IELTS勉強法・TOEFL勉強法
IELTS Study Tips・TOEFL Study Tips
目次
TOEFLとIELTSの試験の全体像を大まかにでも把握すると、グッと選択しやすくなります。ここではTOEFLとIELTSの試験の概要をそれぞれ紹介していきます。
TOEFLはアメリカで作られた試験ですので、アメリカの大学教育の影響を強く受けている試験です。日本では「ETS Japan」という団体が運営をしています。
アメリカが発祥ですので使用される英語はアメリカ英語で、主にアメリカを中心に北米への留学や進学を志す人を対象に開発されたといえます。
そのため、スコアはアメリカを中心とした北米の大学で英語能力の証明として利用可能です。
測定されるスキルは「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4つです。
日本で受験する場合は、2024年時点で26の都道府県で受験ができます。また、2020年以降は新型コロナウイルスの影響で、宿泊を伴う移動が必要な人は自宅での受験も可能です。なお、試験は毎月6回前後実施されています。
発祥地 | アメリカ |
運営団体 | ETS Japan |
主に活用できる場所 | アメリカを中心とした北米の大学 |
測定されるスキル | 「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」 |
受験会場 | 26の都道府県(2024年時点) |
日程 | 毎月6回前後 |
IELTSはイギリス発祥の試験ですので、イギリス型の大学教育の影響を受けた試験です。日本では5つの団体(英検/IDP/JSAF/British Council/バークレーハウス)が運営しています。
団体によって申し込み方法や言語、受験会場などに違いがあるので、申込時は注意が必要です。ただし、どの団体で申し込んでも、試験内容や難易度は同じです。
イギリスで作られた試験ですので使用される英語はイギリス英語で、主にイギリスやヨーロッパへの留学や進学を志す人を対象に開発されたといえます。また、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど、イギリスと歴史的に関係が深い国々でもスコアが英語能力を示す証明として活用できます。
測定されるスキルはTOEFLと同様に「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4つです。
日本で受験する場合は、全国の主要都市で受験できます。ただし、受験会場や日程は団体によって違うので、申込時に受けやすいのはどこか比較する必要があるでしょう。
発祥地 | イギリス |
運営団体 | 5つの団体 (英検/IDP/JSAF/British Council/バークレーハウス) |
主に活用できる場所 | イギリスやヨーロッパ、イギリスと歴史的に関係が深い国の大学 |
測定されるスキル | 「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」 |
受験会場 | 全国の主要都市(団体によって違う) |
日程 | 毎月開催されているが、団体によって違う |
語学留学に必要なIELTSスコアをチェック!国、大学による違いや注意点は?
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同じ英語の試験ですが、TOEFLとIELTSでは試験内容や形式に違いがあります。ここではそれぞれを比較して違いを紹介していきます。
TOEFLのリスニング問題は、はじめに問題を見ることができず音声を聞き終えてから解答をしていくスタイルです。メモを取ってもよいので、重要と思われる箇所をメモしながら英語を聞いていきます。英語は1回しか流れないので、聞き逃していると問題が解けません。
パート数は5~7ですがダミー問題がある場合があるので、問題数は定まっておらず28~39問です。また、解答時間もダミー問題の影響で変動があり、41~57分です。
IELTSのリスニング問題は、音声を聞きながら解答していく形式です。問題は単語の穴埋め形式のものが多いので、音声を聞きながら問題を解いていくスキルが求められます。
パート数は4で問題数は40問です。また、解答時間は30分です。
比較項目 | TOEFL | IELTS |
出題スタイル | 音声を聞き終えてから解答 | 音声を聞きながら解答 |
パート数 | 5~7 | 4 |
問題数 | 28~39問 | 40問 |
解答時間 | 41~57分 | 30分 |
リスニングの難易度を比較するとそれぞれ同レベルですが、TOEFLはIELTSと違いダミーがあったり問題文を見れなかったりするので取っつきにくいといえるでしょう。
リーディングに関しては、TOEFLとIELTSを比較しても難易度に大きな差はありません。どちらも700~900語程度の長文を読んで解答していきます。
ただし、TOEFLは非常にアカデミックで、専門性が非常に高い内容のものが出題されます。一方のIELTSは専門的な文章ではあるものの、わかりやすい内容です。
なお、TOEFLにはダミー問題が含まれる場合があるので、毎回問題数や解答時間に違いがあります。
それぞれ以下の通り表で比較しているので、参考にしてください。
比較項目 | TOEFL | IELTS |
出題内容 | かなりアカデミックでわかりにくい | アカデミックではあるがわかりやすい |
パート数 | 3~4 | 3 |
問題数 | 30~40問 | 40問 |
解答時間 | 54~72分 | 60分 |
TOEFLとIELTSのライティングの試験は、どちらも2つの課題を解いていくものです。しかし、それぞれを比較すると、少しずつ内容が違います。
TOEFLはリスニングとリーディングが合わさった複合問題が1つ出題されます。読んで聞いた内容を150字以上に要約するタイプなので、さまざまな英語能力がないと対処できません。
もう1つはエッセイ問題で、自分の意見を300字以上で述べる問題です。どちらもパソコンでタイピングで入力していきます。
IELTSはグラフや地図などを読み取って分析する問題(150文字以上)とエッセイ問題を250文字以上で執筆する問題の計2つが出題されます。
TOEFLとIELTSを比較するとボリュームがIELTSの方が少ないので、難易度はIELTSが若干易しいでしょう。しかし、IELTSは手書きスタイルですので、かなり時間がかかります。
そのため、IELTSのライティングはスコアが取りにくいです。
比較項目 | TOEFL | IELTS |
出題内容 | ・複合問題(150文字以上) ・エッセイ(300文字以上) |
・グラフや地図を描写する問題(150文字以上) ・エッセイ(250文字以上) |
パート数 | 2 | 2 |
解答時間 | 50分 | 60分 |
スピーキング問題もTOEFLとIELTSを比較すると、形式が全く違います。
TOEFLのスピーキング問題は、マイクを使ってコンピュータに向かって会話をしていきます。大きな特徴は、スピーキング問題でもリーディングやリスニングの要素を含んだ複合問題が6問中4問出題されるところです。
さまざまな英語スキルを使える総合的な英語力が試されます。
IELTSは英検のように面接官と1対1で会話をしていくタイプです。大きく3つのパートがあり、1つは簡単な質問に対して意見をいうもので、2つ目は与えられた題材に対してスピーチするもの、最後は面接官とディスカッションするものです。
比較項目 | TOEFL | IELTS |
形式 | マイクを使ってパソコンに向かってスピーチ | 面接官と1対1の面接 |
出題内容 | 通常の問題2つと複合問題4つ | ・簡単な質問に対して意見をいうもの ・与えられた題材に対してスピーチするもの ・面接官とディスカッションするもの |
解答時間 | 20分 | 11分 |
TOEFLとIELTSを比較すると共通点や違いがいくつもあります。ここではそれぞれの共通点と相違点を紹介していきます。
TOEFLとIELTSの有効期限は、どちらもテストを受けた日から2年です。
留学や大学進学を予定している人は、スコアの有効期限はかなり大切なポイントです。もし基準をクリアしていたとしても、2年以上前のスコアであれば有効な証明書として受理されません。
留学や大学進学を予定しているなら、前回の試験日のチェックが必要です。もし受験日が2年を過ぎているのであれば再度受験を検討しましょう。
TOEFLとIELTSの試験時間を比較すると、TOEFLの方が長いです。
TOEFLの試験時間が4~4.5時間程あるのに対して、IELTSは2.45時間程度です。試験時間だけで見ればIELTSの方が短く、試験で集中する時間が少なく済むといえます。
しかし、IELTSはスピーキングが別の日に設定されていたり待ち時間があったりするので、試験で拘束される時間は長くなります。
TOEFLとIELTSの試験環境を比較すると、IELTSの方が試験に集中しやすいです。
TOEFLは試験会場に到着した人から順次受付を行って試験を進めていきます。人によって進行度が違うので、スピーキングをしている人の横でリスニングをしなければならない場合があります。そのため、試験会場や時間帯によっては集中しにくいです。
また、スピーキングはコンピューターに向かって一方的に話すスタイルなので、馴染みにくさを感じる人もいるでしょう。
一方のIELTSは他の資格試験や受験と同様に一斉に試験を開始するので、集中しやすいです。また、スピーキング試験では面接官と面と向かって会話をするので、話しやすいでしょう。
TOEFLとIELTSはそれぞれ発祥地が違うので、英語のアクセントに違いがあります。
TOEFLはアメリカ発祥の試験ですのでアメリカ英語が使われ、IELTSはイギリスで作られたのでイギリス英語が使われます。
代表的なアクセントの違いは「r」の発音です。例えば、アメリカ英語でdoorを発音すると、rで下を巻き上げるので「ドア」と聞こえます。一方のイギリス英語はrをはっきりと発音しないので「ドー」と聞こえます。
日本人は学校でアメリカ英語を習うので、そういう意味ではIELTSと比較してTOEFLの方が馴染みやすく難易度も低いかもしれません。
ここまでTOEFLとIELTSの試験について紹介してきました。では、どちらの方が難易度が高くスコアを取りやすいのでしょうか。
ここではTOEFLとIELTSの試験の難易度について紹介していきます。
TOEFLとIELTSは出題方式に違いがあるので、スコアを取りやすいと感じるポイントが異なります。一般的にはTOEFLの方が難しいと感じる人が多いです。
例えば、TOEFLはリスニングで事前に問題を読めなかったり複合問題が出たりするので、リスニング問題でスコアを伸ばしにくく難易度を高く感じる傾向にあります。
また、リーディングでは極めてアカデミックな内容が出題される点が、難易度を高めている印象です。
一方のIELTSはリスニングで問題が読めたりリーディングではわかりやすい内容が出題されるので、スコアを取りやすいです。しかし、ライティングの採点基準が厳しいので、ケアレスミスなどでスコアを落としてしまう人もいます。
TOEFLとIELTSの違いといえば、採点方法もその1つです。重要なポイントですので、1つずつ紹介していきます。
TOEFLは各セクション(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)をそれぞれ30点満点で採点していきます。そのため、満点は120点です。
基本的に1問1点ですが、ライティングやスピーキングに関しては3~6人の採点者によって採点されます。
IELTSは各セクション(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)を1.0~9.0(0.5刻み)のバンドスコアで評価していきます。そして、最後にオーバーオールといって、4セクションのバンドスコアを足して4で割った数字が最終の結果です。
リスニングとリーディングは40問の正解数の合計でバンドスコアを決定し、ライティングとスピーキングは評価基準に則って採点されます。
なお、小数点以下の数字が0.25以上は0.5と換算して切り上げとなります。
TOEFLとIELTSのスコアを換算すると、以下の通りです。
TOEFL | IELTS | 英検 | CEFR |
114 | 8.5~9.0 | – | C2 |
95 | 7.0~8.0 | 1級 | C1 |
72 | 5.5~6.5 | 準1~1級 | B2 |
42 | 4.5~5.5 | 2~準1級 | B1 |
– | 4.0~5.0 | 準2~2級 | A2 |
あくまで目安ですので、正確に横並びはできません。しかし、難易度の目安として参考にしてください。
なお、TOEFLは最高スコアが120点ですが、120点は難易度が高過ぎて他の試験と比較できません。
TOEFLとIELTSにはさまざまな違いがあります。では、結局どちらを受験するのが良いのでしょうか。
ここではTOEFLとIELTSのどちらを受験すれば良いのかを紹介していきます。
TOEFLを受験するのがおすすめなのは、以下のような人です。
・アメリカの留学・進学を考えている人
・パソコンでの試験を受けたい人
TOEFLは主にアメリカの学校で多く採用されているので、アメリカへの留学や進学を考えているならTOEFLを選びましょう。
また、パソコンでの受験なので、パソコンで試験を受けたい人にもおすすめです。
IELTSを受験するのがおすすめなのは、以下のような人です。
・イギリスやオーストラリアなどへの留学・進学を考えている人
・パソコンや紙による試験を受けたい人
・留学もしくは移住を考えている人
IELTSはイギリスと歴史的に関係が深い国で多く採用されています。そのためイギリスの他オーストラリアやニュージーランドなどへの留学や進学を考えているならIELTSが最適です。
また、パソコンだけでなく紙による試験も受けられるので、タイピングが苦手な人はIELTSがおすすめです。
ちなみにIELTSは留学だけでなく移住のための試験もあるので、移住を予定している人はIELTSを選びましょう。
TOEFLとIELTSは発祥地が違い主に利用される場所が違うので、留学先や進学先によって使い分けるのがおすすめです。
特にアメリカへの留学や進学なら「TOEFL」が良く、イギリスやオーストラリアへの留学や進学なら「IELTS」が良いでしょう。
同じ英語の試験ですので共通点がありますが、難易度や出題方式などに違いがあります。そのため、受験する場合は目的はもちろん、それぞれに合った対策をしておくようにしましょう。
下村周作
学生時代のアルバイトで英語の塾講師をしており、中学生から高校生を相手に指導をしていたので、効果的な勉強法やおすすめの勉強法をいくつも知っています。今度はライターの仕事を通して、英語学習者に結果が出る勉強法をお伝えできればと思い執筆しております。