TOEIC勉強法
TOEIC Study Tips
目次
TOEICの800点は高得点の部類に入ってすごい難易度が高いイメージがありますが、具体的にどれくらいのレベルなのかわかりますか。
ここではTOEICの800点の難易度を詳しく解説していきます。
TOEIC800点の難易度は、英語を活かしてビジネスができるレベルです。
就職や転職をする際でも外資系企業の足切りにあうことはほとんどありません。業務上で一部不明瞭な点はありますが、複雑な要求に対しても適切に応えられるでしょう。企業にもよりますが、海外赴任を任せてもらえる英語レベルです。
ちなみに、TOEICを運営している国際ビジネスコミュニケーション協会が出している2022年度のデータによると、受験者数は784,310人でしたが、そのうち795点以上を取得した人は124,459人でした。
つまり、795点以上の人の割合は15.6%程度で、800点以上は難易度が高いことが分かります。なお、2022年度の平均スコアは608点でした。
大学受験を経験した人であれば、大学の難易度と比較できればよりわかりやすくなると思います。
結論からいうと、TOEICの800点はGMARCH(学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)レベルです。
大学別の平均スコアは存在しないので、残念ながら正確な情報はありません。しかし、偏差値からおおよその難易度を分析することは可能です。
TOEIC800点の偏差値を計算すると、例年62前後で推移しています。そして、偏差値62前後の大学を調べると、関東なら「GMARCH」で関西なら「関関同立」が挙げられます。
大学受験のレベルとTOEICを単純に比較はできませんが、難易度を知るための1つの目安となるでしょう。
TOEIC800点の難易度は他の英語資格と比較できますので、紹介していきます。
英語力を評価する国際指標に「CEFR(セファール)」というものがあります。この指標によると、TOEICの800点は「B2」というレベルです。
CEFRで「B2」と評価される他の英語の資格を紹介すると、以下の通りです。
・英検 準1級
・TOEFL 80~90点程度
・IELTS 6.0~6.5程度
・GTEC 1280~1350点程度
・TEAP 320~374程度
大学のレベルと同様に単純に難易度の比較はできませんが、高いレベルであると分かります。
ちなみに、CEFRの「B2」の英語レベルは、自分の専門分野の話であれば複雑な内容でも理解できるレベルといわれています。また、ネイティブと流暢かつ自然にやり取りができる英語力です。
漠然とTOEIC800点の難易度が分かったと思います。では、取得するにはどれくらいの英語力が必要なのでしょうか。
ここではTOEIC800点に必要な英語力について紹介していきます。
TOEICで800点を取るには、英単語を少なくとも7,000~8,500語程度覚えなければなりません。
実は8,500語程度の知識は、ネイティブの6歳くらいの語彙力といわれています。しかし、TOEIC対策のためにはビジネスで使うような英単語も覚えなければならないので、ハードルは高いです。
ちなみに、英検のレベル別の英単語数の目安を紹介すると、以下の通りです。
英検のレベル | 必要な英単語数 |
3級 | 2,100 |
準2級 | 3,600 |
2級 | 5,100 |
準1級 | 7,500 |
1級 | 10,000~15,000 |
つまり、8,500語もの英単語の知識は、英検の準1級にも対応できるレベルです。
覚えるのは決して簡単なことではありませんが、TOEIC800点のためには単語数8,500語を目安に勉強をすると良いでしょう。
TOEICではビジネスシーンで使うような単語や表現が多数出てくるので、800点を取る能力があれば英字新聞でもある程度理解できます。
すべてを理解できないかもしれませんが、知っている単語や表現が多いので趣旨を推測して読み進められます。
ビジネス上で交わすような契約書やビジネスメールも内容をほとんど理解できるので、業務上で困ることはほとんど無いでしょう。ただし、知らない単語や文法なども多少あるので、仕事ではミスをしないように対策が必要です。
TOEICで800点を取るレベルは、ネイティブと流暢かつ自然にやり取りができる英語力です。
基本的に日常会話であれば、ほとんど問題なく聞き取れるレベルです。英語のテレビやラジオで専門的な会話でなければ、基本的にはニュースの内容を理解できます。
海外旅行に行った場合でも、現地で困ることなくコミュニケーションが取れます。
ただし、ビジネスシーンにおいては専門的な内容になってくると、聞き取ったり内容を正確に理解したりするのが難しいかもしれません。それでも話の趣旨や全体像を大まかに理解はできます。
業務上でもわからない部分を丁寧に説明を受ければ、十分に内容を理解できるでしょう。
TOEICの800点は難易度が高いので、取得できればさまざまなメリットがあります。そこでここでは、TOEICで800点を取るメリットを紹介していきます。
TOEICで800点を持っていると、企業に対して強力なアピールができるのがメリットです。
国際ビジネスコミュニケーション協会の2022年度のデータによると、社会人の平均スコアは638点です。
企業から見れば800点は容易には取れる点数ではないので、かなり高い英語力を持った人物と評価できます。今は海外と直接取引をしていない企業であったとしても、近年は急速にグローバル化が進んでいるので英語力の高い社員は必要です。
企業から業務の幅を広げられる人材として評価される可能性があるでしょう。
TOEICで高得点を取れれば就職や転職で有利になるので、800点取得はかなり大きなメリットです。
国際ビジネスコミュニケーション協会が2019年に実施した「英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン」によると、82.6%の企業が今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキルは英語と答えています。
また、今後強化していく必要がある能力やスキルも、67%の企業が英語と答えています。つまり、多くの企業は英語ができる人材を求めていると判断できるでしょう。
そのため、TOEICで800点を取れれば平均的なスコアでは採用されないような日系大手や外資系企業などにも応募できるので、かなり有利に就職や転職活動を展開できます。
また、高い英語力があれば通訳業務や翻訳業務、英語教師などの職種にも応募できます。もちろん高いスキルがあれば自分で独立して仕事をすることもできるので、TOEICで800点を取れば仕事の幅をグッと広げられるでしょう。
TOEICのスコアは就職活動に影響する?目安の点数や具体的なメリットも紹介!
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企業によってはTOEICで一定のスコアを取ると、報奨金や資格手当が支給される場合があります。.収入を増やしたい場合にもTOEICの高スコアはメリットがあります。
2019年の「英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン」から一例を出すと以下の通りです。
業種 | スコア | 報奨金 |
商社 | 800 | 5,000 |
食品 | 860 | 30,000 |
卸売・小売 | 800 | 10,000 |
科学・薬品 | 730 | 30,000 |
情報通信・通信サービス | 800 | 15,000 |
資格手当に関しても業種によって条件が違いますが、以下のように支給される場合があります。
業種 | スコア | 資格手当 |
食品 | 860 | 3,000 |
卸売・小売 | 800 | 10,000 |
情報通信・通信サービス | 800 | 2,000 |
もし、報奨金や資格手当がある企業に勤めているのであれば、条件を満たすとそれだけで収入がアップするのでメリットがあります。また、転職を考えているのであれば、報奨金や資格手当の制度がある企業を選べば、その分収入のアップが可能です。
さらに、企業によってはTOEICのスコアが昇進や昇格に影響する場合があります。2019年の「英語活用実態調査 企業・団体 ビジネスパーソン」によると、約2~3割の企業がTOEICのスコアを要件にしたり参考にしたりしています。
つまり、TOEICで800点を取得できれば、将来の収入を大きくアップさせられる可能性があるといえるでしょう。
TOEIC800点は高い英語力の証明になるので、海外部署への異動や海外赴任などの可能性が出てくるのがメリットです。
海外に行って仕事をするには、高い英語能力が求められます。多くの企業はTOEICのスコアをその基準の1つとして参考にしているので、800点を取得すれば海外赴任の候補になるでしょう。
もちろん、海外赴任の社内公募があれば、TOEICの800点は堂々と立候補できるレベルです。希望する人はTOEIC800点取得したメリットを活かして、英語力をアピールしてみてはいかがでしょうか。
資格試験や就職試験、大学の受験などで科目の免除や加点があるのもメリットです。
例えば、公務員試験の場合、スコアに応じて点数が加算されます。競争倍率が高い試験で加算があれば、大きなアドバンテージでメリットです。どれくらいのメリットがあるのかは自治体や職種などによって違いますので、気になる人は確認してみてください。
大学受験ではプラス材料として参考にされるだけでなく、試験自体を免除して満点として換算される大学もあります。その場合、英語の試験対策が必要なくなるので、大きなメリットです。
TOEIC800点の難易度はかなり高いので、それだけでさまざまな試験に活用できるでしょう。
TOEICで800点を取るためにはかなりの時間が必要ですが、現在の英語レベルによって違います。ここでは現状のレベル別に必要な勉強時間について紹介していきます。
TOEIC500点の人が800点を取るためには、900時間程度の勉強は必要でしょう。
TOEIC公式サイトによると、TOEIC L&Rのスコアを100点伸ばすのにネイティブスピーカーの英会話研修で300時間前後かかると発表しています。つまり、500点から800点までには300点の差があるので、単純計算すると900時間程度必要です。
例えば、1日1時間の勉強をすると仮定した場合、約2年6ヶ月かかります。3時間勉強した場合は約10ヶ月です。
TOEIC600点の人が800点を取るためには、600時間程度の対策が必要でしょう。
1日1時間の勉強をする人なら約1年8ヶ月かかり、3時間TOEIC対策に充てられる人なら約7ヶ月で取得できます。
ただし、勉強時間の目安には個人差があるので、余裕を持って対策をするのがおすすめです。
TOEIC700点の人が800点を取得するには、300時間程度の対策が必要です。
1日1時間の勉強をする人なら約10ヶ月で取得でき、3時間の人なら約4ヶ月で取れるでしょう。もちろん、毎日有効な対策ができれば勉強時間の短縮も可能です。
この記事では有効な対策も後述するので、参考にしてください。
TOEICで800点を取るための目安の勉強時間は以下の通りですので、参考にしてください。
現在のスコア | 必要な勉強時間 | 必要な期間 |
500 | 900 | 1日の勉強時間が1時間なら約2年6ヶ月 ・1日の勉強時間が3時間なら約10ヶ月 |
600 | 600 | ・1日の勉強時間が1時間なら約1年8ヶ月 ・1日の勉強時間が3時間なら約7ヶ月 |
700 | 300 | ・1日の勉強時間が1時間なら約10ヶ月 ・1日の勉強時間が3時間なら約4ヶ月 |
TOEICで800点を取るには、しっかりとした対策が必要です。ここでは取るべき対策を紹介していきます。
800点超えで必須の対策が、苦手意識のある分野の克服です。
ハイスコアを目指すのであれば、大きな取りこぼしはできません。苦手パートでスコアを大きく落とすと、得意分野があったとしても挽回が難しいでしょう
800点を取るためには、すべてのパートでバランスよく得点を重ねていく必要があります。得意分野を伸ばす勉強も必要ですが、苦手意識があるパートがあるのであれば克服するのを優先してください。
苦手意識があるパートの失点を得点に変えられれば、800点に大きく近づきます。
TOEICで800点を取るには、リスニング対策が欠かせません。リスニングセクションでも点数を重ねられるように、英語の音に耳を慣らすようにしましょう。
対策としては、聞こえてきた英文を真似して自分で発音するシャドーイングが有効です。一言一句丁寧に聞き取る練習をすると、少しずつ聞き取れる英語が増えてきます。
また、ネイティブのスピードに慣れるために毎日英語を聞く習慣を作るのも有効です。通勤や通学の隙間時間に英語のラジオやテレビを視聴して英語の音やスピードに慣れてくると、長文のリスニングにも対応しやすくなります。
すべての問題を時間内に解くには英文を速く読むための対策が必要です。
TOEICでは時間内に解けずにスコアが伸び悩んでいる人が少なくありません。もし、時間内に解けなければ800点を取るのは難しいでしょう。
リーディングスピードを上げるポイントは、英語の語順のまま理解できるようになることです。返り読みをせずに読めれば、自然にリーディングスピードは速くなっていきます。
有効な対策は、単語や文法などの基礎を徹底的に把握することです。まずは単語をスラッシュで区切って、英文の構造を理解していきましょう。文章構成に慣れてくると、英語を英語のまま理解できるようになります。
TOEICでスコアを伸ばすのには、出題形式を把握して慣れるのがおすすめです。
例えば、TOEICはパート1~4がリスニング問題、パート5~7がリーディング問題という構成です。また、問題の種類も以下の通り変わりません。
パート | 問題の種類 |
パート1 | 写真描写問題 |
パート2 | 応答問題 |
パート3 | 会話問題 |
パート4 | 説明文問題 |
パート5 | 短文穴埋め問題 |
パート6 | 長文穴埋め問題 |
パート7 | 1つの文書・複数の文書 |
形式や問題の種類、それぞれの特徴を把握すれば、対策がしやすくなります。出題形式の慣れには公式問題集を使うのが有効ですので、活用してください。
TOEIC800点を目指すには効果的な勉強法を実践するのが近道です。そこでここでは、おすすめの勉強法を紹介していきます。
英語力のベースになるのが単語力ですので、まずは1つずつ英単語を覚えていくのがおすすめです。
TOEIC800点を取るのに最低覚えなければならない単語数は、約8,500語程度です。かなりの数ですが、約8,500語覚えると試験でだいたいの単語を理解できます。
ポイントはしっかりと正確に覚えることです。「何となく知っている」ではなく「完璧」を目標に覚えていきましょう。
単語の暗記は毎日触れるのが重要です。単語帳やアプリなどを活用して、毎日見ていると覚えられます。
長文問題を正確に読み解くためには、文法の理解が欠かせません。中学英語からしっかりと文法の基礎を固めていくのが大切な作業です。
文法の勉強では、インプットとアウトプットの繰り返しが有効です。参考書やアプリで覚えて問題集で解く作業を繰り返していると、少しずつ文法を覚えられます。
文法を覚えると、その先のリーディングやリスニングで役立ちます。スムーズに勉強を進めるためにも、文法をしっかりと固めていきましょう。
制限時間内にすべての問題を解き切るには、高いリーディング力が必要です。そのリーディング力を養うのに有効なのが「チャンクリーディング」です。
チャンクリーディングとは、意味のかたまりごとにスラッシュを引いて読んでいく勉強法をいいます。文をかたまりで理解するので、返り読みをせずとも英語の語順のまま理解できるようになります。
また、リーディング力を鍛えるには音読も有効です。声に出す音読は黙読よりも脳に負担がかかります。脳に負担をかけて内容を理解しながら音読していると、脳の処理能力がアップしてリーディング力がアップします。
さらに、音読をすると英語の音に慣れることができるのもメリットです。
TOEIC990点のうち495点はリスニングですので、リスニング力は800点を取るためのキーです。
リスニング力を伸ばすには、まずは音声変化のルールを覚えると良いでしょう。英語は単語同士が連結したり脱落したり、同化したりします。この変化を把握して理解できれば、英語が聞き取りやすくなります。
その後はディクテーションやシャドーイングなどを繰り返して、聞き取れる音を増やしていくのが効率的です。
リスニングに苦手意識があった人でも、音声変化のルールを知ってから勉強するとスムーズに力をつけていけるでしょう。
TOEICのリスニング対策まとめ!スコアアップに効果的な勉強法とは?
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TOEIC800点を取るには、質の高い教材やスクールを利用するのが有効です。ここではおすすめの教材とスクールを紹介していきます。
TOEIC800点を目指している人におすすめなのが「一億人の英文法」です。
特徴は英語の実践力に着目しているので、ネイティブの感覚まで教えてくれるところです。ネイティブの感覚で文章を組み立てられるようになるので、文法で曖昧な部分がなくなります。
しっかりと読み込めばスコアが伸びるだけでなく、話せる英語も身につけられるでしょう。
TOEIC対策の問題集といえば、公式が出版する「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 10」が最適です。
本番に最も近い内容と問題になっているので、高得点を取るには欠かせません。
内容は本番のテストと同じプロセスで作った問題が2回分(計400問)収録されています。音声CDもついているので、リスニング対策も可能です。
出題形式に慣れるためにも、受験するなら1冊は購入して解いてみましょう。
TOEICに挑戦するなら、アプリの活用も有効です。特におすすめなのが「スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース」です。
単語学習や文法学習、リーディング、リスニングなど、ありとあらゆる英語学習に対応しています。また、有名な講師による講義も約300本受けられるのも特徴です。
実践的な演習問題が数多く収録されているので、繰り返し解けば短期間でも実力を十分にアップできます。隙間時間でも勉強できるプログラムもあるので、あらゆる人におすすめです。
TOEICで本気で800点を目指す人は、スクールを利用すると良いでしょう。
スクールに通うメリットは、自分に合ったカリキュラムを作成してくれるところです。専門のスタッフが最適な勉強プログラムを作ってくれるので、行き詰まることなく勉強を進められます。
おすすめのスクールは「Liberty English Academy」です。結果を出すために徹底的に学習効率を追求しています。
英語の本質を学ぶことで確固たる英語力を得ることができます。
TOEIC800点の難易度はかなり高く、取得するのは簡単ではありません。しかし、取得すると就職や転職、資格試験などで大きなアドバンテージを得られるメリットがあります。
この記事では800点を取るための勉強法やおすすめの教材、スクールを紹介してきました。ぜひ実践できるものから取り入れて、800点を目指してみてください。実践して頂ければ、誰でも800点の取得は可能です。
下村周作
学生時代のアルバイトで英語の塾講師をしており、中学生から高校生を相手に指導をしていたので、効果的な勉強法やおすすめの勉強法をいくつも知っています。今度はライターの仕事を通して、英語学習者に結果が出る勉強法をお伝えできればと思い執筆しております。