高校受験英語の勉強法
High School Entrance Examination Study Tips
中学英語を学んでいくためには、全体像を把握すると段階を踏んで勉強しやすくなります。ここでは中学英語の学習内容を学年別に紹介していきます。
中学1年生で学ぶ英語は、基本中の基本です。
アルファベットから学び始めて、簡単な単語や文法を暗記していきます。英語の最も基本的な内容ですが「三人称単数」や「複数形」「冠詞」など日本語にはない概念が出てくるので、つまづく学生が多い部分です。
また、英語に慣れていない段階で使い分けが必要な「be動詞」も登場するので、この時点で英語に苦手意識を持つ学生が出てきます。
しかし、中学1年生の英語はこれからの英語学習では必要不可欠な内容ですので、必ず理解していかなければなりません。曖昧な部分があると、この先の段階で困ることになります。
「be動詞」は英語学習のはじめの壁ですので、丁寧に1つ1つ理解を重ねていきましょう。
中学1年生では、具体的に以下のような内容を学びます。
・アルファベット
・同氏の種類と時制(一般動詞とbe動詞)
・助動詞(can)
・命令文や疑問文
・冠詞
・名詞(複数形、所有格)
・代名詞(人称代名詞の主格、所有格、目的格)
中学1年生を終えるころに求められる能力は以下の通りです。
・単語700語程度
・be動詞を理解できる
・5W1Hを用いた疑問文が書ける
・助動詞を使える
・3人称を正確に使える
中学2年生で学ぶ英語は、高校受験に出てくる文法や表現です。
高校受験を意識する時期ではありませんが、実はかなり重要な部分を学んでいきます。例えば「不定詞と動名詞」や「比較級と最上級」「接続詞」などです。
どれも理解が少し難しい文法や表現で、学習が不十分な学生は文法の理解に苦しむケースが多いです。特に不定詞にはさまざまな用法があり、文脈によって役割が変わります。そのため、しっかりと学習に取り組まないと、理解するのは難しいです。
さらに中学1年生で学ぶ内容を理解していることが大前提になっているので、中学2年生は幅広い学習が求められます。
中学2年生では、具体的に以下のような内容を学びます。
・be動詞の過去形
・未来時制
・不定詞と動名詞
・助動詞(must, should, may, shallなど)
・比較級と最上級
・接続詞
中学2年生を終えるころに求められる能力は以下の通りです。
・助動詞の使い分け
・接続詞の表現を扱える
・文型の正確な理解
・比較級と最上級の理解
中学3年生で学ぶ英語は、主に高校受験対策と長文読解です。
中学3年生になると高校受験に合格するための内容に重点が置かれ始めます。しかし、それと合わせて「現在完了形」や「関係代名詞」「付加疑問文」「仮定法」などの表現も新たに出てきます。
特に、現在完了形は日本語にはない文法です。中学1・2年生で学んだ時制の延長線上にあって複雑化しているので、時制に曖昧な部分があると理解できません。
高校受験対策を行いつつ、中学1・2年生の時に学んだ分野の復習をすると良いでしょう。
中学3年生では、具体的に以下のような内容を学びます。
・現在完了形
・分詞
・関係代名詞
・付加疑問文
・仮定法
・受動態
中学3年生を終えるころに求められる能力は以下の通りです。
・関係代名詞の使い分け
・現在完了形や現在完了進行形、間接疑問文の文章が書ける
・分詞を理解する
・長文読解ができる
中学英語は基礎ですので、分野別の勉強法を用いるのがおすすめです。そこでここでは分野別に効果的な勉強法を紹介していきます。
英単語のおすすめの勉強法は、5感を使った暗記です。
人間がものを覚える場合、目や耳、鼻などにできるだけ多くの刺激があった方が定着率をアップできて効果的です。例えば、英単語を覚えたい場合、目でスペルを眺めるだけでなく発音をして口と耳を使ったり紙に書いて手を動かしたりすると覚えやすくなります。
特におすすめの勉強法は、音読です。音読は読む力と聞く力を単語を覚えながら鍛えられるので、かなり有効です。また、例文を覚えれば文法の理解も深められるので、将来英作文をする際にも役立ちます。
英語を理解していくうえで英単語の暗記は必須です。英語は言葉ですので、文章を理解したり自分の気持ちを伝えたりするのに単語1つ1つの知識が欠かせません。
移動時間や休憩時間などのスキマ時間を見つけて、英単語の知識を増やすようにしましょう。
なお、中学3年間に覚えるべき英単語の数は、1,600~1800語程度といわれています。この数を目標に覚えていくと、高校受験に合格できる力をつけられます。
文法のおすすめの勉強法は、教科書や問題集をフル活用したルールの理解と定着です。
高校受験では難しい文法の理解は必要なく、基本的な英文法の理解があれば合格できます。そのため、学校で使っている教科書を1つずつインプットしていき、問題集でアウトプット学習すれば合格に必要な知識を得られるでしょう。
特に問題集による学習は重要で、問題集を1冊買ったら問題を覚えるくらい繰り返し問題を解いていきます。その際は、間違えたところにチェックを入れておき、間違えた問題のみを解くのがおすすめです。
そうすれば効率的に問題集を解いて理解を深められます。
英語は単語が置かれている順番によって意味が決まる言葉ですので、文法の理解が深まれば英文を読めるようになります。長文読解にも役立つので、文法が理解できるまで根気強く学習するようにしてください。
高校受験に合格できるだけの長文読解力をつけるおすすめの勉強法は、丁寧に文章を解釈していくことです。
例えば、長文読解の問題であったとしても、理解できない文章が出てきたら立ち止まって一文を丁寧に解釈していきます。分からない単語を調べたり主語と動詞に印をつけて文法をチェックしたりします。
長文読解は分からない文がないように細かくチェックするところから始めるのが効果的です。
その後は、英文にスラッシュを入れて数語のチャンク(かたまり)にします。スラッシュを入れて文を区切ると、英語の語順のまま英文を理解できるようになっていきます。
「文章を1つずつ解釈する」「スラッシュを入れる」をしてたくさん英文を読んでいると、長文読解力だけでなく読むスピードのアップも可能です。
長文読解力がつけば大学受験でも活用できるので、面倒くさがらずに1文1文丁寧に解釈していくようにしてください。
リスニング力をつけるおすすめの勉強法は、音読と音源を使った聞き取りです。
リスニングは耳で聞いて意味を理解していくので、音読で英語のリズムに慣れる学習は効果が期待できます。特にシャドーイングといって、聞こえた音をそのまま音読する練習がおすすめです。
はじめはスピードについていけず、ほとんど英語を口にできないと思います。しかし、繰り返しシャドーイングで練習していると、少しずつ聞き取れる範囲が増えて音読できるようになります。
また、英語には英語特有の音があるので、たくさん聞いて慣れていくことも重要です。音源を使って聞き取る場合は「何とか聞き取れるスピード」を目安に始めてください。
いきなり受験レベルの英語だと挫折してしまう恐れがあります。はじめは遅くても、少しずつスピードを速めれば着実にリスニング力をつけられるでしょう。
難しいイメージがある英作文も、正しい勉強法でアプローチすれば高校受験も怖くありません。
英作文は以下の3つのポイントを意識して学習すると効果的です。
・簡単な言い回しで書く
・簡単な単語を使う
・完璧を目指さない
イメージしている日本語をそのまま英語で表現しようとすると、難しい表現になりがちです。そうすると簡単に書けないので、英作文を作れません。そのため、簡単な表現と単語を使って書いていくのがポイントです。
また、間違っても良いというスタンスで取り組んでいくと英作文の力が伸びていきます。
なお、英作文は英単語と文法の知識があることが前提です。不十分な場合は、まずは英単語と文法をしっかりと勉強していきましょう。
中学英語を勉強していくうえで、大切なポイントがいくつかあります。ここでは重要なポイントを紹介していきます。
英語の勉強は毎日の積み重ねが大切ですので、1日10分でも勉強する時間を作るように意識しましょう。
英語は暗記することが多く慣れも重要な教科です。暗記は覚える作業を繰り返す必要があるので、スキマ時間を見つけては英語に触れるようにします。
なお、英語学習の習慣化は通学時間やお風呂の時間など時間を決めるのが効果的です。
中学英語の学習は、教科書の暗記が有効です。
学校で使っている教科書には英語の基礎的な部分が中心に書かれています。教科書を理解できないと、学習を先に進めていくこともできません。教科書は英語学習のベースですので、まずは教科書を覚えていくようにしましょう。
また、高校受験の出題範囲は学校で学んだ場所からが基本です。つまり、教科書の暗記は高校受験にも通じる効率的な勉強法です。受験用の応用問題に取り組む前に、教科書を暗記すると効率的に受験勉強ができます。
英語学習のポイントは、基礎から1つ1つ丁寧に理解を深めていくことです。
英語は積み上げ型の教科ですので、分からない部分があると他の単元にも影響を与えます。例えば、単語や文法の知識がないと、長文読解やリスニング、英作文ができません。
そのため、分からない問題があった場合は放置せず、どうして間違えたのかをしっかりと追及するようにしましょう。どうしても自分だけで理解できない時は、先生に聞いて確実に理解してください。
放置していると、受験用の問題に取り組む段階でつまづく原因になります。
高校受験に合格するには、受験に合った勉強法でアプローチするのが効果的です。そこでここでは合格を勝ち取るための勉強法を紹介していきます。
高校受験の英語で点数を取るには?技能別の勉強方法や対策まで徹底調査!
リンク
英語を読み書きするには、単語や熟語、文法の理解が必要です。そのため、まずは単語や例文を暗記してベースを固めるのがおすすめの勉強法です。
単語に関しては、2021年度の中学校学習指導要領改訂によって、暗記すべき単語数が1,800語程度に増えました。そのため、単語帳やアプリなどを使って1,800語を目標に覚えていきましょう。
その際は単に単語を覚えるだけでなく、例文も一緒に覚えるのがおすすめです。例文を覚えると文法の理解も深まるので、長文読解や英作文で役立ちます。
高校受験に合格するためには、スキマ時間の活用がかなり重要です。
多くの人は課外活動や部活動で、勉強のためのまとまった時間を作るのは容易ではないでしょう。そのため、通学の電車や休憩時間などのちょっとした時間を使って、単語を覚えたり教科書を読んだりするのがおすすめです。
英語は毎日の積み重ねが大切ですので、スキマ時間に学習すれば着実に英語力を伸ばしていけます。
英語に苦手意識を持たずに学習を進めていくためには、勉強する順番が重要です。
具体的な順番は次の通りです。
1.英単語や文法の暗記
2.長文読解の量を増やす
3.リスニングをする
単語や文法の知識は英語学習の土台ですので、ここを疎かにしていると長文読解や英作文は決してできません。まずは単語や文法を覚えて、英語のベースを作るようにしましょう。
ベースが出来上がれば、長文読解に取り組んだりリスニングで英語の音に慣れたりする勉強に移っていきます。
高校受験対策で最後に行うのが、時間を測りながら過去問を解いていく学習です。
受験で過去問に挑戦する目的は以下の2点です。
・出題傾向を把握して慣れる
・時間配分を把握する
数年分の過去問を解けば出題傾向が分かるので、今必要な勉強法が見えてきます。また、試験には制限時間があるので、その時間内にすべての問題を解かなければなりません。過去問を実際に解けば、どれくらいのペースで問題を解くべきなのかが分かります。
どちらも高校受験に必要な理解ですので、仕上げに過去問を用いるようにしましょう。
中学英語の学習をスムーズに進めるには、質の高い教材の利用が有効です。ここではおすすめの教材を紹介していきます。
中学英語の参考書でおすすめなのが「くわしい 中学英文法」です。
特長は、誰にでもわかるように図や写真などを使って丁寧で詳しく解説が書かれているところです。また、学習指導要領に沿って作られているので、受験勉強を安心して進められます。
基礎的な学習を終えた人におすすめなのが「中学英文法 Fine」です。
文法の基礎的な5文型から始まりますが、仮定法や関係副詞など難易度が高い項目も収録されています。ワンランク上の学習をしたいという人は購入して利用してみてください。
スマホを活用して楽しく受験英語を学ぶこともできます。
例えば「英語物語」は中学生におすすめです。
このアプリはRPG形式のゲームで英語力を伸ばせるのが特徴です。英単語や文法、リスニングなどの基本的な英語要素が入ったクイズを解いて、敵を倒していきます。
無課金ですが小説3冊分以上のストーリーで構成されているので、十分に楽しみながら英語学習ができます。
受験英語だけでなく英会話まで幅広く学習をしたい人は「英語アプリmikan」がおすすめです。
中学英語から日常会話やTOEICの対策まで可能なので、高校受験は十分に対応できます。また、アプリ内で行った学習データは蓄積されていくので、いつでも簡単に習熟度をチェックできます。
自分の実力が上がっていくのを確認できるので、モチベーションの維持にも有効です。
中学英語の効率的な勉強法は、教科書や単語帳などを使って単語や文法の基礎を固めていくのが有効です。英語は積み上げ型の教科ですので、ベースの理解が深まれば応用問題も解きやすくなります。
まずはスキマ時間を活用して、英語学習を毎日する習慣をつけると良いでしょう。そうすれば、着実に英語力が伸びるので、高校受験に合格するだけの力をつけられます。
下村周作
学生時代のアルバイトで英語の塾講師をしており、中学生から高校生を相手に指導をしていたので、効果的な勉強法やおすすめの勉強法をいくつも知っています。今度はライターの仕事を通して、英語学習者に結果が出る勉強法をお伝えできればと思い執筆しております。