大学受験英語の勉強法
University Entrance Examination Study Tips
目次
IELTSは英検やTOEFLと同様に英語力を測定する試験です。
日本では英語の試験といえばまず英検を思い浮かべる人が多いと思いますが、海外ではIELTSはかなり知名度が高い試験とされています。
ここではIELTSがどのような試験なのかを試験内容や他の英語試験と比較しながら解説します。
IELTSがどのような試験かわからないという人はぜひチェックしてみてください。
IELTSには「アカデミック・モジュール」「ジェネラル・トレーニング・モジュール」と2つの種類の試験があります。
受験者は目的に応じて2つのうちのどちらかを選んで、受験の申し込みを行います。
リーディングとライティングについてはそれぞれ問題が異なります。
提出先がどちらの試験のスコアを必要としているかよく確認して受験するようにしましょう。
おもに、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど海外の英語圏の大学への留学を考えている人は、アカデミック・モジュールを受験します。
日本国内の大学に進学するときに提出するのもこの試験のスコアです。
リーディング・ライティングのテストは、大学の講義、論文、専門家の講義といったアカデミックな内容の出題になっています。
海外への移住や就職を希望する人はジェネラル・トレーニング・モジュールを受験します。
ビザを申請するときにスコア提出が求められます。
リーディングやリスニングのテストは、日常会話や職場での会話を想定した内容となっています。
英語の試験はいくつかあるので、どれを受験すべきか迷ってしまうこともあります。
IELTSは他の試験とどう異なるのかを、TOEFLや英検と比較しながら解説します。
TOEFLもIELTSも英語圏への留学のための英語力を測定する試験という点では共通しています。
どちらも海外では認知度の高い試験です。
試験内容の違いとしては以下のことが挙げられます。
・TOEFLはコンピュータの試験のみ、IELTSはコンピュータと紙から選択できる
・TOEFLのスピーキングはコンピューでの録音、IELTSは1対1の面接形式である
・TOEFLはアメリカ英語で作成、IELTSはイギリス英語で作成されている
現在は昔ほど「アメリカ留学にはTOEFL」「イギリスやヨーロッパ、オセアニアはIELTS」などという区別はなくなってきていますが、留学や進学の際にはどちらのスコア提出が必要か確認するようにしましょう。
英検とIELTSは異なる点が多くあります。
日本国内では英検の方がメジャーですが、国外ではIELTSの方が知名度が高いです。
2つの試験の間には次のような違いがあります。
・英検は受験級に対する「合格」「不合格」で結果が示されるが、IELTSはスコアで示される
・受験料は英検の方が安い
・英検の結果は期限なしで使用できるが、IELTSのスコアは2年の有効期限がある
・英検は国内進学や就職に、IELTSは海外進学や留学、移住に役立つ
国内での進学や就職、自分の英語力チェックには英検、海外留学や移住にはIELTSと覚えておきましょう。
現在高校生の人の中にはIELTSの受験を考えている人もいると思います。
ただ、学生は日頃の勉強と平行して勉強を進めていく必要があります。
また注意点として、IELTSのスコアの有効期限は2年間しかありません。
「本当に受験する必要があるか」「どのタイミングで受験するのがよいか」についてはよく考えておく必要があります。
ここでは高校生でIELTSを受験した方がよい人のタイプを3つ紹介します。
海外への留学を考えている人は、IELTSもしくはTOEFLのスコアの提出が求められるので、IELTSの受験は必要となることが多いです。
現在はIELTSとTOEFLのどちらのスコアでも提出可能な学校が増えていますが、学校によってはどちらか一方を指定している学校もあります。
自分の希望する留学先の要項を確認しておきましょう。
「英語が好き」「英語を勉強するのが楽しい」という人はIELTSの受験をおすすめします。
高校の授業はリーディングやリスニングの比重が高いですが、IELTSは4技能すべての実践的な力を把握する試験なので、勉強をすることで総合的な英語力を伸ばすことができます。
身につけた英語力を使って仕事をしたり、海外に友達を作り交流したりすることもできるので、英語好きの人は挑戦してみるといいです。
IELTSのスコアも国内大学の受験の際に提出することが可能なので、大学受験の準備として受験をしてみる方法もあります。
ただし注意点として、大学受験が迫っている3年生にはおすすめしません。
受験生になれば、他教科も含め受験勉強に忙しくなります。
IELTSの試験は大学入試の英語の試験と傾向が異なるので、受験勉強に加えてIELTSの勉強が必要になります。
IELTSの試験は難易度が高い試験でもあるので、直前で受験しても大学側が求めるスコアに届かない場合もあります。
大学進学のためにIELTSを受験する人は、早めに志望大学の条件を確認して余裕をもって挑戦するようにしましょう。
IELTSのスコアをもっていると、受験で優遇される場合があります。
どのような大学でどのように優遇されるのかを以下にまとめてみました。
IELTSのスコアをもっていると、大学受験で以下のような優遇がされます。
・出願資格が得られる
大学が示すスコア以上を取得しておくことで、出願資格が得られます。
・スコアが入試の得点に加算される
入試の得点にIELTSのスコアに基づく得点が加算されます。当日少し点を落としても加点があるので、合格の可能性があがります。
・スコアが英語の得点に換算される
スコアが英語の得点に換算されます。注意点はIELTSで高スコアが取れているときは有利に働きますが、スコアが伸びない場合は逆にマイナスにはたらいてしまうことがある点です。
スコアによっては英語の入試を受けることも検討しましょう。
・英語の試験が免除される
一定以上のスコアを取っている場合、英語の試験を免除する大学・学部があります。
この場合、英語の勉強をしなくてよいので、他の教科の勉強に集中でき有利です。
・合否の参考資料になる
推薦入試などで合否を判定するとき、IELTSのスコアを参考にしたり、優遇したりすることがあります。
スコアの活用の仕方は大学により異なるので、各大学の要項で確認しておきましょう。
また、この優遇制度はIELTSだけではなく、英検やTOEFLなどでも同様なことがほとんどです。
それを知ったうえで、どの試験を受けるのがよいか考えることも大切です。
国内の大学でIELTSのスコアを活用している例をいくつか紹介します。
国内大学ではスコア3.0から入試で優遇している大学があります。
あくまでも例ですので、活用できる大学や提出の際の注意点は各大学の募集要項で確認してください。
・出願資格が得られる大学
東京海洋大学(海洋生命科学部・海洋資源環境学部)獨協大学(法学部)など
・得点換算ができる大学
京都外語大学(外国語学部・国際貢献学部)など
・試験免除になる大学
東京電機大学(システムデザイン工学部・未来科学部・工学部)など
・出願資格が得られる大学
麗澤大学(国際学部・外国語学部)、工学院大学(先進工学部・工学部など多くの学部)、
東京経済大学(経済学部・経営学部など)など
・出願資格が得られる大学
小樽商科大学(商学部)、青山学院大学(総合文化政策学部)、獨協大学(経済学部)、
神奈川大学(外国語学部)、関西大学(法学部・文学部・経済学部)など
・得点に加点される大学
上智大学(文学部・神学部など)、国士舘大学(政経学部・体育学部など)、
関西外語大学(英語キャリア学部・外国語学部など)、聖心女子大学(現代教養学部)、
早稲田大学(国際教養学部)など
・得点換算ができる大学
関東学院大学(国際社会学部、法学部など)、専修大学(経済学部・法学部など)、
大東文化大学(文学部・外国語学部など)、拓殖大学(商学部・外国語学部など)など
・試験免除になる大学
千葉大学(園芸学部)など
・審査で優遇される大学
北海道教育大学(教育学部函館校・国際地域学科)、
大妻女子大学(グローバル教育学群・ビジネスマネジメント学群など)など
・出願資格が得られる大学
学習院大学(経済学部・国際社会科学部)、獨協大学(国際教養学部・外国語学部)、
杏林大学(外国語学部・総合政策学部)、中央大学(国際情報学部)など
・得点に加点される大学
日本女子大学(文学部英文学科)、中央大学(総合政策学部)、大阪教育大学(教育学部)など
・出願資格が得られる大学
青山学院大学(国際政治経済学部)など
・得点に加点される大学
順天堂大学(国際教養学部)、千葉大学(国際教養学部・文学部など)など
・出願資格が得られる大学
青山学院大学(文学部英米文学科)、南山大学(外国語学部)など
・出願資格が得られる大学
国際教養大学(国際教養学部)など
・得点が換算される大学
秋田大学(国際資源学部)※満点に換算など
・出願資格が得られる大学
国際基督教大学(教養学部アーツ・サイエンス学科)など
・得点が換算される大学
国際教養大学(国際教養学部)南山大学(人文学部・外国語学部など)※満点に換算など
・得点に加算される大学
千葉大学(国際教養学部)など
得点が換算される大学
学習院大学(国際社会科学部)など ※満点に換算
海外の大学を受験する際、IELTSのスコアの提出が求められます。
これは優遇されるための資料としてではなく、留学や進学の資格を得るために提出します。
スコアの目安は6.0以上、難関大学では7.0以上が求められることが多いです。
国内の大学であれば、先に紹介したようにスコア3.0から優遇を受けることができます。
多くの大学は4.0以上を条件として提示しています。
6.0を越えると、英語の試験が満点に換算されるなどより有利にはたらくことがあります。
海外の大学への進学や留学には、IELTSのスコア提出が求められます。
スコア6.5が取れればほとんどの大学に出願できます。
IELTSはイギリスで開発されたテストなので、イギリスのすべての大学でIELTSスコアが提出できます。
オックスフォード大学やケンブリッジ大学といったトップクラスの大学であれば、スコア7.5以上が求められます。
優良大学で6.5~7.0、一般大学で6.0~6.5程度が求められます。
イギリスにはファウンデーションコースというものが設けられており、上記のスコア条件を満たしていなくても進学・留学できる場合があります。
アメリカへの留学といえばTOEFLと考えがちですが、現在では95%の大学でIELTSのスコアを提出することができます。
トップクラスの大学で7.0、優良大学では6.5~7.0、一般大学では6.0~6.5が求められるスコアとなっています。
注意点としては、アメリカには他の国のようにファウンデーションコースや英語準備コースなどがないため、上記のスコアをクリアしないと出願することができません。
カナダの大学に進学するために必要なスコアは、上位大学で6.5、一般大学で6.0となっています。
カナダの大学には英語準備コースが設けられており、成績優良で仮合格をもらった人で英語の基準が満たせなかった場合のみ、このコースに入学することができます。
オーストラリアには43の大学があります。
そのうち、トップ8大学に進学するために必要なスコアが6.5で、その他の大学の場合は6.0~6.5となります。
オーストラリアにもファウンデーションコースが設けられており、出願の要件が満たせなかった場合でも進学できる場合があります。
「留学したい」「海外の大学に進学したい」「国内の大学受験に有利になるようにしたい」などIELTSの受験目的はさまざまですが、それぞれの目標スコアをクリアするために対策していく必要があります。
ここでは各パートごとのおすすめの勉強法を紹介します。
IELTSのリーディングは、本や雑誌、新聞などから抜粋された3種類の長文から出題されます。
1時間で40問の問題を解くことになります。
出題内容は見出しの選択、情報の一致、多肢選択、情報の識別、書き手の主張の把握などさまざまです。
リーディングのおすすめ勉強法は、まずはさまざまな種類の文章を読むことです。
読む際には「スキミング」や「スキャニング」に挑戦してみましょう。
「スキミング」とは文章にざっと目を通して概要をつかむことをいいます。
これに対して「スキャニング」は文章から必要な情報を見つけ出すために文章を早く読むことです。
共通していえるのは、「すべてを読もうとしない」ということです。
限られた時間で読むためにもぜひ練習してみましょう。
ライティングにはタスク1とタスク2があり、150語と250語のエッセイを書くことになります。
試験時間は60分です。
タスク2の方が配点が高いので、タスク1を20分、タスク2を40分で行うつもりで練習しましょう。
ライティング力を伸ばすためには次の3つの勉強法をおすすめします。
・要約を書く
さまざまな英文を読み、その内容を自分の言葉でまとめてみましょう。
・エッセイの書き方を知る
英語のエッセイでは、次のような順序で文章を書きます。
①先に結論を述べる ②理由や例を述べる ③最後にもう一度結論を述べる
この型をしっかり理解しておきましょう。
・さまざまなトピックでエッセイを書く
上記のエッセイの書き方に沿ってさまざまなトピックでエッセイを書きましょう。
まずは身近な内容から、そして時事問題やアカデミックな内容でも書けるように練習しましょう。
各タスクでのトピック例は以下の通りです。
タスク1・・・都市や地域の変化(地図)、エネルギー消費量(グラフ)、業務実績(グラフ)
タスク2・・・先端技術・AIについて、語学・教育について、社会問題について
学習をより効果的にするには、書いた英文についてネイティブのフィードバックをもらうことをおすすめします。
スピーキングテストは「インタビュー形式」「スピーチ形式」「ディスカッション形式」の3種類のテストがあります。
タスク1の「インタビュー形式」では質問に10秒ほどで答え、タスク2の「スピーチ形式」では与えられたトピックについて1分で準備し、2分程度のスピーチをします。
タスク3の「ディスカッション形式」ではタスク2のトピックについて試験官が質問をするので、自分の意見を述べます。
どのタスクも時間内に行わないといけないので、タイマーを使った練習をおすすめします。
具体的な勉強内容としては、「同義語や言い換え表現を覚える」「スピーチの場面でよく使う表現を覚える」「過去問などを使って実際の試験を想定した練習をする」です。
さまざまな表現を身につけたら、ネイティブの人や英語が得意な人、IELTSを受験したことがある人にお願いして試験官役をしてもらい、試験を想定した練習も行っておきましょう。
リスニングテストでは4つのタスクがあり、話し手も1人から4人までいます。
英文は1回しか聞くことができないので、1度聞いて理解するための練習が必要です。
リスニングのおすすめの勉強法は以下のとおりです。
・さまざまな音声を聞く
長い英文を聞いてその内容が理解できるように英文をたくさん聞きましょう。
テストでは英語圏のさまざまな国の発音が聞こえてくるので、ニュースなどをいろいろなアクセントで聞いておきましょう。
・シャドーイングやディクテーションをする
英文を正しく聞き取れているかはシャドーイングやディクテーションをすればわかります。
英文について読んだり、書き取ったりするなかで聞き取れない単語やフレーズを見つけ、聞き取れるようになるまで練習しましょう。
・音読をする
読み方を知らないものは聞き取れるようになりません。
普段からいろいろな文章を音読し、読み方がわかるものが増えるとリスニング力もアップします。
IELTSの受験をする人は限られた時間の中で勉強している人が多いと思います。
時間を有効に使い、効率的に勉強していくためには、教材の選択も重要になります。
ここではIELTSの勉強に適した教材をいくつか紹介します。
IELTSのテストの仕組みから解説してある、初心者におすすめの参考書です。
受験申し込みから当日の流れまで、IELTS受験に必要な情報をすべて知ることができます。
IELTSの試験のさまざまなタイプの問題も掲載されており、出題の傾向をつかむこともできます。
日本語で解説されているので、間違えやすいポイントなども確実に理解することができます。
IELTSについての情報が詳しくまとまられている一冊です。
勉強したいけれど、どこから手をつけたらよいかわからないという人でも効果的に勉強できるように構成されています。
ディクテーションの行い方など、IELTSの受験にとどまらず、総合的な英語力をつけるための勉強方法が紹介されています。
スコア4.0から6.5くらいを目指したい人のための単語帳です。
単語が3300個、熟語が1100個掲載されています。
単語は難易度別にAからDの4段階に分けらられており、目標にあった勉強ができます。
テストで注意すべきポイントも載せられており、効果的に単語の勉強ができます。
初めてIELTSを受験する人に最適の問題集です。
解説が日本語でされており、英語力に自信がない人でも取り組みやすくなっています。
問題は4技能すべてに対応しており、対策問題や模擬試験に取り組むことができます。
アカデミック・モジュールに対応している問題集なので、試験内容に合ったライティングの練習も十分にできます。
公式から出版されている問題集で、本番にかなり近い問題が掲載されています。
アカデミックとジェネラルそれぞれ専用の問題集が出されており、受験するテストに合わせて対策することができます。
4技能すべての模擬テストが4回分収録されており、十分な問題練習ができます。
注意点としては、解説がすべて英語で書かれているので、ある程度自信がついてから取り組むことをおすすめします。
より効果的にIELTS受験対策をしたいという人にはスクールの利用をおすすめします。
ライティングやスピーキングなどはフィードバックをもらうことでより力をつけることができますが、それを可能にするのがスクールです。
全国に200校以上ある英会話スクールです。
IELTS対策はオンラインの対応はありませんが、通学校以外のスクールでの振替受講などにも対応しており、自分の都合に合わせて受講することができます。
話すことに重点を置いており、ネイティブの英語のみで直接指導を受けることができます。
料金も比較的安価で、コスパよく対策をすることができます。
豊富なカリキュラムが準備されており、IELTS対策コースも4技能それぞれに対応したコースがあります。
受講生一人ひとりにコーディネーターがつき、たくさんのコースの中からそれぞれに合ったカリキュラムを作成してくれます。
レッスンは個人レッスンとグループレッスンがあり、自分の学習状況に合わせて自由に選択することができます。
科学的に理論に基づいたカリキュラムを用いた英語コーチングスクールです。
日本人の専属コンサルタントがつき、マンツーマンでスコアアップのテクニックや学習時間の確保など総合的に学習をサポートしてくれます。
料金は高額になりますが、IELTSスコアアップにとどまらず一生役立つ学習習慣を身につけることができます。
名門大学へ多くの進学実績を残しているスクールです。
「グラマーテーブル」というメソッドを用いた指導で英語の本質を理解できるようになり、受講者は4技能のすべてにおいてネイティブ並の力をつけることができます。
IELTSなどの試験対策も充実していますし、学んだ英語は海外進学や留学後も役立つものとして身に付いていきます。
コーチングスクール並に高額ではありますが、成果保証制度があったり、柔軟に受講プログラムを調整できたり、留学サポートも受けたりすることができるので、安心して利用することができます。
IELTSは国内の大学受験にも活用できますが、利用する際には注意点がいくつかあります。
せっかく受験するのですから有効にスコアを活用できるようにしたいものです。
IELTSを国内の大学受験に活用する際の注意点については以下にまとめているので、確認してみましょう。
IELTSスコアを国内の大学受験に活用する際の注意点の1つめは「受験するモジュールを確認する」です。
IELTSにはスコアの利用目的によって以下の2つのモジュールがあります。
・アカデミック・モジュール
・ジェネラル・トレーニング・モジュール
留学や海外進学に必要なスコアは「アカデミック・モジュール」のスコアです。
国内の大学進学の際に提出を求められるスコアも「アカデミック・モジュール」のスコアであることがほとんどです。
大学によっては「ジェネラル・トレーニング・モジュール」のスコアを求める場合もあるかもしれないので、受験する大学の要項をよく確認しておきましょう。
IELTSスコアを国内の大学入試に活用する場合の注意点の2つめは、「スコアの有効期限に気をつける」です。
IELTSは英検と異なり、2年間のスコア有効期限があります。
この期限を過ぎてしまうとスコアは無効になります。
大学入試にスコアを活用するためには、受験の2年前から遅くても出願1ヶ月前までにはIELTS受験を済ませておく必要があります。
受験に近くなると受験勉強に集中したいですから、高校2年の間には目標とするスコアを取得するつもりで準備しておくといいです。
勉強に時間がかかる試験でもあるので、早めに目標を決め勉強していくことをおすすめします。
IELTSスコアを国内の大学入試に活用する際の注意点の3つめは「どのスコアを提出するか確認する」です。
IELTSのスコアには4技能のスコアを平均した「オーバーオールスコア」と、4技能それぞれ英語力を示す「バンドスコア」があります。
多くの大学の入試要項にはIELTS6.0などと書かれています。
これはオーバーオールスコアのことを示します。
多くの大学ではオーバーオールスコアで基準を定めていますが、一部、各バンドスコアにも基準を設けている大学があります。
この場合、オーバーオールスコアが基準に達していても、バンドスコアが基準を満たしていなければ、スコアは無効ということになります。
入試要項をみればバンドスコアの基準の有無がわかるので、しっかりと確認しましょう。
IELTSは海外への留学・進学・移住をする人のための試験ではありますが、国内の大学進学の際に有利にはたらく資格でもあります。
英語が好きな人や、時間がある人はぜひチャレンジして受験の際の後押しにしてもらいたいと思います。
ただし、いくつか注意点があったり、試験の傾向が大学入試と異なったりするため、簡単に提出できるスコアが取得できるとは限りません。
早めに目標を決め、IELTSの試験の仕組みやスコア提出の際の注意点をよく理解したうえでチャレンジしてもらいたいと思います。
MIE
大学で英語教育について勉強し、その後20年以上中学校の教員として沢山の生徒に関わってきました。現在は中学校で講師をしつつ、記事執筆活動を行っています。これまでの経験を活かして、読者様のニーズに合ったわかりやすい記事を書いていきたいと思います。