大学受験英語の勉強法
University Entrance Examination Study Tips
目次
東京大学入試の英語では、さまざまな種類の問題が出題されます。
一般的に出題される長文読解や英作文、リスニングはもちろん、長文の要約問題や誤文訂正の形式での文法問題なども出題され、その問題形式の多さから幅広い対策が求められます。
また、問題のほとんどは高校の基礎知識をもとにしたスタンダードな良問ですが、問題形式の多さの影響もあり、圧倒的な基礎力が必要とされるのが特徴です。
制限時間に対する問題数の多さからも、合格を勝ち取るためにはしっかりと傾向を把握し、その上で適切な対策が必要です。
この記事では、東大英語の出題傾向からそれらの勉強法、さらに勉強を助ける参考書やおすすめの塾をご紹介します。
東大入試の試験日程は、以下の2日間として発表されています。
1日目:2月25日
< 文類受験者 >
国語:9:30~12:00
数学:14:00~15:40
< 理類受験者 >
国語:9:30~11:10
数学:14:00~16:30
2日目:2月26日
< 文類受験者 >
地理歴史:9:30~12:00
外国語:14:00~16:00
< 理類受験者 >
理科:9:30~12:00
外国語:14:00~16:00
東大の選抜要項によると、東大英語の試験範囲は以下で設定されています。
< 英語試験範囲 >
英語コミュニケーションI,英語コミュニケーションII,英語コミュニケーションIII,論理・表現I, 論理・表現II,論理・表現III
※ 一部マークシートに解答する問題あり。 また,30分程度の聞き取り試験を実施。
東大英語の出題範囲は一般的な国立大学と同様に、高校のカリキュラムに基づいて設定されています。
そのため、高校生の基準を超えた難解な内容が出題されるというよりは、高校範囲の内容がどれほど定着しているかが問われる試験内容になります。
また、英語試験は文科理科を問わず120点/440点(国語、英語、数学、理科もしくは社会の合計点)という配点となっています。
東大英語の特徴を一言で表すならば、出題範囲が非常に幅広いということが挙げられます。
有名私大の入試のような高校範囲を超えた難問の出題はあまりありませんが、高校で使用している教科書をベースとして隅々から出題されています。
出題方式は語彙や文法はもちろん、リスニング、英作文、英文和訳、要約まで、さまざまな形式が採用されており、あらゆる分野での対策が求められます。
また、制限時間に対する問題量が多めであるため、暗記だけですべてを解き終わることが難しく、論理的思考力や知識の応用力が必須になります。
まずは東大英語の出題傾向を把握し、各分野に対する自分の得意不得意を確認しましょう。
自分と問題の相性によって、各問題への対策時間の配分や対策方法は人それぞれになるので、ここでご紹介する出題傾向を参考に自分なりの学習計画を立てててみてくださいね。
大問1の(A)では、要約問題が出題されます。
東大英語の要約問題では、およそ300単語程度の長文を読み、その内容を日本語でまとめます。
要約の語数は70~80語と指定されることが多いですが、年度によっては100~120語が条件となっている年度もあります。
要約問題で出題される長文は、内容が抽象的で理解するまでに時間がかかるものが多く、速読でざっと読んだだけでは要約のために必要な情報を読み取れないことが多いです。
続けて大問1の(B)では、文補充問題が出題されます。
文補充問題は、およそ500単語の英文の一部が空欄となっており、文同士の前後関係をもとに空欄を埋める適切な文を選択するという問題形式になっています。
選択肢は1文だけである場合と複数文で構成されている場合のどちらも見られており、年度によって選択肢の特徴はさまざまになっています。
大問2では、英作文が出題されます。
英作文問題では、さまざまなテーマに沿っておよそ60文字程度の自由英作文が1〜2題出題されます。
英作文のテーマとしては、与えられた写真やイラストを見て、それらに対する意見を書く形式、与えられた文に対する自分の考えを答える形式、文章の一部を読んでそれに続く文を書かせる形式など多岐にわたります。
参考として、令和4年度の入試では、 「芸術は社会の役に立つべきだ 」という主張に対しての自分の考えを書く問題が、令和3年度の入試では、「あなたにとって暮らしやすい街の最も重要な条件は何か。」という問いに対しての自分の意見を書く問題が出題されました。
大問3で出題されるリスニング問題は、英語試験の開始後およそ45分ごろから、30分間程度の問題が放送されるという形式です。
東大英語のリスニングの問題では、(A), (B), (C)の3問が出題されます。
最初の2問は、ラジオや講義など長い音声の内容を聞き取る問題が出題されたあと、それに関連する会話を聞いて選択肢を選ぶ問題です。
最後の問題は、複数人での会話や、あるテーマに関する議論などがテーマとなったリスニングになっています。
基本的に1〜2人などの音声よりも、3人以上の音声が出題されることが多く、さらに選択肢が5つ前後となっているため、かなり難易度が高めに設定されています。
また音声の内容に関しても、ある程度の長さがあるアカデミックな話題が多いうえに、英会話として自然な速度で話されているため、しっかりとリスニング対策ができていない人にとっては難しく感じられるでしょう。
大問4のA問題では、誤文訂正の形で文法問題が出題されます。
誤文訂正問題とは、長文に数箇所下線が引いてあり、それらの中から使い方が誤っているものを選び出すすことを指します。
文法や文脈にもとづいた語法の知識はもちろん、イディオムや単語まで幅広く問われるため、どの視点からでも批判的に精査する姿勢が求められます。
続いて大問4のB問題では、英文和訳問題が出題されます。
東大の和訳問題は基本的にオーソドックスな内容を問うため、難関私大のような難問はほとんど見られません。
しかしながら、時制や指示語、各単語の文脈に合った意味などをすべて正確に訳するのは簡単なことではありませんので、高校で学んだ知識をしっかり身につけておく必要があるでしょう。
大問5では長文の読解問題が出題され、ほとんどの年度で物語やエッセイが選ばれています。
内容の難易度としては一般的な国立レベルに設定されており、難関私大の問題にも触れている方からすると比較的読みやすい文章であると感じることが多いようです。
しかし、文章全体の語数としてはおよそ800語程度と比較的長めなので、一定の正確さを保ちつつ速読に慣れる必要があります。
また、設問には選択問題と記述問題があるため、記述の際に求められている点をしっかり押さえた書き方に慣れておきましょう。
東大英語の出題傾向が確認できたところで、ここでは各問題に対するおすすめの対策法や気をつけるべきことをご紹介します。
実際の問題を見ながら対策を読むことでより実感が湧きやすくなるので、オンラインで閲覧できる過去問などと照らし合わせながら読むことをおすすめします。
要約問題において求められるのは、短時間で文章全体の要旨を正確に把握する能力です。
300〜400語程度の長文であれば集中して速読ができるというレベルまで仕上げられるよう、毎日長文に触れる機会を確保してください。
その際には文全体をじっくり精読するのではなく、速読でスキミング(パッセージの大意を把握するためにざっと読むこと)やスキャニング(文中のキーワードを目を動かして特定すること)をするように意識しましょう。
また、与えられた長文の内容を掴んだ上で、それらを自分の言葉で論理的にまとめる練習も必要です。
特に冒頭や結論部分など文章の核になっている部分を柱にしながら、その他の情報で肉付けしていくイメージで採点者に伝わりやすいまとめ方の練習をしておきましょう。
文中から重要な部分を探し出す際には、ディスコースマーカー(文の目標になるつなぎ言葉)に着目すると話や論が転換する部分を意識できるようになり、見つけやすくなります。
続いて、空欄補充問題では段落同士の関係性の把握が最も重要です。
段落同士の関係性を把握することで文章の流れを掴むことができ、空欄に当てはまる選択肢を考える際のヒントになります。
先ほどご紹介した要約問題の対策と同じく、文章全体を速読しながらスキミングとスキャニングを活かして各段落の内容を大まかに掴めるようにしておきましょう。
また、空欄付近の指示語も重要なヒントです。指示語の指している部分を見つけて明らかにしておきましょう。
前述した通り、東大の英作文は語数が60〜80語に指定されています。
この語数設定は実際に書くのに苦労してしまうほど長いわけではありませんが、それでも書き始めてから続きが思いつかないという状況がよく起こります。
この対策として、思いついた内容をすぐに英作文として書いてしまうのではなく、一度アイディアをメモしながら構成を大まかに立てておくことで比較的書きやすくなります。
この際にメモに長い時間をかける必要はありませんが、自分の書いたアイディアのなかで英語で書きづらそうな表現はできる限り除いておきましょう。
また、英作文問題の最も王道な対策は過去問を解いて添削してもらうことです。
学校の先生やALTの先生、もしくは塾の先生などに添削してもらうことで、自分では気づけない自分自身の悪い癖やミスを見つけることができます。
添削後は間違えた部分を復習し、本番の英作文で気をつける部分として活かせるようにノートなどにまとめておきましょう。
大学受験の英作文勉強法まとめ!対策のポイントやおすすめの参考書・問題集は?
リンク
リスニングの放送は試験開始およそ45分後に流れるので、放送時間前に問題文や選択肢に目を通しておく時間を確保しておきましょう。
その時間で選択肢のポイントとなりそうな部分(キーワードやひっかけになりそうな情報など)に印をつけておくことで、放送を聞きながらの情報処理が格段に簡単になります。
また、東大英語のリスニング音声は2回放送されるので、1回目で聞き逃してしまったところは2回目で集中して聞くようにしましょう。
聞き取れなかったことで答えられない問題があったとしてもそこで手を止めず、気を取り直して次に流れる音声に集中しなければなりません。
わからない問題に固執することでそのあとのリズムまで崩れてしまう可能性があるので、どんな状況でも冷静に音声を聞くことが大切です。
そして、日々のリスニングの練習方法としてはアメリカ英語以外の発音やアクセントにも慣れておくことが効果的です。
Youtubeを利用してアメリカ話者以外の動画を視聴したり、TED(各分野の専門家などがさまざまなトピックについてスピーチを行う動画がアップロードされているツール)で比較的アカデミックな内容の動画を視聴してみるなどして、幅広い種類の音声に慣れておくと良いでしょう。
東大の文法問題は誤文訂正の形式をとるため、多くの受験生が苦手に感じています。
この問題に対応するためには、高校で扱った語法や単語、イディオムの基礎をかなり仕上げておく必要があります。
NextStage(ネクステージ)などの文法問題集を周回しながらわからない表現は文法書で確認するなどして、文法の理解を満遍なく深めておきましょう。
続いて英文和訳の問題では、英語の文の内容を正確かつ日本語として自然な文章で訳す練習を積んでおきましょう。
日本語として自然かつ正しい文章を書くためには、英語を直訳することだけは絶対に避けてください。
日本語としての自然さにこだわりすぎて、もとの英文の各要素が抜け落ちてしまうことも減点の対象になってしまうので、この2点のバランスをとりながら和訳することを意識して取り組みましょう。
前述した通り、東大の長文読解ではほとんどの年度で物語やエッセイが出題されています。
他の大学入試では論説文が出題されることが多いので、東大の出題傾向は特徴的かつ対策が難しいと言えます。
物語やエッセイの長文に日常的に取り組み、文章や設問の傾向を掴んでおきましょう。
その際に最も意識してほしいことは、物語文特有の時系列の把握です。
必ずしも時系列順に書かれているとは限らないので、各段落の要旨や時間を表すワードを素早く見つけ出す必要があります。
長文は設問を読んだあとに数度本文を読み返していると時間が足りなくなってしまいがちなので、各段落の要旨を短文でメモしておくと時間短縮が図れます。
本番で時間が足りなくなってしまうことを防ぐため、日々の練習では目標時間を設定し、実際にかかった時間を測りながら時間配分を意識して解きましょう。
前の章では問題別の対策法をお伝えしましたが、ここでは東大英語の特徴を踏まえた全体的な英語の学習方法や対策をご紹介します。
基礎を身につける段階、実際の過去問に取り組める段階のいずれでも役立つ学習方法となっているので、東大受験を検討されている方はぜひ取り入れてみてください。
東大の英語では、高校の学習に基づいた知識や能力を問う問題が出題されます。
そのため東大英語対策の鉄則は、高校で習った文法や単語の基礎がきちんと固まっていることと言えます。
このような知識固めを後回しにしてしまうと入試対策のための時間がどんどん足りなくなってしまうので、学校の定期テストや単元テストがある時にしっかり該当範囲を理解しておきましょう。
基本は学校で指定されている教材を使用しながらの学習が最も効率的ですが、より自分に合う教材を購入して使用することも可能です。
具体的には、単語帳であれば「システム英単語」、英文法であれば「NextStage」や「全解説実力判定英文法ファイナル問題集」などが有名です。
おすすめ教材に関しては後ほど詳しくご紹介するので、そちらも確認してみてくださいね。
大学受験におすすめの英単語帳11選!難関大学合格・共通テスト対策に!
リンク
先ほどご紹介した基礎固めを効率的に進める方法が、英文や単語の音読です。
英文を繰り返し音読することで、英文の構造の特徴に気がつくようになったり、音としての情報が加わることで記憶の定着がより効果的になったりと、さまざまな利点があります。
また、単語の音読を通してスペリングと音(発音)の関係性に慣れることができ、単語を覚える際の手がかりにもなります。
英文を読むことに慣れてきたら、「シャドーイング(英語音声を追いかけるように声に出して読むこと)」も実践してみましょう。
シャドーイングでは耳に合わせて口を動かせるので、リスニング力を上げるだけでなく、語彙力や文法力を鍛えることにも役立ちます。
英文を見る、書く以外に読むことを取り入れることで、学習の効率をさらに上げることができるでしょう。
教材と音読を活用することでインプットをした後は、問題集を使用して学んだことのアウトプットに取り組みましょう。
問題集と一口に言ってもさまざまな種類があり、長文問題や読解問題であれば「やっておきたい英語長文シリーズ」、リスニングであれば「灘高キムタツの東大英語リスニング」、英作文であれば「ドラゴン・イングリッシュ基本例文100」などが人気です。
いずれのテキストも後ほど詳しくご紹介しますので、そちらで内容やおすすめポイントをご確認ください。
問題集に取り組んだあとは正確な丸つけと、必要に応じた復習が必須です。
せっかく取り組んだ問題集の知識を無駄にしないために、復習には力を入れるようにしましょう。
問題集によっては解説がとても細かく載っていることもあるので、それらをじっくり精読することも大切です。
一通りの基礎固めが終わったあとは、過去問に取り組んで東大英語に対する対応力を身につけましょう。
過去問は問題傾向を知るための最も重要な材料でもあるので、その機会を無駄にしないためにも、集中できる状況で時間を測って解くことをおすすめします。
東大の過去問を一通り解き終わったあとは、形式が一部似ていると言われている大学(東北大学や大阪大学など)の問題でさらに実践力を高めましょう。
いずれも復習がとても大切なので、間違ってしまった問題や苦手な問題には印をつけておいて何度か解き直す機会を設けるとより力がつきます。
「東大英語の対策法は知っているけど、それを実践するのが難しい…。」と思っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは対策法を実践するために覚えておきたいことや、コツをご紹介します。
東大と聞くと難易度が高い問題への対策が最優先のように感じてしまう方も多いとは思いますが、東大英語の問題はあくまで「高校で学んだ文法、語彙」をもとにした基本を活用した問題になっています。
そのため、基礎となる文法や単語、イディオムの知識固めを疎かにしてしまうと、いくら各大問の対策をしたとしても点数が伸びづらくなってしまいます。
基礎固めの重要性を侮らず、まずはコツコツと知識をつけていきましょう。
前述した通り東大英語の出題形式は多岐にわたるため、各大問をバランスよく対策する必要があります。
参考書やインターネットで紹介されている勉強プランはあくまで一例なので、自分の得意不得意にあわせて適切に対策にかける時間の配分を行いましょう。
入試本番で英語試験を効率よく進めるためには、試験全体を通しての時間管理が必須です。
まずは制限時間を意識しながら過去問に取り組み、その上で自分が苦手な大問や時間がかかってしまう大問を洗い出しましょう。
基本的には満遍なく解けるようにしておきたいので、苦手な大問に多めに時間を割きたいところですが、苦手分野に目を向けすぎて得点源にできる大問にかける時間が足りなくなってしまうのはもったいないです。
確実に点数が伸ばせるように、日々の練習から自分にあった時間配分と優先順位を決めておきましょう。
東大を目指している受験者のなかで、高校の教科書だけを使用した独学で合格を掴み取る方はほんの一握りです。
基本的には東大受験対策に対応している塾に通い、東大入試のコツや勉強習慣をしっかり身につけることをおすすめします。
東大英語の専門的な対策を指導してくれるおすすめの塾を後ほど詳しくご紹介しますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
受験勉強になかで必須となる自主学習の時間では、教科書以外にも東大英語に対応できる参考書や問題集を用いて対策をする必要があります。
ここでは、東大英語の対策で使いやすい参考書を形式別にご紹介します。
英単語の定着力、すなわち語彙力は英語のどの問題でも必ず求められる能力です。
大学入試に対応している使いやすい単語帳を使って、効率よく単語を覚えましょう。
システム英単語は、大学入試の対策をしている受験生向けの単語帳です。
試験本番で問われる単語のみが厳選して掲載されている上、レベル順に5章まで展開されているため、とても使いやすく人気な単語帳です。
東大受験者は4章の最難関レベル(早慶・難関国公立大受験者向け)と、5章の多義語まで覚えておく必要があるので、早い段階から英単語を覚える習慣をつけておきましょう。
また、システム英単語を購入すると無料の音声ファイルがダウンロードできるようになるので、発音を確認しながらリスニング対策を進めることも可能です。
単語と同様に重要なのが、「文法力」です。
文法の対策には長い時間を要するため、幅広い分野の文法問題を繰り返し解くことができるかつ、手軽に確認できる解説がついている参考書がおすすめです。
Next Stage(ネクステージ)は、英文法の確認・演習ができる教材です。
高校基礎から難関国公立大学の2次試験対策にまで対応しており、どんな時期でも使いやすい1冊となっています。
ネクステージは見開きの1ページごとに問題と解説が掲載されていることから効率よく解き進められる上、必要な知識が赤シートでチェックできるように作られており、演習のみならず参考書としての役割も果たしてくれます。
ネクステージの各問題を見てすぐに答えられるようになるくらいまで仕上げることで、共通テスト、二次試験のどちらにも対応しうる文法基礎力を養うことができます。
全解説実力判定英文法ファイナル問題集は、入試レベルの文法演習に取り組みたい方におすすめの問題集です。
東大で出題される誤文訂正の問題も掲載されており、英文法のインプットが落ち着いた方がさらに実力を伸ばすことができる1冊です。
こちらの問題集はさまざまな文法が難易度順でランダムに並んでおり、実践に近い形で文法力を確かめることができます。
また別冊の解説がとても丁寧なので、曖昧な文法があった際にもすぐに確認できるようになっています。
全体的にネクステージよりも難易度が高めなので、基礎固めがある程度終わった後で取り組むと効果的でしょう。
大問に対する設問が多めの長文問題は、全問題の中でもかなりの得点源です。
選択肢問題だけでなく記述問題にも対応できるように、効果的な問題集を活用して実践力を高めておきましょう。
やっておきたい英語長文は、実際に大学入試で出題された良問長文が掲載された問題集です。
語数ごとに4冊展開されており、その中でも東大受験者の2次対策におすすめなのは「やっておきたい英語長文700」と「やっておきたい英語長文1000」の2冊です。
東大で出題される長文の語数はおよそ800語なので、600~900語の長文が15題出題されている「やっておきたい英語長文700」がレベル感としては最も近いです。
この問題集はある程度の基礎が身についている人向けなので細かい構文解説がない一方、応用的な知識の解説が豊富になっています。
設問を解く際に役立つ考え方や、長文の論の展開を読み取るためのコツなど、現在の実力をさらに底上げしてくれる解説が非常に細かいので、長文読解を得点源にしたい方はぜひ取り組んでほしい1冊です。
リスニングは、東大受験者のなかでも苦手意識を持っている方が多い分野です。
リスニングで安定して得点することができれば、その分だけ他の受験者との差をつけることができるので、早いうちからしっかりと耳を慣らしておきましょう。
灘高キムタツの東大英語リスニングは、東大のリスニングに特化した演習教材です。
この教材では東大リスニングの対策に必要な16個のポイントを簡潔に紹介しており、それらを意識しながら実践的な演習をすることが可能です。
演習問題も一問一答形式のものから、身につけた知識をアウトプットするための模擬問題まで豊富に掲載されており、全てやり切ることができれば確実なリスニング力を身に付けられるでしょう。
こちらのテキストをやり切った方向けに「灘高キムタツの東大英語リスニングSUPER」という教材も用意されていますので、リスニング対策に力を入れたい方は2冊とも購入することをおすすめします。
英作文を攻略するためのいくつかの方法のなかでも、「英語の作文に慣れておくこと」は最も近道であると言えます。
英作文で使いやすいフレーズのストックを増やし、ワンパターンな英作文からひと工夫が見られる英作文へと変えていきましょう。
ドラゴン・イングリッシュ 基本英文100は、ドラゴン桜のモデルになった竹岡広信氏による英作文特化の受験参考書です。
英作文に必要な文法要素をぎゅっと詰め込んだ100文が掲載されており、日本人が無理なく書くことができ、かつ自然な英語表現のみを学ぶことができます。
例文にはそれぞれ構文の解説と英作文を作る際の手順の丁寧な解説がついており、英作文に苦手意識がある人でも扱いやすいのが特徴です。
まずは掲載されている例文を繰り返し読み込んで暗記し、重要な表現を活用して自分なりの文を書くという手順で学習を進めましょう。
東大受験者の9割以上が通塾していたという統計があるほど、東大入試と塾は切っても切れない関係です。
確実に合格を掴み取るためには、適切な塾で正しい学習習慣と東大入試の知識をしっかり得ておくことが必要になるでしょう。
ここでは東大英語に特化したカリキュラムを提供しているという観点を中心に、5つのおすすめ塾とその特徴をご紹介します。
Liberty English Academyは「グラマーテーブル」という独自のメソッドによって、英語の文構造や文法ルールを効率よく学べる英語学習塾です。
「国内難関大学受験コース」では東大をはじめとして早稲田や慶應などにも合格者を輩出しており、学校のカリキュラムとは異なる視点から英語学習をサポートしてくれます。
週平均2回のレッスンと1日1時間半程度の自主学習を基本のスタイルとしており、最短で3ヶ月から英語の4技能すべてで効果を実感することができます。
大学受験コースでは通学クラスとオンラインクラスのどちらか一方、もしくは併用で授業を受けることができるので自分のライフスタイルにあわせて柔軟に学習を進められます。
また、料金プランは生徒の目指すレベルに応じて3形態用意されているため、予算と目標を照らし合わせた上で決めることができます。
一例として、ショートプラン(1コマ90分の授業を24回分)は税込で336,000円となっています。
無料カウンセリングや無料体験レッスンも用意されているので、気になる方はぜひ公式サイトをご確認ください。
平岡塾は、「一生物の英語力」をスローガンに掲げる英語の専門塾です。
大学入試特別対策クラスは毎年1月に新規開校され、前年度のクラス分けテストに応じて習熟度別の6クラス前後に振り分けられます。
平岡塾独自で作成された平岡文法プリントをもとに生徒一人ひとりのオリジナル文法辞典を作成させるなど、他の塾では珍しい革新的なメソッドを取り入れています。
宿題は文法、単語、英作、読解がバランスよく出題されるため、特定の分野での苦手を作らないような満遍ない学習が期待できます。
英語が苦手な方の特訓、英語が得意な方のさらなる成長のどちらもサポートしてくれる、英語の万能塾と言えるでしょう。
定期的に説明会が開催されているので、気になる方はぜひ公式サイトをご確認ください。
スタディコーチは、現役東大生の講師陣による個別指導の東大受験塾です。
およそ150名程度の東大生の中から自分に合った講師が専属となり、オーダーメイドカリキュラムをもとに二人三脚の形で進めていきます。
東大受験を目指すカリキュラムの中でもいくつかのコースがあり、勉強計画を立ててもらって自主学習のリズムを掴む「自主学習サポートコース」や苦手科目のみをピンポイントで指導してもらう「苦手科目対策コース」など、他にもさまざまなコースが用意されており柔軟なサポートを受けられます。
東大生講師であれば、勉強法のみならず生活面なども含めた実際の受験対策を相談することができるので、東大受験を検討している方にはぴったりだと言えるでしょう。
無料体験授業も用意されているので、気になった方は公式サイトを確認してみてください。
English-Xは、東京大学をはじめとした国内の名門大学への合格実績を多数残している英語塾です。
生徒一人ひとりの弱点を洗い出し、その克服と強みの補強を中心としたオリジナルカリキュラムをオーダーメイドで立ててくれます。
個人の特性に寄り添ったカリキュラムを用意することで、通常の集団授業と比較して3〜5倍程度のスピードで成長を感じることができます。
また英作文添削の無料対応という、英作文の出題がある東大の受験者にとって嬉しいサービスも提供しており、さまざまな面から4技能全てを伸ばすことが可能です。
無料体験授業も行っていますので、気になった方は公式サイトをご確認ください。
鉄緑会は、言わずと知れた東大受験の名門塾です。
東大の卒業生が1983年に設立して以降、東大の専門対策塾として常に高い実績を残し続けています。
2023年度では東大合格者が520名にものぼっているので、その実績は確かだと言えますね。
講師陣はほぼ全員が東大生、もしくは東大卒業生で構成されており、東大対策のプロフェッショナルが勢揃いです。
授業は精鋭主義の少人数対面クラスの形式をとっており、1日3時間程度の授業を鉄則に適切な指導を行っています。
しかしながら、鉄緑会への入塾は入塾テストの合格者のみという条件がありますので、入塾を目指す方は十分な対策が必須です。
いかがだったでしょうか。
東大は国内大学でも最難関として知られており、英語もそのレベルに見合ったかなり難易度の高い内容となっています。
しかし高校で学んだ基礎をしっかりと身につけ、その上で傾向に沿った対策ができれば得点源にもできる教科ですので、早いうちから東大英語の特徴を把握し、対策を始めておきましょう!
東大合格を志す受験生の皆さんの努力が実を結び、無事合格を掴み取れることを願っております。
Kre25
日本の高校を卒業した後、オーストラリアの大学に正規留学生として進学しました。 その経験を活かし、現海外大学や英語能力試験に関する記事を執筆しています。純ジャパならではの英語学習に対する困難を経験してきたので、読者の方の目線に立った記事づくりを心掛けております。