IELTS勉強法
IELTS Study Tips
目次
IELTSに限らず試験で良いスコアを残すためには、試験の概要をしっかり理解しておく必要があります。
問題形式や難易度を頭に入れておくことが対策方法を知るカギになるので、まずはIELTSリーディングの問題形式や特徴、難易度などの試験概要から押さえていきましょう。
IELTSのリーディングは、試験時間が60分。
問題数は40問で、論旨に沿って文章を読み進める能力や、書き手の意見や態度、目的を認識する能力など、幅広いリーディングスキルが問われます。
またリーディングで出題される文章は、すべて実際に使用されている書籍、雑誌、新聞から抜粋されています。
英語の試験によって目的や内容が異なるため、他の英語試験とIELTSの難易度を比較することは簡単ではありません。
しかしIELTSのトップスコアになるとTOEICや英検の得点では表せないことから、IELTSは他の試験に比べると高いレベルの英語力まで測定できる試験と言えるでしょう。
また、IELTSアカデミック・リーディングでは学術的な単語や内容が多く出題されます。
IELTSに出題される単語の対策をとっていなければ、難易度が高いと感じるでしょう。
IELTSのリーディングは、3つのパートに分かれて計40問の問題が出題されます。
試験時間は60分間なので、単純計算すると1つのパート20分になりますが、後ろに行くにつれて文字数が多くなります。
そのため、パート1を15分、パート2を20分、パート3を25分間で解くのが理想です。
では、IELTSリーディングでスコアが伸び悩む要因は何でしょうか？
3つの原因を見てみましょう。
IELTSリーディングでスコアが伸び悩む要因
実は、IELTSのリーディングには国語力が必要だと言われています。
後に詳しく解説しますが、リーディングの設問の中には「NOT GIVEN問題」という本文に「記載がない」文章を見極める問題があります。
よくある「正誤問題」であれば解答可能なものが多いのですが、「誤」と「記載がない」を判断するためには国語力が必要です。
国語の読解が苦手な方は、IELTSのリーディングのスコアで伸び悩んでしまう可能性が高くなります。
単語・文法の知識が不足している場合も、リーディングスコアは伸び悩みます。
IELTSはアカデミックな内容が出題される傾向にあるので、基礎的な単語や文法に加えてアカデミックな語彙力が求められます。
土台となる単語や文法、IELTSに出題されるアカデミックな単語が分からなければ、リーディングで良いスコアを残すことは難しいでしょう。
前述の通り、IELTSのリーディングは60分間で40問です。
問題数が多い反面時間が限られているため、1問に長い時間をかけられません。
分からない問題に気を取られてしまうと制限時間内に全ての問題を解くことができないので、時間配分が重要です。
続いては、IELTSリーディングの解き方のコツを問題形式別に解説します。
IELTSリーディングの問題形式は、次の通りです。
マルティプルチョイス問題
穴埋め問題
ヘディング問題
マッチング問題
1つずつ見ていきましょう。
IELTS特有の問題形式で、難易度も高いのが「TRUE/FALSE/NOT GIVEN問題」です。
TRUE：問題文の内容が本文に記載されており、且つ内容が一致。
FALSE：問題文の内容は本文に記載されているが、内容が不一致
NOT GIVEN：そもそも本文に問題文の記載なし
特に「FALSE」と「NOT GIVEN」の判別が難しく、多くの方が混乱します。
解き方のコツは、「問題文を読む→本文を読む」に徹すること。
この問題は正確性が重要なので、なんとなくの感覚では解けません。
1つずつ、本文のどこに書かれているのかを照らし合わせながら解くようにしましょう。
また語彙や文法の言い換えもよくあるので、その点も注意すると良いでしょう。
「マルティプルチョイス問題」とは、複数の選択肢から正しいものを選ぶ問題です。
「本文の内容」に関する問題と「本文のタイトル」を選択する問題があります。
本文の内容に関する問題が出題されたときは、1つ目のTRUE/FALSE/NOT GIVEN問題同様、先に選択肢に目を通してから本文を読むようにします。
逆にタイトルを選ぶ問題の場合は、先に本文を読んでから選択肢を選ぶのが解き方のポイントです。
「穴埋め問題」は、空欄の部分に単語を入れて文章を完成させる問題です。
具体的な例としては、本文の要約文の一部に空欄があり、そこに当てはまる単語を本文から探し出します。
このとき「1語で」「2語以上で」「数字で」と条件が提示されるため、その条件に当てはまる適切な単語を探して書かなければなりません。
解き方のポイントとしては、本文を読む前に条件を確認しておくことです。
条件が分かっていれば、ある程度目星をつけながら読み進めることができます。
「ヘディング問題」は、各段落のタイトルやセクションの趣旨を選択肢から選ぶ問題です。
単語や文法の理解もそうですが、段落全体の話の内容を理解しているかという読解力が求められます。
解き方のポイントは、「1段落を読む→選択肢から選ぶ→次の段落を読む」という方法です。
全体を読んだ後に選択肢を読むよりも、1つずつ選ぶようにすると良いでしょう。
「マッチング問題」は、選択肢の中から正しい組み合わせを選ぶ問題です。
例えば、問題文で取り上げられている内容を発言したのは誰か、人物を選ぶ問題。
ここでは内容の正誤や意味を問われるのではなく、「誰の」発言かが重要になります。
そのため、文章内に人物が出てきたら印をつけるのが解き方のポイントです。
問題形式別の解き方のコツはイメージしていただけたでしょうか？
ここからはIELTSリーディングの対策と勉強法を解説するので、今後の勉強方法の参考にしてみてください。
IELTSリーディングの対策と勉強法
まずは、単語と語彙力の強化が重要です。
知らない単語や語彙が多いと、IELTSのリーディングで高いスコアを取得できません。
文中の単語がほとんど理解できないという方は、基本的な語彙の強化、そしてアカデミックな語彙の学習から取り組みましょう。
環境問題やジェンダー問題など、幅広い背景知識をつけておくこともIELTSのリーディング対策の1つです。
短い時間の中で多くの問題を解くためには、やはり読むスピードを上げなければなりません。
しかし、ある分野に関して全く知識がなければ、知っている場合に比べて理解スピードが落ちてしまいます。
Youtubeの聞き流しでも構わないので、苦手な分野の背景知識をつけておくと良いでしょう。
先ほどもお伝えしましたが、IELTSのリーディングでは国語力も求められます。
つまり難易度が高い単語や文法を知っているだけでなく、文章を正しく素早く読み取る力が必要です。
これは日頃から長文を読む習慣をつけて対策しましょう。
短期間で習得できる力ではないので、長期的に育てるイメージを持つことが大切です。
また、問題集を解くことも欠かせません。
高得点を狙うためには、どれだけIELTSの問題形式に慣れているかが重要なカギになります。
公式問題集や練習問題集を活用して問題形式に慣れ、問題パターンや解答方法を知る練習をしましょう。
おすすめの問題集は、最後に紹介しています。
日常的に英語を読む習慣をつけることも、リーディング対策でおすすめの勉強法です。
繰り返しになりますが、IELTSリーディングでは素早く正確に英文を読み取る力が求められます。
日頃から英語を読んで英文に慣れておくと、読解力が上がり読むスピードアップにも繋がるので、毎日少しずつでも英語を読む習慣をつけましょう。
スコアを上げるポイントは、英語のリーディング力を強化するだけではありません。
例えばネイティブのように英語力が高くても、問題形式に慣れておらず解き方が分からなかったり、時間配分を間違えたりすると高得点を狙えない可能性があります。
ぜひ次の7つのことを意識して、スコアを上げましょう！
IELTSリーディングのスコアを上げるポイント
何度もお伝えしていますが、スコアを上げるためには問題形式や特徴を理解すること。
問題形式を理解しておらず、問題文の意味を理解するのに時間を有してしまっては大変もったいないですよね。
どのような問題が出題されるのか、問題集や参考書を活用して試験の特徴をあらかじめ知っておきましょう。
2つ目のポイントは、時間配分に慣れること。
問題集でリーディングの練習問題を解くときは、時間を計りながら解くようにしましょう。
本番を想定して時間を意識しながら解くことで、どのくらいのスピード感で解く必要があるのかが分かるようになります。
問題形式によっては後から問題文を読むほうが良い場合もありますが、基本的には問題文を先に読んでおくとセクションのテーマが予想でき内容を理解しやすくなります。
いきなり本文を読み始めるよりも、まずは問題文に目を通して全体像を理解しましょう。
読むスピードアップにも繋がります。
文章を読むスピードを上げることも、スコアアップには欠かせません。
IELTSリーディングで高得点を取るコツは、素早く正確に情報を読み取ること。
日頃から英語の文章を読んだり解き方のコツを掴んだりして、読解スピードを上げましょう。
IELTSリーディングでは、基本的に同じ設問内であれば本文の内容順に設問が用意されています。
例えば設問数が3つある場合、設問3の答えとなる箇所は、設問1.2の答えが記載されている箇所よりも後の部分に出てきます。
答えとなり得る箇所を絞ることができるので、全部の文章を読む必要がありません。
リーディングの40問の中には、複雑な問題も含まれています。
しかし、分からない問題に時間をかけてしまわないようにしましょう。
少し考えても答えが出ない問題は、気持ちを切り替え次の設問に進むのが重要です。
試験中は、文章を読んで解答するだけはありません。
IELTSリーディングは、記述式の問題も出題されます。
導き出した答えを解答用紙に書き写す時間も考慮しなければならないので、この部分も意識して日頃から時間配分を行っておきましょう。
次は、IELTSのリーディング対策におすすめの問題集や参考書、単語帳を紹介します。
教材選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
IELTSは過去問題集がないため、問題演習にはIELTS試験を作成している団体が開発している公式問題集『Ielts 18 Academic Book』がおすすめです。
4回分の模擬テストが収録されており、自分のレベルや理解度を確かめるためには最適の問題集。
解き方を習得したり時間配分を考えたりする練習になるでしょう。
IELTS初心者であれば、『新セルフスタディ IELTS完全攻略「第2版」』がおすすめです。
試験の概要や分野別攻略法がまとめられているため、初めての受験でも安心。
つまづきやすいポイントの解説に豊富な練習問題、そして1回分の模擬試験が収録されています。
おすすめの単語帳は、『実践IELTS英単語3500』です。
目標のバンドスコアごとに単語が分けられているので、レベルに合わせて学習できる点がポイント。
また全ての英単語はイギリス英語のスペリング・発音で収録されているため、イギリス英語に苦手意識を持っている方にもおすすめの単語帳です。
最後は、IELTSリーディング対策におすすめのスクールを6つ紹介します。
スクールでは正しいやり方で効率よく学習できるので、短期間で成果を出したい方や、独学だとモチベーションが上がらないという方におすすめ。
それぞれの特徴を比較しながら、自分に合ったスクールを決めてくださいね。
IELTSリーディング対策におすすめのスクール
『ELT英会話』は、1984年にロンドンで創設された英会話スクール。
日本人駐在員を中心にオーダーメイド型の英会話レッスンを提供していた経験から、2020年にオンライン英会話の提供が始まりました。
レッスンは時間や曜日が固定で、講師は95％以上がイギリス出身のネイティブスピーカーです。
学習者1人ひとりにあった専属ネイティブ講師が担当し、日本人コンサルタントによる学習支援サポートまで付いています。
IELTS対策以外にもビジネス英語のコースもあるので、これからビジネス英語を習得したいという方にもおすすめ。
『ベストティーチャー』は、「書いて、話す」を中心としたトレーニングを取り入れているオンライン英会話です。
1.題材を選んでライティング
2.添削内容の確認＆トレーニング
3.スピーキング
この3つの流れに沿ってレッスンを行い、より正確な英語力の習得を目指します。
添削と言っても書いた文章を直すだけでなく、より自然な別の言い回しを教えてくれるため、ボキャブラリーの増加にも効果的です。
アウトプット能力が向上すれば英語脳が鍛えられ、リーディングの対策にもなります。
IELTS対策コースが用意されているので、気になる方は要チェックです！
『バークレーハウス』は、さまざまな資格試験の対策講座を実施する英語スクールです。
初めてIELTSを受験する方に向けた「IELTS準備コース」から、前回スコアからのスコアアップを目指した「OAスコアアップコース」など、レベルや実態に合わせたコースが複数用意されています。
オンラインと対面から選択できるので、地方在住で通うことが困難な方でも安心。
対面でもオンラインでも同じ先生・クオリティで受講できます。
講師陣は、ネイティブ講師、日本人講師、バイリンガル講師が在籍しており、ネイティブ講師と日本人講師を組み合わせて受講できるのが特徴です。
『日米英語学院』は、関東と関西に10校ある英会話スクール・英会話教室です。
IELTS対策コースでは、スコア別総合クラスに加え、セクション別、タスク別に対策できるクラスが用意されているため、弱点を集中的に対策できます。
特にリーディングでは、キーワード、キーセンテンスの見つけ方や、サマライズ（要約）の仕方を中心に、大意を把握しながら正確に読むための実践的なトレーニングをします。
またグループレッスンとオンラインレッスンが用意されているので、自分の好きな学び方で学習できるのが特徴です。
『プログリット』は、短期集中でビジネス英語を勉強したい方に向けたパーソナルコーチングです。
他の英会話スクールと異なる点は、教えるだけではなく学習のサポートをしてくれる点。
英語学習の専門家が学習者1人ひとりの弱点を分析し、それぞれのニーズに合わせた学習プランを作成してくれるため、短期間で英語力を伸ばすことができます。
どのように学習すれば良いか分からない方、なかなか弱点を克服できない方におすすめのパーソナルコーチングです。
『Liberty English Academy』は、「完璧な英語」を身につけられるメソッドを提供している英語学校です。
「グラマーテーブル」という画期的なメソッドで、短期間でIELTS7.0を取得する生徒を多数輩出しています。
そんな『Liberty English Academy』の特徴は、英語を母国語とする教養あるエリート層と同じ英語脳を作ることを目指している点。
試験対策コースとしてIELTS対策コースも用意されていますが、英語力全般の向上が期待できます。
短期間で効果を出したい方におすすめの英語学校です。
今回は、IELTSリーディングの対策方法を解説しました。
まずはIELTSリーディングの特徴、問題形式を理解し、上で紹介した問題形式別の解き方のコツや勉強法、スコアを上げるポイントを実践してみてください。
正しい方法で効率的に学習し、IELTSリーディングのスコアを上げましょう！
まる
大学生の頃にカナダへ留学し、その後小学校で英語教員として勤務していました。自身のこれまでの学習経験と教員経験を活かし、現在は英語学習に関する記事を執筆しています。英語学習者の悩みを解決できるよう、丁寧で分かりやすい記事の執筆を心掛けています。
