TOEFL勉強法
TOEFL Study Tips
目次
TOEFLとはアメリカのテスト開発機関により開発された英語能力測定試験です。
おもに留学や進学、就職に関する英語力を測定する試験で、これまで全世界で3,500万人以上が受験しています。
英語の試験にもいくつか種類があるので、自分に適したものを受験する必要があります。
まずはTOEFLテストは他のテストとはどう違うのか、また、複数の種類があるTOEFLテストはそれぞれどういうものなのか紹介していきます。
TOEFLには iBT、ITP、Junior、Primaryの4種類のテストがあります。
JuniorとPrimaryは準備段階のテストのようなもので、小中高生向けのテストです。
iBTとITPは学生や社会人対象に多くの人に受験されているテストです。
ここではTOEFLテストの中でもiBTテストとITPテストの2種類について解説していきます。
TOEFL iBTテストは個人で受験する人向けのテストです。
概要は以下のとおりです。
申し込み方法 | 受験者個人でインターネットで申し込み |
試験会場 | テストセンター 自宅で受験できるHome Editionもある |
受験料 | US$245 |
実施日 | 年間50回以上(土日で実施) |
受験時間 | 約2時間 |
テスト構成 | Reading, Listening, Speaking, Writingの4分野 |
実施方法 | コンピューター上で受験 |
スコア有効期限 | 試験日から2年間 |
スコアは海外留学(特に北米)の際の英語力判定の資料として提出できます。
TOEFL ITPテストは大学、高校、企業、官庁など団体で実施するためのテストです。
概要は以下のとおりです。
申し込み方法 | 団体ごとに申し込み |
試験会場 | 各団体が設定する場所 |
受験料 | 3000円程度 |
実施日 | 団体が指定する日 |
受験時間 | レベル1 約2時間 レベル2 約1時間10分 |
テスト構成 | レベル1(中級から上級)レベル2(初級から中級) の2種類がある。 どちらもListening, Structure and Written Expression, Reading の3分野で構成されている。 |
受験方法 | 紙のテストまたはコンピューター上で受験 |
スコア有効期限 | 試験日から2年間 |
TOEFL ITPは英語力測定のためのテストなので、留学出願などには用いることができません。
英語の試験はいくつかあり、受験をする際にどれを受験すればよいか迷ってしまうこともあると思います。
ここではTOEICとIELTSについて紹介します。
試験の特徴や自分の目的を考えて受験するようにしましょう。
TOEFLが留学や大学・大学院進学のための英語力を測定するのに対して、TOEICはビジネス英語の能力を測定します。
就職や転職、社内昇進などキャリアアップにの際にTOEICのスコアが参考にされます。
TOEFLでは1回のテストで4技能すべての能力を測定しますが、TOEICでは一度に2技能(Listening & ReadingまたはSpeaking & Writing)の能力を測定します。
IELTSもTOEFLと同様に留学や大学・大学院進学のための英語力を測定するテストです。
1回のテストで4技能を測定するという点も共通しています。
異なるのはスコアを活用する国です。
TOEFLのスコアはおもに北米の国への留学や進学の際に必要になりますが、ヨーロッパやオセアニアではIELTSのスコア提出が求められます。
なお、IELTSは移住の際の英語力を測定するテストとしても用いられます。
TOEFLはスコアで英語力を測定します。
そのため、自分の能力がどの程度なのかわかりにくいと思う人もいるでしょう。
TOEFL iBT、TOEFL ITPそれぞれのスコアと英語の能力の関係をまとめてみたので、受験するときの目安として参考にしてみてください。
TOEFL iBTは120点満点で結果が示されます。
それぞれのスコアでの英語力の目安は以下の通りだとされています。
40点以上で資格として認められますが、大学進学を考えると70点以上は必要です。
スコア | レベルのイメージ |
100点以上 |
|
90~100点 |
|
80~90点 |
|
70~80点 |
|
60~70点 |
|
50~60点 |
|
40~50点 |
|
40点未満 |
|
TOEIC ITPのスコアは、337点から677点で示されます。
それぞれのスコアでの英語力の目安は次のようになります。
スコア | レベルのイメージ |
627~677点 |
|
543~626点 |
|
460~542点 |
|
337~449点 |
|
TOEIC ITPのスコアはおもに国内の高校・大学でクラス分けや成績関連の資料、入試の参考資料として用いられています。
海外への留学や進学の際にはTOEFL iBTのスコアの提出が必要となります。
「TOEFLで出たスコアは他の試験ではどのくらいのレベルを表しているのか。」
「英検準1級だけど、TOEFLでは何点くらいのレベルなのか。」
など、他の試験との比較で自分のレベルを知りたいという人は以下の表を参考にしてみてください。
英語力を示す国際的な指標として、CEFRがあります。
文部科学省がCEFRをもとに各種英語試験スコアを比較しています。
テスト形式が異なるため完全に換算はできませんが、目安として活用できます。
CEFRレベル | TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC(L&R) | IELTS | 英検 |
C2 | 8.5~9.0 | ||||
C1 | 95~120 | 627~677 | 945~990 | 7.0~8.0 | 1級 |
B2 | 72~94 | 543~626 | 785~944 | 5.5~6.5 | 準1級~1級 |
B1 | 42~71 | 460~542 | 550~784 | 4.0~5.0 | 2級~準1級 |
A2 | 337~459 | 225~549 | 3.0 | 準2級~2級 | |
A1 | 120~224 | 2.0 | 3級~準2級 |
TOEFLは結果が合否が示されるのではなくスコアで示されます。
そのため、「平均点を目安に自分の目標を決めたい」「自分の英語力は平均と比べてどうなのか知りたい」という人もいると思います。
また日本人は他の国に比べてTOEFLの平均点が低いと言われていますが、実際はどうなのでしょう。
日本人の平均点、全体の平均点、セクションごとの平均点など、TOEFLの平均点に関する情報を以下にまとめてみました。
2021年にTOEFL iBTを受験した日本人の平均点は74点でした。
セクションごとの平均点は以下の通りです。
分野 | Listening | Reading | Speaking | Writing | 合計 |
平均点 | 19 | 19 | 17 | 18 | 74 |
受験者全体の平均点は以下の通りです。
分野 | Listening | Reading | Speaking | Writing | 合計 |
平均点 | 22 | 22 | 21 | 22 | 88 |
日本人の平均点は低いと感じるかもしれませんが、全体の平均には英語圏の人たちも含まれているので、そこまで気にすることではありません。
セクションごとに大きく差はありませんが、スピーキングが他のセクションに比べて少し低い傾向にあります。
日本人平均点の74点は英検でいうと準1級程度といえます。
2021年にTOEFL ITPを受験した日本人の平均点は473点です。
受験者全体の平均点は483点です。
日本人の平均点の473点は英検でいうと2級から準1級程度と言えます。
TOEFLの試験は難易度が高いと言われています。
スコアアップをめざすのであれば勉強法も工夫が必要です。
TOEFLスコアを上げるための勉強法を以下に紹介します。
自分に合うものから挑戦してみましょう。
まずおすすめの勉強法は、本番どおりの時間配分でテストを解くということです。
TOEFLのテストは試験時間が2時間もあり、最後まで集中力をきらさずに解き続けるのはかなり大変です。
これに本番には緊張が加わります。
十分に力を出し切るために、本番と同じ時間ですべての問題を解く機会をもち、本番のテスト形式に慣れるようにしておきましょう。
問題をひととおり解くことで、時間の目安も立てやすくなります。
また、TOEFL iBTの試験では自分がリスニングをしているときにスピーキングをしている人がいる場合もあります。
集中が途切れないように、カフェなど雑音のある中で問題を解く練習をしておくとよいでしょう。
おすすめの勉強法の2つめは問題集を繰り返し解くことです。
試験でのスコアアップを狙うなら、試験問題の傾向をつかむことが大切です。
問題集を繰り返し解いていくと出題傾向がつかめるとともに、自分の苦手な問題が見つかります。
何度も間違えるところは理解できるまで繰り返し取り組みましょう。
おすすめの勉強法の3つめは単語や文法を覚えることです。
TOEFLの試験では大学の講義などで使用される単語がたくさん出てきます。
普段見慣れない単語が多いので、語彙力を上げることは必須です。
目安は8000語以上と言われているので、TOEFL専用の単語集を準備して語彙を増やしていきましょう。
文法学習も特に初・中級者には効果的です。
TOEFL ITPの試験では、文法問題の出題がありますし、TOEFL iBTでは読解をする際に文法の知識が役立ちます。
高校までの英文法が理解できるよう、問題集などを使って学習をしておきましょう。
TOEFL iBTではスピーキングとライティングのテストもあります。
その対策として、アウトプットの練習をすることをおすすめします。
単語や文法について「知っている」のと「使える」というのは異なります。
使う機会を増やしていかないと、「使える」レベルにはなりません。
人と話したり文章を書いたりするなかで知っている表現を繰り返し使ってみましょう。
また、出会った表現も積極的に取り入れて使うようにしていくと、表現の幅も広がります。
何度も繰り返すことで定着していくので、粘り強く取り組みましょう。
TOEFLスコアを上げるには、各セクションごとの対策をしっかり取っていくことが大切です。
難易度の高いテストですから、効率よくたくさん練習を積んでいくとよいでしょう。
ここではセクションごとのおすすめの勉強法は次に紹介するとおりです。
リーディングの勉強法は次の通りです。
・語彙を増やす
・英文を早く読む練習をする
・英文を一文一文ていねいに読む
・本文の意味を考えながら音読する
TOEFLではアカデミックな内容の文章が出題されるので、語彙を増やしておくと英文を読むスピードが上がります。
問題練習を通して出会った単語もチェックしておきましょう。
また、毎日長文を読むことで読解力を上げていきましょう。
長さの目安は1000語程度です。
スピードを上げて読み内容をとらえる「速読」と一文一文ていねいに読む「精読」をバランスよく取り入れましょう。
意味を考えながら音読することも効果的です。
リスニングの勉強法としては次の3つをおすすめします。
・たくさん英語を聞き、英語の音やリズム、イントネーションに慣れる
・長い英文を聞く練習をする
・英文を聞きながらメモを取る練習をする
・ディクテーションやシャドーイングをする
TOEFLのリスニングはネイティブの音声でスピードもかなり速いです。
内容をしっかり把握するにはまずはネイティブの発音に慣れる必要があります。
TOEFL専用の問題集を用いて毎日ネイティブの音声にふれ、リズムやイントネーションなどに慣れるようにしましょう。
テストでは3分から5分の会話や講義を聞き取ることになるので、速く正しく内容を把握するための練習が必要です。
メモを取りながら聞くことで、話の流れをつかむことができるようになります。
ディクテーションやシャドーイングは正しく聞くためのトレーニングとしておすすめです。
ライティングでは次のような問題が出題されます。
・聞いたり読んだりした内容をもとに150~225語のエッセイを書く
・設問に対する自分の意見を300語以上で書く
上記を30分程度で行うので、理解した内容や自分の意見を素早くまとめ表現する練習が必要です。
具体的には以下のようなことを行うことをおすすめします。
・ライティングの基本的な型を理解する
・英文を読んでその要約や自分の考えを毎日300語程度を目安にまとめる練習をする
・語句の知識をつける
・フィードバックを受ける
ライティングの基本的な型とは「自分の意見を主張」→「その理由や根拠」→「具体例」→「締めくくりの自分の意見」です。
この型を覚えて、それに従って書けるようになれば、自分の意見を論理的に伝えることができるようになります。
多くの英文はこのような構成で書かれているので、さまざまな英文に触れることもおすすめです。
また、ライティング力は練習を積むことで伸びていきます。
毎日まとまった英文を書く習慣をつけましょう。
書いた英文についてはフィードバックを受けると、自分では気づかなかった文法や語法のミスを発見できます。
最近は文法チェックのできるアプリもあるので、独学で学習している人は使用してみるのもおすすめです。
伝えたい表現をスムーズに引き出すために、語句の知識を増やしておくことも有効です。
スピーキングテストでは、次の2つの種類のテストがあります。
・自分の意見を述べるテスト
・読んだり聞いたりした内容を要約して話すテスト
ライティングテストと同様、スピーキングテストでもリーディング力やリスニング力も問われます。
対策としては以下のようなことが考えられます。
・スピーチの基本的な型を知り、その型に従って話すトレーニングをする
・自分の発音やイントネーションをチェックする
ライティング同様、話をするときは、「自分の意見や主張」→「その理由や根拠」→「具体例」→「しめくくりの自分の意見」の流れで組み立てていくと、意見や考えがスムーズに伝わります。
この型に従って話をする練習を繰り返しましょう。
また、自分の発音やイントネーションの癖には自分では気づきにくいものです。
フィードバックを受け、自分の話す英語をレベルアップさせましょう。
英会話スクールやオンライン英会話、アプリなど自分に合うものを活用してみましょう。
この記事では、TOEFLテストについて、テストの種類や、スコアと英語力の目安、勉強法などを紹介してきました。
TOEFLは留学や海外への進学のためのテストなので、アカデミックな内容で難易度も高いです。
結果は合否ではなくスコアで示されるため、自分がどのレベルをめざすのか、そのためには何をどの程度できるようにする必要があるのかも考えておく必要があります。
目標をしっかりと定めて、適切な対策をし、効率的に学習を進めていきましょう。
MIE
大学で英語教育について勉強し、その後20年以上中学校の教員として沢山の生徒に関わってきました。現在は中学校で講師をしつつ、記事執筆活動を行っています。これまでの経験を活かして、読者様のニーズに合ったわかりやすい記事を書いていきたいと思います。