IELTS勉強法
IELTS Study Tips
目次
そこでこの記事では、IELTSの形式や特徴などの概要からパート別の対策、目標スコア別の勉強法などを紹介していきます。スピーキングの本番直前に有効なポイントや減点についても紹介するので、IELTSのスコアで目標を達成したいという方は参考にしてください。
IELTSのスピーキング対策をするには、まず試験の概要を理解する必要があるでしょう。そこでここでは形式や特徴、流れなどについて紹介していきます。
リンク:IELTSとはどんなテスト?試験の概要や効果的な学習方法など紹介!
IELTSスピーキングの形式は、試験官と1対1による面接です。
以前は対面形式が基本でしたが、最近は対面形式に加えてオンライン形式による試験も行われます。ただし、どちらの形式であったとしても、試験官とマンツーマンによる面談方式であることに変わりはありません。
1対1で英会話をすることで、どの程度のスピーキング力を持っているのかを測られます。
IELTSスピーキングの特徴は、話す内容よりも英語力を重視している点です。
1対1の対話形式で試験には柔軟性があるので、試験官は受験者の英語力を見ながら進められます。そのため、あるフレーズや英語表現を覚えたからスコアが取れるというものではありません。
試験官やその日の状況などによって内容は変わるので、英会話力を正確に測れるハイクオリティな試験といえるでしょう。
また、IELTSスピーキングで使われる英語は「イギリス英語」という点です。IELTSはイギリスで作られた英語ですので、日本の英語教育で慣れ親しんでいる「アメリカ英語」ではない点には注意が必要です。
IELTSスピーキングは柔軟性が高いですが、一定の流れは共通しています。
試験は基本的に全部で15分程度で、パート1からパート3の3つのパートに分かれています。それぞれのパートや所要時間は以下の通りです。
パート | 内容 | 所要時間 |
挨拶 | 自己紹介 | 1~2分 |
パート1 | 仕事や住まい、習慣など、身近なトピック | 4~5分 |
パート2 | 与えられたトピックに対するスピーチ | 3~4分 |
パート3 | パート2に関連した内容でディスカッション | 4~5分 |
それぞれのパートで試験官から質問を受けるので、それに対して適切に意見を出しながら話を広げていきます。
スピーキングの試験はある程度の時間が決まっていますが、終了の合図があるわけではありません。そのため、時間を気にせずに自然な会話を楽しむと良いでしょう。
IELTSスピーキングの試験で気になるのは難易度だと思います。スピーキングが苦手な方は特に気になるでしょう。
しかし、IELTSスピーキングは単純に難易度を測れません。それは試験官が受験者の英語レベルに合わせてコミュニケーションを取るためです。
また、他の試験と形式が異なる上フリースピーチもあるので、他の試験との比較もできません。
ただし、評価されるポイントについては明確な基準があるので対策が可能です。次の章で詳しく解説していくので、参考にしてください。
IELTSスピーキングには、明確な評価基準があります。ここではどのようなポイントが評価されているのかについて紹介していきます。
IELTSのスピーキングで評価されるのが「単語や語彙」です。
テーマに対して適切な単語や熟語をしっかりと使えているかがスコアに結びつきます。特に、適切な表現でありつつ、言い換えができるくらい幅広い語を使えているかが重要です。
例えば、「see」の代わりに「notice」を使ったり「make」を使った後は「create」を使い分けるイメージです。
同じ回答の中で1~2回言い換えができれば、スピーキングのスコアを上げやすくなります。語彙力の対策を講じる時は、類義語も一緒に覚えるようにしましょう。
また、コロケーションを使うのも有効です。例えば「I’m going to wash the laundry.」でも通じますが、ネイティブスピーカーには違和感があります。「I’m going to do the laundry.」と表現できれば、減点されずにスコアを上げられます。
本番の直前まで語彙力のアップを図ると、表現の幅を広げられて評価を上げられるでしょう。
IELTSスピーキングの評価基準の1つは「文法の知識と正確さ」です。
幅広い文法を使った文章を作れるかどうかを評価されるので、簡単な構文だけでなく難しい言い回しを使えるとスコアアップが期待できます。
文法で特に重要なのが時制です。日本語の時制は「現在」や「過去」「未来」くらいしかありませんが、英語には10個以上あります。つまり、英語では時制が重要視されているので、適切に使い分けができなければ評価されません。
日本人にとっては難しいですが、ルールを覚えて使い分けられるようにしましょう。
IELTSのスピーキングでは「発音」が評価されます。
非ネイティブの日本人には難しく感じてしまいますが、実はポイントを押さえて対策を講じればある程度のスコアを取れます。
例えば、イントネーションを正しく理解できているかです。英語はメロディのようにイントネーションがハッキリとしているので、正しく強弱をつけられれば自然になります。
単語を覚える時は意味やスペルだけでなく、イントネーションも覚えると良いでしょう。
「発音」で意外に重要なのが、声の大きさです。例えば、声が小さくて聞き取りにくいと、表現が正しかったとしても減点の対象です。そのため、自信を持って口を大きく開けて発音するようにしましょう。
IELTSスピーキングで最も重要視されるポイントの1つが「流暢さと内容の一貫性」です。
例えば「ある程度の長さの文章で話す」や「沈黙が最低限」「一度発した内容を訂正しない」などが評価されます。
英語圏の人は自分の意見をしっかりと伝えて、コミュニケーションを取ることが重要と考えています。発音や文法よりも、いかに気持ちを伝えられるかが大切です。
IELTSは生活上でどの程度英語を運用できるかを測る試験ですので、流暢さは重要なポイントです。特に長い沈黙は明確な減点ですので、注意しましょう。
また、理路整然と話せているかも見られているので、接続詞を使って論理的に話すことも心がけてください。
IELTSスピーキングは3つのパートに分かれていて、それぞれに対策が可能です。
ここではスコアアップを狙う勉強法を紹介していきます。
パート1は挨拶から始まって仕事や習慣など身近なトピックが話題ですので、話しを広げられるように意識することが大切です。
例えば、質問に対して簡潔に答えるだけでなく「because」を使って理由まで述べられればベストです。
パート1は基本的に応えやすい質問なので、対策はそれ程必要ないと思っている方も多いでしょう。しかし、パート1の応答の質によって試験官は英語能力をある程度判断して、パート2以降の難易度を変えていく可能性があります。
高スコアを狙っているのであれば、パート1から準備をして評価を得られるようにしましょう。
パート2はトピックカードを渡されて、それに触れたスピーチが求められます。
トピックカードが渡されたら、まずは書かれた内容を落ち着いて読んでください。トピックカードのポイントをスピーチで触れないと、問題文を理解していないと判断されてしまいます。
1分程度何を話すかを考える時間を与えられるので、メモをしながら内容をまとめていきましょう。
スピーチが終わると試験官から質問があるので、理由やエピソードを交えながら具体的に話していきます。
有効な対策は、具体例やエピソードを話す練習を繰り返すことです。その際は基本的なフレーズを覚えておくとスムーズなスピーチをしやすくなります。
パート3はパート2を深堀りしてディスカッションする形式です。
より細かい内容を質問されるので、暗記した文章では対応できません。小手先のテクニックでは対応できないので、普段から自分の意見を述べる練習を重ねることが大切です。
また、パート3でやりがちな失敗が、同じ単語やフレーズを使ってしまうことです。IELTSは多彩な表現や言い換えなどが評価されるので、同じ単語を使うと表現力が不十分として減点されます。
同じ意味でも意識的に違う言葉を使って、表現力の高さをアピールするようにしましょう。
IELTSは合否ではなく英語能力を測る試験ですので、目標とするスコアによって有効な勉強法が違います。
そこでここではIELTSスピーキングの目標スコア別の勉強法について紹介していきます。
目標スコア5.0~5.5を目指す人のおすすめの勉強法は、短くても話しきる練習です。
スコア5の人は言いたいことをゆっくりと伝えられますが、言葉に詰まったり文法のミスがあったりするレベルです。
話すのを止めたり言い直したりしていると減点となり、英語力が低いと判断されてしまいます。完璧な文章を意識せず、沈黙の時間を減らして短くても早く回答しきるように意識すると良いでしょう。
スピーキングに苦手意識がある方は、4~7語程度の短い文章で答える勉強法が有効です。減点を減らすためにも、沈黙して考えるよりも瞬発力を持って話しきるように意識しましょう。
目標スコア6.0~6.5を目指す人のおすすめの勉強法は、複文を練習することです。
スコア6の人は不正確ではあるものの、英語を使いこなせるレベルです。さらに英語力をアピールするには、長く話す練習が欠かせません。
例えば「関係詞」や「接続詞」「仮定法」などを駆使して、一文自体を自然に長くしてくのがおすすめです。
また、ただ長い文章で話すのではなく、チャンクを意識して話すとなお良いでしょう。文章の塊を意識してカンマやピリオドでポーズを取れば、発音や流暢性で評価されます。
目標スコア7.0~7.5を目指す人のおすすめの勉強法は、時制の習得とトピック語句を覚えることです。
スコア7の人はさまざまなトピックに対して言い間違いがありながらも、柔軟に議論できる英語力が求められます。話しの内容に幅を持たせるためにも、時制を習得すると良いでしょう。
また、トピックに関する言葉をいくつも覚えておく勉強法も有効です。難易度が高い専門用語ではなく、フォーマルな場所でも使えるような単語で十分です。
例えば、環境に関する言葉であれば「fossil fuel」や「extinction」「hazardous」などが挙げられます。これらの単語を自然に使えられれば高評価を得られるでしょう。ただし、間違えて使うと減点になる可能性があるので、正確に覚えてください。
目標スコア8.0以上を目指す人のおすすめの勉強法は、発音やイントネーションを確認することです。
スコア8以上の人はネイティブにかなり近く、難しい表現も使いこなせるレベルといえます。ピックアップする単語や内容に注意するよりも、発音やイントネーションに重点を置いた勉強法が有効です。
単語や文章に合わせて音の上がり下がりや強弱を変えることで、試験官に「英語が上手い」と感じさせられます。
もちろん、複雑な構文や時制を使いこなせれば、より高いスコアを目指せます。発音やイントネーションの改善が進んでいる方は、ノーミスを目指して構文や時制を完璧にしていきましょう。
IELTSスピーキング直前でも、勉強法や対策によってはスコアをグッと上げられます。そこでここでは本番直前にできるスコアを上げるポイントについて紹介していきます。
短期間でIELTSスコアを上げるには?対策のポイントと勉強法をご紹介!
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留学や移住で証明が必要とされる英語試験のIELTSですが、短期間で目標スコアに達成することは可能なのでしょうか。この記事ではIELTS対策の勉強をする際のポイントと、各セクションごとの勉強法を短期間という条件のもとでご紹介します。
IELTSスピーキングは、本番直前に文章を暗記しない方がスコアを上げやすいです。
文章を暗記して準備し過ぎるとコミュニケーションがぎこちなくなります。試験官に暗記した回答と判断されると、減点される可能性が高いです。
直前期は仕上げのために回答を準備したくなりますが、文章を暗記はしないようにしましょう。
ただし、状況に応じた会話をしたり自分の得意なジャンルの話に移したりできるように、会話のパターンを練習するのはおすすめの勉強法です。
IELTSのスピーキングは、もう一度聞きたい時は聞き返しても減点にはなりません。質問が分からなかった時は、積極的に聞き返すようにしましょう。
ただし、聞き返す時にはコツがあります。IELTSスピーキングでは同じ言葉を繰り返し使うのは減点の対象です。そのため、本番直前は同じ意味でも違う表現を確認しておくのがおすすめです。
例えば、聞き返す表現には「Pardon?」「Excuse me?」「Could you say that again?」などがあります。直前期は聞き返したい時に困らないように、いくつも使いこなせるようにしましょう。
IELTSスピーキング本番直前は、試験官に好印象を持ってもらえるようにコミュニケーションの取り方に意識を向けることも大切です。
例えば、小さな声で話していたり自信なさげな振る舞いをしていたりすると、コミュニケーションを取る気がないと判断されて減点されます。英語能力以前のところで減点されるので、試験を受ける姿勢も大切です。
ポイントとしては大きな声でハキハキと話し、ゆっくりと答えるように心掛けることです。意識するだけでスコアアップできるテクニックですので、本番直前は話し方にも注意しましょう。
IELTSスピーキングでは、不自然な沈黙は減点の対象です。質問に対する答えを考えている間の沈黙は問題ありませんが、長すぎると評価を落とします。そのため、長く沈黙してしまいそうになったら、フィラーワードを活用するのがおすすめです。
例えば「Let me see」「I mean」「Hmm」「That’s a difficult question.」などが使えます。
直前に沈黙を避けるつなぎの言葉を覚えておくと、黙り込まずに済みます。難しい局面で使っていけば減点を防いで、スコアを上げやすくなるでしょう。
IELTSスピーキングは、話しに一貫性があるかどうかが評価されます。本番直前までスピーキングの練習をする時は、論理的な回答を心掛けましょう。
回答時におすすめなのが、ディスコースマーカーを使うことです。例えば「however」「Especially」「nevertheless」などの接続詞や副詞です。
試験の直前は使い方を間違わないように、それぞれの意味を正確に確認しておくのがおすすめです。適切に使えれば自然に論理的な展開ができるので、得点アップにつながります。
本番直前は正しい発音を意識し直すのがおすすめの勉強法で、大切なポイントです。
例えば「r」や「l」「th」などの発音です。これらの音は日本語にはないので、改めて確認しておくと良いでしょう。
正しく発音ができないと相手に英語を伝えられません。つまり、IELTSスピーキングでは減点されてしまいます。意識して修正できる部分は、直前期にまとめて行ってしまいましょう。
IELTSスピーキング対策には、質の高い教材を用意するのが効果的です。ここではおすすめの参考書とアプリをそれぞれ紹介していきます。
IELTSスピーキング対策におすすめの教材の1つ目は「ケンブリッジIELTS 公式問題集」です。
公式が出版している書籍ですので、問題の傾向を知りたい方や直前の力試しをしたい方などに最適です。この問題集で弱点を把握できれば、自分に合った勉強法が分かるでしょう。
また「スコア直結IELTS徹底対策」は、IELTSでスコアを上げるためのスキルを知りたい方におすすめの参考書です。
リスニングとリーディング、ライティング、スピーキングの4つの分野のストラテジーが学べるので、IELTSの勉強法で迷わなくなります。便利なフレーズも収録されているので、直前期まで活用できる参考書です。
IELTSスピーキング対策では、アプリをフル活用するのがポイントでしょう。特にIELTSではイギリス英語に慣れ親しんでおくのが大切です。
アプリでおすすめできるのが「BBC Learning English」です。
イギリスの国営放送であるBBCが運営しているので、利用すれば本場イギリスの英語に無料でかつ簡単に触れられます。勉強を始めたばかりの方から試験直前までずっと活用できるでしょう。
IELTSに特化したアプリを探しているなら「TOTAL IELTS Listening Practice」がおすすめです。
音声がIELTSの本番に近いので、模試のような感覚で使えば試験に落ち着いて挑めるようになります。
IELTSスピーキング対策には、スクールの利用が効果的です。実際にネイティブと話す機会があれば、英語に慣れられます。
ここではスコアアップに使えるおすすめのスクールを紹介していきます。
Camblyは、希望に合ったプランで勉強しやすいスクールです。
例えばグループやマンツーマンを選択できるので、自分に合ったスタイルで勉強ができます。また、講師はアメリカ人やイギリス人、オーストラリア人などがいるので、IELTS対策にピッタリでしょう。
バークレーハウスはIELTS公式団体の1つです。公式団体が運営しているスクールなので、IELTS対策に最適です。
スコアアップサポートがしっかりとしていて、レベルや目的、予算などによってカリキュラムをカスタマイズできます。そのため、最短で目標を達成できるでしょう。
mytutorの特徴は、IELTSをはじめ、TOEICやTOEFLの指導経験者が担任として指導してくれるところです。
スピーキングはもちろん、他の技能に関しての質問もできます。また、月額制やポイント制などがあるので、短期集中でスコアアップを図ることも可能です。
レアジョブはオンライン英会話で最大手ですので、実績豊富で質の高い英会話を受けられます。
スピーキングを中心に英語のコミュニケーション力を高めたいという方におすすめです。
IELTSに特化したプランはありませんが、ネイティブ講師が在籍しています。イギリス人講師を選べば、十分にIELTS対策ができるでしょう。
トライズは、短期集中でIELTSの4技能を習得するコースがあるスクールです。
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IELTSのスピーキングは評価基準があるので、適切に対策を講じればスコアアップは十分に可能です。この記事ではパート別・目標スコア別の勉強法を紹介してきましたので、参考にしてみてください。
また、本番直前に押さえるべきポイントにも触れています。実践すれば減点を抑えてスコアを上げられるでしょう。目標を1日でも早く達成したいという方は、今日から試してみてください。
ライター
下村周作
学生時代のアルバイトで英語の塾講師をしており、中学生から高校生を相手に指導をしていたので、効果的な勉強法やおすすめの勉強法をいくつも知っています。今度はライターの仕事を通して、英語学習者に結果が出る勉強法をお伝えできればと思い執筆しております。