:カナダの大学で必要とされるIELTSスコア
大学名
大学進学に必要なスコア
大学院進学に必要なスコア
トロント大学
6.5
7.0
ブリティッシュコロンビア大学
6.5
6.5
マギル大学
6.5
6.5
マックマスター大学
6.5
6.5
アルバータ大学
6.5
6.5
カナダの名門大学であるトロント大学やブリティッシュコロンビア大学でも、必要なスコアは6.5です。
カナダは英語圏の大学の中では易しいほうだと言えますね。
オーストラリア
オーストラリアは6.0~6.5のスコアが必要な大学が多く、カナダと同じくらいの水準と言えます。
参照:オーストラリアの大学で必要とされるIELTSスコア
大学進学に必要なスコア
大学院進学に必要なスコア
メルボルン大学
7.0
7.0
オーストラリア国立大学
6.5
7.0
シドニー大学
6.5
6.5
クイーンズランド大学
6.5
6.5
アデレード大学
6.5
6.5
自然溢れる国で、アメリカやカナダ、イギリスとは異なる景色を楽しめるでしょう。
ニュージーランド
最後は、ニュージーランド留学に必要なIELTSのスコアです。
実はニュージーランドには大学が8校しかありませんが、その全てが世界の大学ランク上位に入っています。
基本的に大学進学で6.0のスコア、大学院進学で6.5のスコアが必要です。
英語圏の中では、求められるスコアの基準が低くなっています。
語学留学に必要なIELTS以外の条件
海外に留学する際、大学・大学院によっては、IELTSのスコアの他にも必要な条件があります。
・成績証明(GPA)
・経済力の証明
英語の能力以外にも、日本での学習成績を証明したり、留学をするにあたっての経済力を証明したりしなければなりません。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
成績証明(GPA)
成績証明(GPA)とは「Grade Point Average」の略で、成績評価の指標のことです。
GPAが必要な大学では、IELTSなどの語学要件に加えてGPA要件も満たさなければなりません。
留学先によって求められるGPAは異なるため、希望大学がある場合はあらかじめ調べておきましょう。
経済力の証明
成績の他にも、経済力の証明が求められるケースが多いです。
留学中に生活できるだけの財力があるかを証明するもので、銀行口座の残高証明書を提出します。
このとき、和文発行や英文発行、外貨建てなど、どのような形式で発行すべきか確認が必要です。
また、発行までの日数や手数料は金融機関によって異なります。
発行までに時間を有する場合もあるので、時間に余裕を持って用意しましょう。
語学留学でIELTSを使用する際の注意点
次は、語学留学でIELTSを使用する際の注意点を3つ解説します。
「知らなかった!」と困ることがないように、次にお伝えすることをしっかり確認しておきましょう。
留学出願に余裕を持った受験
IELTSを受験するときは、留学出願に余裕を持って受験しましょう。
コンピューター受験の場合、東京や名古屋、大阪だとほぼ毎日試験が実施されますが、地方になると2週間に1度、1ヵ月に1度の頻度に下がります。
受験地によって頻度が異なるので、自分はどこで受験できるのか調べておくのが良いでしょう。
またコンピューター受験は試験日から3~5営業日、ペーパー受験だと試験日から13日後に結果が発表されます。
結果が発表される日程のことも考え、余裕を持った受験日を選択しましょう。
IELTSの有効期限の確認
IELTSのスコアは2年間有効です。
2年以上前のスコアは無効になってしまうため、過去に受験したスコアを提出するときは有効期限を必ず確認するようにしましょう。
出願するときになって「IELTSのスコアの有効期限が切れていて出願できない!」という事態にならないように、細心の注意を払ってくださいね。
IELTS試験の各セクションの最低点の確認
有効期限と同様、各セクションの最低点の確認もしておきましょう。
IELTSのスコアは、4つの各セクションにおいて0から9までの数字で評価されます。
そしてその全体の平均スコア(OA)が留学に必要なスコアとして求められますが、大学によっては各セクションに最低点を設けている場合があります。
OAが基準点に到達していても、あるセクションが基準点を下回っていると受験要件を満たしません。
各セクションに最低点を設けている大学を受験する場合は、総合的な力を伸ばしましょう。
留学前にIELTSスコアを短期間で上げるポイント
最後は、留学前にIELTSのスコアを短期間で上げるポイントを3つ紹介します。
受験までに時間がない方、短期間でスコアアップを狙っている方はぜひ参考にしてみてください。
参考書で英語学習
短期間でスコアをアップさせるためには、IELTSの試験形式に慣れることが大切です。
そのためには公式問題集や参考書を活用し、本番を想定した試験学習が効果的。
単語や文法の知識があったとしても、問題に慣れていなければ実力を十分に出し切れません。
そこでおすすめの参考書が、『IDP Education IELTS公認問題集』というIELTS公認の問題集です。
詳しい解説が日本語で載っているだけでなく、ライティングのサンプルエッセイが掲載されているので、解答のポイントを学べます。
アカデミックを受験する方は、持っておきたい1冊ですね。
IDP公認問題集|英語検定・試験のIELTS公式サイト
英語学習用アプリの活用
短期間でスコアをアップさせたい方にとって、アプリは隙間時間を活用して学習できるのでおすすめです。
通学・通勤の時間や休憩時間など、短い間でも手軽に学習できるのがアプリの特徴。
ここでは、3つのアプリを紹介します。
IELTS Prep App
ELSA Speak
TOTAL IELTS Listening Practice
領域
全セクション
スピーキング
リスニング
特徴
自分が伸ばしたいセクションに応じたアプリをぜひ活用してみてください。
英語塾・スクールに通う
最後のポイントは、英語塾・スクールに通うことです。
英語塾やスクールに通うと、弱点の指導やライティングの添削、発音の矯正を受けられます。
独学ではできなかったことも学習できる点が、英語塾やスクールに通うメリットでしょう。
先生からの指導を受けることで、短期間でも効率的に学習できます。
しかしその分費用もかかるため、予算や目的を明確にして慎重にスクールを選びましょう。
語学留学前にIELTSの必要スコアと取得時期を確認して対策しよう!
今回は、国や大学を比較しながら留学に必要なIELTSのスコアをチェックしました。
アメリカやイギリスに留学する場合は、比較的高いスコアが求められますが、カナダやオーストラリア、ニュージーランドへの留学は、6.0~6.5のスコアが目安です。
また大学によっては各セクションの最低点を設けている場合もあるので、留学希望の大学について事前に必ず調べておきましょう。
さらに、IELTSのスコアには2年間の有効期限があることも注意点でしたね。
必要スコアだけでなく取得時期も確認して、素晴らしい留学生活を送りましょう!